縁側 – 住宅デザイン http://juutakudesign.com 住宅のデザインやパーツ、家具や内装など、例えば『このキッチンの、この感じ!』というものを見つけてきては紹介しています。新築/リフォームの際の間取りやインテリア検討、アイディアを出してイメージをふくらませるための元ネタなどにどうぞ。 Fri, 23 Oct 2015 05:51:32 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.8.2 【曲面に囲まれた暮らし】サイロをリサイクルした円筒形の1LDK狭小住宅 http://juutakudesign.com/2015/10/post_1152.html http://juutakudesign.com/2015/10/post_1152.html#respond Fri, 23 Oct 2015 05:12:18 +0000 http://juutakudesign.com/?p=12718 穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウスの外観この家、ちょっと住んでみたいですね〜。   一風変わった外観のこのお宅、なんでこんな形をしているかと言いますと、実はこの円筒形の躯体、元は穀物用のサイロなんです。 カンザス州の農場で実際に使用されていたこのサイ […] ]]> この家、ちょっと住んでみたいですね〜。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウスの外観

 

一風変わった外観のこのお宅、なんでこんな形をしているかと言いますと、実はこの円筒形の躯体、元は穀物用のサイロなんです。

カンザス州の農場で実際に使用されていたこのサイロ、こちらにお住まいの建築家 クリストフ・カイザーさんが、ネットで売りに出ていたのを発見して、ご自身の自宅の躯体として流用することを思いついて購入したんだそうで。

カンサスからアリゾナのフェニックスまで、ピックアップトラックの荷台に乗って1800km近い距離を運ばれてきたサイロは、この場所で基礎の上に据え付けられ、

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス サイロの設置中

 

ドアや窓になる部分を加工され、

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス サイロを加工中

 

内部に柱を立て、梁を架け、フロアを作って、壁には断熱材を張って、内装が施されます。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 内部に間柱 内装 断熱 下準備

 

1階はリビング・ダイニング・キッチン。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 1階のリビング・ダイニング・キッチン

 

中央に置かれたダイニングテーブルは当然円形。キッチンもクローゼットも扇型にカーブして、壁に沿ってぴったりと収まりまっています。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス ダイニングテーブルは丸 キッチンも扇型

 

リビングの頭上の吹き抜けを螺旋階段で上がった先がベッドルーム。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 2階のベッドルーム

カーブした壁に囲まれたこういう空間って、包まれ感のような独特の面白い雰囲気がありますよね。

 

バスルームも当然扇型。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウスのバスルーム

 

内部のスペースは実はこれだけ。つまりこちらのお宅、一軒屋にして1LDKなんですね〜。

ちなみに、具体的にどの程度の広さなのかを数字でみてみますと、建築面積230スクエアフィート/延べ床面積340スクエアフィートとのことですので、平米/坪でいいますと、建築面積が約21.4平米≒6.5坪、延床面積が約31.6平米≒19畳。若い方が住むような一人暮らし向け1LDK物件が専有面積30平米前後といったところだと思いますから、まさにそれとほぼ同等の広さ。これは一軒家としてはかなりコンパクトな部類に入るのではないかと…。

躯体が円筒形だから、丸く削られたコーナーの分、余計に床面積が小さくなるということもあるかと思いますが、仮にここに立方体の建物を建てたとするとどんな感じになるんですかね?

試しに計算してみますと、建築面積21.4平米ということは、円筒の半径は、床面積21.4を3.14で割ったものの√で約2.6m、直径だとその2倍ですから約5.2m。この土地のコーナーまできっちり使って四角い躯体の家を建てたとしたら、建築面積は5.2m×5.2m≒27平米≒8.2坪弱ということになります。

軽くSketchUpで描いてみました。

縦横各5.2m×高さ6mの立方体と、そこに接する円柱をSketchUpで 斜め上から

縦横各5.2m×高さ6mの立方体と、そこに内接する円柱です。

縦横各5.2m×高さ6mの立方体と、そこに接する円柱をSketchUpで 横から

高さ6mはちょっと高すぎだったかも。

こちらが立面図。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 立面図

実際のサイロの高さは、円錐形になった頭頂部を除くと5m〜5.5mくらいといったところでしょうか。

縦横各5.2m×高さ6mの立方体と、そこに接する円柱をSketchUpで 頭上から

こうやって実際に比較してみると、確かにコーナーまで使ったほうが、純粋な床面積が広くなるのは当然ですけれど、実際に生活する上で使えるスペースという意味ではあまり変わらない気がします。つまり、逆にいうと、建築面積21.4平米/延床面積31.6平米(1:1.48)の円柱形の建物というのは、建築面積27平米/延床面積40平米(27平米×1.48)程度のスクエアな建物と似たイメージで使える広さがあるということなのかもしれませんね。

 

周りを曲面で囲まれ、内部を構成するものや置かれたものにも角が少ないということは、いろいろな面でのメリットも生みだしてくれると思います。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 2階のベッドルームからリビングを見下ろす 螺旋階段と扇型ソファ

カーブした壁に沿って置かれた扇型のソファは、ただ並んで座るだけで、お互いが自然に軽く寄り添ったような位置関係にしてくれますし、周囲に尖ったものが少ないというのは、小さなお子さんや先端恐怖症の方に限らず、普通の人がリラックスしてなにげなく時間をすごすという、それだけのことに対しても、十分すぎるくらいのアドバンテージをもたらしてくれるのかなと。

 

リビングの壁面には、庭につながる幅2.7mの全開口スライドドア。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 庭とリビング・ダイニングの間は2.7m幅の全開口スライドドア

