今どきの日本の諸事情からすると、お父さんの書斎やワークスペースというのは、家を建てる際の各種要望事項の中で必ずしも優先順位の高いポジションに置いておけるわけでは無いかも知れませんが…。
より多くの成果を望むのは交渉ごとの鉄則というコトで、このくらい思い切った場所に書斎を作る計画を主張してみてはいかがでしょうか?
階段を上がったロフト的な空間に作られたワークスペースです。
見たところはホンの4畳くらいの小さなスペースですが、大きな窓があり、開放的な雰囲気で見晴らしも良さそうで、この家の中で一番贅沢な場所と言っても過言では無い気がします。
しかも、下のフロアとのこの微妙な距離感が良いですよね。
これ、今までにも何度か書いていることなんですけれど、フロアやスペースの間のこういう位置関係や距離感って、ものすごく良いのでは無いかと。
下のフロアでパートナーや家族が何をしているのかは充分に感じ取ることができて、下のフロアとコミュニケーションを取りたければ、そのまま会話をすることも出来ます。
その一方で、集中したいときなどは呼びかけに応えないだけで、ソレを相手に伝えることもできるでしょうし、階段を上がって来なければ物理的にこの空間に踏み入って来ることもできないわけで、下のフロアとのつながり具合を容易にコントロールすることが出来てしまうわけです。
本を読んだり、週末にちょっと持ち帰り仕事したりする程度の使い方に対して、こんな素晴らしい空間を求めたら怒られそうな気もしますが、ご自宅メインでお仕事をされているような方であれば、このくらいの空間を要望してみても罰はあたらないのでは無いかと。
トコロで、話はちょっとそれますけれど、このお宅の内装、ちょっと違和感ありません?
こんなモダンな感じの建物で、窓なんかもよく見るとちょっと難易度高めな作りになっているのに、レンガ作りなんですよね。
特に、階段のトコロの窓の間なんて、窓と窓の間の柱のような部分、よく考えたらこんな細いモノをレンガで積み上げて作っても、強度的にはかなり恐ろしいこといなってしまうような…。
実はこのレンガ、”brick veneer”というやつなんです。
このお宅で使用しているのは、アメリカの”brick-it”という製品のようですけれど、日本でも「ベニヤタイルレンガ」とか「ブリックタイル」というような名称で色々な製品が取り扱われています。
「所詮フェイク」「見た目の話」と言ってしまえばそれまでなんですが、今どきのモノの中には、質感も高く、素材は薄く軽く、下地に特別な処理も要らず、その上断熱効果まであるという至れり尽くせりの製品もあるようなので、インテリアにアクセントを入れてみたい方などは、一考の余地ありかも知れません。
僕の自宅の経験から1つだけ言えることは、「汚れなさそう」「汚れても目立たなさそう」で羨ましい、という感じでしょうか。
そういうのって、住み始めて何年も経ってからも徐々に満足感を高めていってくれたりして意外と良いんですよね。
いつかリフォームするときが来たら、買ってきてDIYで自分で貼ってみようかな。
( via The New York Times )