最近のイタリアのデザイナーのものなどを見ていると、モダンなデザインの、真っ白い人工大理石などを使ったすっきりしたものが多くある様に思いますが、個人的には、こういったウエットな感じのものも、可愛らしくてとても良いと思います。

造りだけを見ると、昔の小学校の手洗いなどにありそうな感じです。浅く、幅と奥行きのある流しが、とても使い易そうです。普通のタイルで作ったら、昭和の匂いがして来てしまいそうな洗面所ですが、様々な色のグリーン系のタイルをモザイク状に上手く使う事で、暖かみのある美しい洗面所を造り出しています。タイルなので、お掃除も楽そうです。

確かに、洗面所として考えるのであれば、シンクに「深さ」はあまり必要ないのかも知れません。どちらかというと、この「奥行き」が、水の飛び跳ねなどを上手くカバーしてくれて、日々の掃除、メンテナンスを楽にしてくれそうな印象があります。

なんにせよ、このライムグリーンのタイルの感じは良いと思いますね。

Photo ©chotda

トールペイントと言うんでしょうか。青基調で絵付けされたその色合いと柄がとても可愛らしいです。

「ホーローの」と書いてしまいましたが、ほんとのところ、コレがホーロー製かどうかははっきりわかってないんですが、多分そうかな、と。

ホーローとかタイルという素材は、一昔前の家の洗面台や水回りでは、ものすごく一般的だったと思います。当然今でもよく使われますけれど、技術革新もあって、ステンレスとか陶器とか、色々な素材がより使い易くなって来て、ホーロー＋タイルの洗面台というのも以前よりは見かけ辛くなって来た様な。

でも、この組み合わせ、とても可愛らしいものが作れる上に、なんというか、ガシガシと使える様な「強い」イメージがあって、僕は好きですね。

毎日顔を洗ったり、手を洗ったりするところですから、「可愛くて強い」というのはとても魅力的です。

Photo ©_Fidelio_