【外と中の位置関係】クローズドでオープンなキッチン



コチラのキッチン、コンパクトながらもなかなか良い感じだなと思ったのでちょっとご紹介させていただきたいと思います。


大きな収納棚のある細長いキッチン.jpg

作業スペースの背中側の壁一面に巨大なオープン収納が作り付けてあります。
この作りだと、カウンターの上で各種作業をしつつ、サッと振り返るだけですぐに必要なものを取り出すことができて非常に効率的ですよね。
しかも、カウンター側からの距離がこのくらいあれば、ぎりぎり棚全体を見回すことができそうですので使い勝手も良さそうです。
この作業スペースと棚の位置関係、近からず遠からずの絶妙な距離なのでは無いかと。
近年では、家族や来訪者とコミュニケーションが取りながら作業ができるような、「オープンで」「居室との距離が近い」キッチンというのも選択肢として一般的になってますよね。
それはそれでアリだとは思うんですが、そういう作りのキッチンって、内部が人目に触れやすい分、どうしても「色々なものを隠せる」仕組みが必要になってくると思うんです。
棚ひとつとっても、オープンな棚で全てを開け広げにしてしておくことに抵抗がある方も多いと思いますし、キッチン内の作業エリアがダイニング側から直接見え過ぎてしまわないように、目隠し的なモノを色々と考えたりする必要があったりします。
それに対して、キッチンエリアをクローズな空間として作ることで、逆にキッチンの内部を遠慮無くオープンな作りにすることが可能になるわけで、作業スペースとしての使い易さや作業効率的な面を考えるのであれば、従来型の区切られたクローズなキッチンというのが本来まず最初に検討されるべき選択肢なのかなと。
ちなみにこのお宅、家全体のレイアウトもなかなかイカしてます。
かなり細長い形状のフロアで、それに対して構造物や壁が何本も櫛の歯のように縦に入っています。
細長の建物の芯の部分が居室エリアで両脇が廊下、どのエリアも、左右双方の廊下からアクセスできるようになっているという作りです。
レイアウト上の下側に見える出っ張りがエントランスで、そこから廊下を越えて居室に入ると、レイアウト上で”1″、”2″と表示されているリビング・ダイニング。
写真でご紹介したキッチンは建物のほぼ中心の”3″の番号のところで、キッチンも左右どちらの通路からでもアクセスできます。
レイアウト上、キッチンよりも右側のエリアにベッドルーム、バスルーム、収納やウォークインクローゼットが配置されていまして、ゲストは特別な用事がなければ”3″よりも右のエリアには入ってこなくても大丈夫なようになっているわけです(逆に、ゲスト用のベッドルームは、レイアウトの一番左側、”9″の番号の部屋です)。
櫛の歯のように配置された壁や構造物、両脇の通路、各居室の配置、どれも、「外と中」「手前と奥」の位置関係を検討した結果の成果物なのかなと思いながらみてみると、色々と面白い部分がありそうです。
ウナギの寝床状の細長い土地に家を建てるご予定の方、参考にしてみてはいかがでしょうか。
( via REMODELISTA )

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