30度開かれた”羽根の家”



こういう感じの雰囲気、好きです。

こちら、スウェーデンの南部、バルト海に望むbeddingestrandという街に建つ海沿いの家なんですが、ちょっと面白い形をしてまして。
図面で言うと、こんな感じです。
建物が、角度120度位でしょうか、「く」の字型に曲がってるんです。
このお家の話をする前に、まず周囲のロケーションの話をさせて頂きます。
図面の右斜め45度位の方向が真北です。
上側はお隣さんの土地、下側が海、つまり、くの字の足の部分が海に垂直に向かっているイメージで、左側は森、右側は道路に面しています。
で、この建物、なんでこんなカタチをしているのか、といいますと、”外部からの視界と横風を遮るため”なんだそうで。
まず「視界」の方から説明しますと、このお宅の場合、下側は海、左側は森と、そちらは問題なかったんですが、上側と右側からは人の視線にさらされる様なロケーションになっています。
普通に「I字型」のお家を立てると、右側からの視線はともかくとして、上側からは丸見えになってしまうわけです。
で、躯体に何らかの「角度」を付けることで、視線を遮ることにしたわけです。
こんな感じのパティオやガラス張りの開放感のある廊下も、外部からの視線を遮っているからこそ、この開放的な雰囲気で仕上げられるわけです。
次に2番めの「風」のお話です。
この風のお話は、ほぼ想像オンリーで読み解かなければならないので、結構難しかったんです…。
普通、何らかの事情で躯体に角度を付けるとして、よくあるのは「L字」、つまり90度の角度にするのかな、と。
ですが、このお家の場合、それを120度にしています。
その差、30度。
大した違いじゃ無い気がします…。
しかも、よくよく考えてみると、90度よりも開いているわけで、つまり、L字型よりは「風を遮らない」形にしてあるわけです。
ココらへんから想像するに、この「120度」という角度が意味するところは、「I字型では遮れない風を遮り」且つ「L字型では遮ってしまう風を通したい」という事なんだろうな、と。
図面から読み取った方位に置き換えてみますと、まず前提として、I字型でも、庭と逆の方向、背面側になる北北西から東南東の風は全面ブロックされます。
で、それを60度閉じることで「北北西と西北西の風を遮り」、且つ、L字型よりも30度開いていることで「西風を通す」ということですかね(正直、「L字型では遮ってしまう西風」の方は、もしかすると、風の問題では無く、視線を遮りつつも、ある程度開けたスペースにしたい、という意図の可能性もありますが)。
細かく考え過ぎて、ちょっとわけが分からなくなってしまいました…。
正直言ってバルト海の風向き事情にも詳しくないので、そもそもの考え方のベースもよくわかりませんし、はっきりとしたことはいえないんですが、この、30度とか60度という微妙な角度で、特定の風向きを特定のエリアに迎え入れたり遮ったり、という考え方は、なかなか面白いと思いますね。
日本も、ジメジメとした暑い夏と、それと対照的な厳しい冬の両方を持っている国ですので、こういった微妙な調整でベストな風を必要にして十分なだけ取り込む、というアイディアは、上手く応用すると結構マッチするかもしれません。
ちなみに、非常にみみっちい話になりますが、この30度の角度をつけることによって、どの程度余分な土地が必要になったのかも計算してみました。
…細かい計算は省いたとして、大体「土地いっぱいに建物を建てた場合の2倍弱」といったところだと思います(三角形の面積位は応用しましたが、細かいところは”脳内イメージ”で処理させていただきました…)。
「このレイアウトのお家を建てるために、土地が倍必要」と言われてしまうと、ちょっと躊躇してしまいそうな気がしますが、建ぺい率50%の土地だったら、普通にこんな比率で建てているわけで、そういった意味でも結構現実的かもしれませんね。
( via designboom )

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