 

スライドドアの幅にあわせて扇型の縁側のようなスペースが設けられてまして、地面より50〜60cmほど高くなったこの部分で、そのまま座って寛ぐことができるようになってます。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 庭とリビング・ダイニングの間の全開口スライドドアを開けたところ 庭から

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 庭とリビング・ダイニングの間の全開口スライドドア 夜 庭から

 

庭の形も当然扇型。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 図面

 

直線で囲われていないこういう空間って、実際の広さ以上の独特の拡がりが感じられる気がしますよね。

穀物サイロを流用して作った円筒形のコンパクトハウス 円形の庭

 

そういえば、ずっと前に、アムステルダムの図書館の円柱型の本棚というのをご紹介したことがあったんですけれど、こういう形って強度的には結構期待できるでしょうし、土台と柱と梁の間の接合をしっかりとやっておけば、より高い耐震性能を必要とする建物としての用途にも使えそうな気がしますね。

アムステルダムの図書館の円柱型の本棚

普通の本棚に比べれば、限りなく倒れる可能性が低くて安全な気がしますが、万が一横転したら転がりそうで怖い…。重心の設計だけはちゃんとしておかないと。

 

「四角い土地を四角く使う」というのは、数値の上ではもっとも利用効率の良い土地の使い方だと思いますけれど、そこで実際に暮らす姿をイメージしつつ、そこに、数値には見えてこないさまざまなメリットを見出すことができるのならば、こういうのも選択肢の1つとしては十分ありなのかなと。

それにしても、手間とかコストとかをいろいろ考えると、なんにせよ贅沢な土地の使い方/家の建て方であることに間違いはないとは思いますけどね…。

( Photos via christophkaiser / SketchUp images ©juutakudesign )Similar Posts:

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非常に稀ではありましょうが、きっと世の中には、こんな感じのリビングを自宅内にお持ちの方もいらっしゃるとは思いますし。
ちなみにコチラはプーレイ・ベイ・リッツカールトンの一画でして、冒頭早々に自白しました通り、住宅ではありません。
が、こういう写真を見ながら色々と夢想に耽るのも、「良い感じなお家」につながるイメージを膨らませるきっかけになる部分もあるのかな、と。
差し込む光の感じなんかは、伝統的な日本家屋の、深い庇の下の縁側みたいなイメージに非常に近い感じがしますね。
「日当たり良好」みたいな雰囲気もそれはそれで好きですが、大きな屋根や庇、オーニングなんかの組み合わせで「日差しの差し込みを全体的に抑え目にしつつ、冬の低い角度からの光は取り入れる」みたいな作りを目指してみるのも悪く無いかな、とか。
この写真に縁側はありませんが、「リビングと庭の間にちょっとした縁側なんがかあったりしたら良いかも」みたいなことも連想させられる気がします。
別に屋根が無くても、シンプルな濡れ縁や落ち縁を作るだけでも、庭がよりリビングに近い空間になりそうかな、とか。
そうすると、庭にも色々と置いてみたくなったりしますね。
「中くらいの踏み石をいくつか入れたら、庭に出ていきやすくなるかな」とか、「石と言えば、緑もいいけど、庭石とかも雰囲気があって良いかな」とか。
灯籠とかも面白そうですね。
ただし、庭石って結構高いので(安いものでも最低数万円、数十万円とかは当たり前、という世界です)、迂闊に手を出すとトンデモ無いことになったりするので、くれぐれもご注意を…。
参考までに逆側の写真も乗せておきますが、ココ、実はリビングですら無く、単なるスパなんですけどね…。
暖かそうで良いですな…。
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庇の下の縁側


日当りが良くて明るいリビング、ダイニング、というのはとても良いものですが、個人的には、それと同じ位、日陰も好きです。
言葉で説明するのがかなり難しいのですが、太陽の光でしっかりと照らされた、明るいエリアと、その日差しをしっかりと遮った、暗さの残るエリア、家の中で、この2つのエリアのコントラストをはっきりと持たせるようにする事で、明るいエリアは、より活動的な「動」のエリアとして、また、暗いエリアは、より落ち着いた「静」のエリアとしての位置づけがはっきりと際立つのではないかと考えています。
例えば、強い日差しに照らされたこのテラス。
この日差しの中で、冷たいビールでも飲みたいところです。

テラス

格子状の日よけによって、テラスへの直射日光は適度にコントロールされています。が、それよりも何よりも素晴らしいのは、この日よけを設置したベランダに続く室内側の「明るさ」です。
この柔らかい明るさ、例えて言うならば、大きく張り出した庇の下の縁側の様だと思うのですが、いかがでしょうか。
この落ち着いた適度な明るさが、のんびりとダイニングで寛ぐ時間を、より豊かにしてくれるのではないかと思います。
隣接する、すぐ隣の空間は激しく明るく、そして、この空間はうって代わって薄暗く落ち着いたイメージ。
このコントラストを住宅の中に実現できると、自宅の中で、静と動のギャップを楽しむ事ができるのではないでしょうか。
同じ様な「住宅内の光のコントロール」をいくつか紹介してみたいと思います。
このケースは、庭に面する敷地の塀を格子状にすることで、光をコントロールしています。
この格子状の塀(壁)はレールによってスライド可動が可能になっており、季節や状況に応じて開閉もできる様になっています。
この庭に続くダイニングです。
格子によって適度に採光をコントロールすることで、明るいながらも、落ち着いた雰囲気のダイニングが実現できているのだと思います。
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