バルコニーやテラスの手すり(フェンス)と雰囲気



前回、屋外ダイニングの様に仕上がっているコンパクトなバルコニーを紹介した際に、「手すり(フェンス)がポイント」という話を書いたんですが、良い感じのバルコニーやテラスの写真をいくつか発見したので、フェンスのデザインに注目してご紹介してみたいと思います。

まずはこちら、スペイン Balearic Islands、Palma Novaのリゾートのバルコニーです。
バルコニーが居室エリアと大きなガラスドアでつながった配置になっているため、手すりは格子などの完全にシースルーな形状では無く、上部が格子、下部が壁、という組み合わせになっています。
上部が格子になっていることによって、バルコニー内の椅子に腰掛けた時の視界や圧迫感はかなり改善されていると思います。
それでいて、外部下方からの視線は完全に遮ることができますので、バルコニー内への視線、バルコニーに隣接する居室内のプライバシーは保つことができるわけです。
この組み合わせパターンのデザインは色々と応用ができると思います。
続きましてこちら、アメリカ サンフランシスコのアパートメントのテラスです。
こちらは、「燦々と降り注ぐ太陽を何者にも邪魔されること無く体いっぱい浴びてます」的な開放感です。
フェンスも一切目隠しナシで、格子そのまんま、落下の危険は防げていますが、視線は全く遮ってません。
こういったパターンでも、前回紹介したように、必要に応じてテラスに何かをディスプレイしたり、観葉植物をおいたりすれば、外部への露出は適宜コントロールできます。
最初のスペインのパターンと2番目のサンフランシスコのパターンで、根本的に何が違うか、というと、それは結局、テラスやバルコニーの「物理的な配置」や「位置づけ」なんでしょうね。
前者の場合は、バルコニーは完全に居室の延長であって、物理的な配置としても、バルコニーの位置づけとしても、「外からバルコニーが覗けてしまう=居室内で寛いでいる姿が覗けてしまう」ということになってしまうわけです。
それは困る、ということで、視線を遮るものを最初からしっかりと(ただし必要最小限に)、作ってあるわけです。
それに対して後者はというと、このテラスは決して居室の延長というわけではなく、「外から見えても構わない独立したエリア」として作られてるわけです。
なので、視線を遮るものも特に作っていない、と。
日本の住宅地で家を建てる場合には、どちらかと言えば前者に近い形を選択することが多いと思います(または前者よりももっとしっかりとした目隠しフェンスを作るパターン)。
ただし、周辺の環境や立地によっては必ずしも周辺からの視線をそこまで気にしなくても良いパターンも十分にありえますし、後から観葉植物などで調整を加えることは可能なわけです。
なので、考え方としては、まずは家を建てる土地の立地条件、周辺の環境などと照らして、後者の様なシンプルなパターンのフェンスでどうにかできないかを考えて、それではNGということであれば、そこから徐々に前者のパターンに近づけていくのが良いのでは無いかと。
ちなみに僕の家の2階のテラスは前者のパターンの最終型の様なパターンで、テラスの周りは三方とも高さ2m以上のフェンスでしっかりと囲われています。
見えるのは空だけ、という感じで、そういった意味では残念なんですが、このパターンにも一つ大きなメリットがあります。
それは「防音」です。
厚さ20cm位のしっかりした塗り壁のフェンスで囲っているので、テラスでちょっとやそっと騒いでも、家の前の道にはあまり音が漏れていきません。
なので、年1、2回、テラスで友人たちとBBQをする時などは、昼間っからビールを飲んで騒いでも大丈夫、という嬉しいメリットがあります。
たまに七輪でサンマを焼いたりもしていますが、これも煙が上に上がっていくので、(多分)周囲の人からどうこうと思われる様なことは無いです(これは真偽の程は定かではありませんが…)。
今回ご紹介した以外にも、目隠しとしてはルーバーを使ったパターンなどいくつかのパターンがありますので、そこら辺もまた別途ご紹介してみたいと思います。
たかがフェンスなんですが、どういったフェンスを作るかでそのバルコニーやテラスの位置付けや使い勝手が変わってきてしまうものですので、家を建てる際には、購入する土地の立地を踏まえてしっかりと検討してみた方が良いと思います。
Photo #1©Burkazoid , #2©Tolka Rover

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