昔、暖炉と薪ストーブの違いについて
・暖炉は炎を楽しむためのもの
・ストーブは暖房器具
と聞いたことがあります。
これはその人なりの解釈だったのだと思いますが、
wikiの暖炉の項目によると暖炉と薪ストーブの最大の違いは、
輻射熱の利用の有無だそうです。
暖炉は輻射熱を利用してさらに薪を燃焼させるそうです。
いきなり難しくなってしまいました・・・。
輻射熱というのは、遠赤外線等の電磁波によって、
隔たった空間に、物質を経由しないで直接伝播する
熱エネルギーのことです。伝播すると途中の段階では
熱エネルギーの形ではなく、伝播先の物質に到達した際に
熱エネルギーになります。
これに対して、空気や水などを介して熱が伝導する、一般的な
熱エネルギーの伝播を、伝導熱と言います。
簡単にいうと、フライパンで肉を暖めると、表面から熱が伝わって
焼けていくのが伝導熱で、電子レンジで肉を暖めると、電磁波が
内部に直接届いて内部も均一に焼けるのが輻射熱です。
電子レンジで使用されている電磁波は遠赤外線ではありませんが、
電磁波が肉の内部に直接あたって、そこで熱が発生する、という
仕組みは、遠赤外線による輻射熱と同じ仕組みです。
で、話を戻しますと、暖炉の特徴は、この輻射熱によって周囲の
耐熱レンガ等を暖め、その暖まった熱によってさらに薪を
燃焼させる、という効果をもっているという点なんだそうです。
冒頭の『暖炉とストーブの違い:暖炉は観賞用』の話は、
きっとこういうことだと思います。
ストーブは前面が密閉式のものが主流で、暖炉も近年は
ストーブ同様、前面は密閉式ですが、昔の暖炉は前面が
開放式になっているものが多かったと思います。
前面が開放式の暖炉は、燃焼する際に周囲の空気を
どんどんと消費してしまい、その結果、燃やせば燃やすほど
暖炉から遠い箇所ですきま風が厳しくなる、というデメリットを
持っていたそうです。
僕の知り合いの方は、上記の特徴を捉えて、
『暖炉は観賞用』という表現を使ったのではないかと思います。
ちなみに現在では、暖炉下部の灰箱下に空気の取り入れ口を
つくり、また、前面を密閉式にすることによって、上記の
すきま風の発生を防止しているものが主流と思いますので、
暖炉だからといって寒い、ということは無いと思いますね。
うちの暖炉も、とても暖かです。