コチラのダイニングの雰囲気、ちょっと良い感じだなと思ったのでご紹介させていただきます。
横幅2.5mといったトコロでしょうか。
お世辞にも広々とは言えないくらいのコンパクトなスペースですけれど、とても居心地が良さそうで、家族で落ち着いて団欒が出来そうな雰囲気ですよね。
個人的には、窓が壁の中央でなく端に寄せて配置されているところも結構好みです。
壁の真ん中にある窓というのも悪く無いと思うんですけれど、左右どちらかに寄せてあったほうが空間にアクセントが付けられる気がしますし、このお宅のように壁際に棚を造作したりキャビネットなどの家具を配置するときにも何かとやり易かったりします。
でもこのダイニングの中で何よりも良い感じなのは、やはり何と言っても中央に置かれたダイニングテーブルですね。
低くて丸いダイニングテーブル、圧迫感がこれっぽっちも無くて、まるでこの家で暮らす家族の和合の象徴のような存在なのでは無いかと。
丸い形のテーブルってスペースの利用効率が良く無いと言われますよね。
家具は当然のことながら基本的には直線で構成された空間に置くわけですから、そこに直線じゃない形のモノを入れたらデッドスペースが余計に発生してしまうというわけです。
でも、実際にはそうじゃ無いと思うんですよね。
正方形のテーブルと円形のテーブルのサイズと天板の表面積の関係を考えた場合、一辺が1mの正方形のテーブルと同じ面積の天板を持つ円形テーブルを作るためには、円形のテーブルの直径は1.13m弱ということになります。
それに対して、一辺が1mの正方形のテーブルの対角線の長さはルート2≒約1.4mですから。
よく考えれば当たり前のことなんですけれど、正方形と円でそれぞれ同じ面積を確保しようとしたら、正方形の方が「より長い最大長部分」を持つわけです。
形状そのものからストレートに来る問題もあります。
丸いテーブルだったらすぐ脇を抵抗感無く歩けますけれど、四角いテーブルの角は当然尖ってますので、脇を通るときにもぶつからないよう少し距離を保って通ることになります。
小さなお子さんなんかがいたら、角にぶつかって怪我をしないように色々と配慮が必要だったりもします。
冒頭の写真のダイニングに同じくらいのサイズの正方形のダイニングテーブルが置いてある風景を想像してみて頂けますでしょうか。
狭いダイニングの中で机の角を気にしながら奥側の席に回りこんだりすることを想像したら、とてもじゃないけれどのんびりと寛いだり出来る雰囲気じゃ無い気がするんですけど。
そもそも四角いテーブルの角の部分って使います?
使わないですよね。
こういうことを色々考えていくと、丸くカーブした部分こそが究極の理想形で、角こそが本当の意味でのデッドスペースなのでは無いかと思うわけです。
確かに四角いテーブルは壁にピッタリと付けて配置するのには都合が良いですし、その場合には、家具の配置というレイアウト上の話では空間の利用効率が良いとも言えます。
でもそれは、単に部屋の壁が直線で角が直角だから四角形の家具が「置き易い」だけであって、実際の人間の生活を考えた場合、直線や直角こそが利用効率が悪くて、円形に近いものの方が、本当の「空間の利用効率の良さ」「使い易さ」「暮らし易さ」を実現してくれるのかなと。
コンパクトなダイニングにこそ丸いテーブル。
コレ、間違ってないと思うんですけどね。
( via CARL DAHLSTEDT )