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【選択と集中】一塊の空間の使い方、広めのワンルームとビルトインベッド



こちらのブラジル・サンパウロのワンルームの部屋、作りが中々面白いなと思ったのでちょっとご紹介をさせて頂きます。

まず玄関はこんな感じでごくごく普通です。
とはいえかなり余裕のある作りをしていますので、正直言って日本の狭いワンルームマンションとは玄関からして作りが違いますが…。
で、玄関からワンルームエリアに入っていくところには、こんな感じのクローゼットがありまして、
ワンルームに入って行くと、結構広々としたリビングエリアが広がっています。
図面が無いので正確なところはわからないんですが、リビングエリアの窓側壁面の幅は3.5mくらいといったとことでしょうか。
右手に見えるカウンターがダイニングエリア、その更に右側にはキッチンがあります。
キッチンはこんな感じで、極端に狭いわけでは無いですが、必要最小限サイズという感じです。
キッチンの窓側壁面の幅は2.5mくらいですかね。
この左側のカウンターがダイニングなわけですが、そういう意味ではダイニングも相当削りに削った感じがサイズになってます。
キッチン側からリビングエリアを振り返ると、
コンパクト目なキッチンとダイニングとは対照的に、リビングエリアはかなり贅沢な感じです。
壁紙が面白いですね…。
で、ここから左手の玄関側に視線を移すと…
なんとベッドが壁に埋め込まれています…。
ビルトインベッドなわけです…。
ちなみにこのリビング側の壁面の幅は、ベッドのサイズとカーペットのサイズから想定するにせいぜい6mくらいという感じだと思います。
お風呂はこの左手、キッチンエリアの隣にこんな感じのシンプルなシャワーブース+トイレが作りこまれています。
レイアウトと広さ的なものをおさらいしてみると、まず、リビングエリア(含むベッド)が3.5m×6m=21平方m≒13畳くらい。
で、ダイニング・キッチンエリアが2.5m×3.5m=9平方m弱≒5畳くらい。
お風呂が2.5m×2.5m=6.25平方m≒4畳くらい。
玄関エリアが1m×3m=3平方m≒2畳くらい。
合計で40平方m、24畳くらいという感じでして、まあ日本のワンルームにしても「ひとり暮らしをするにはちょっと贅沢目」「2人で暮らすのにはちょっと手狭」という位のサイズでしょうか。
にもかかわらず、リビングだけは広々としてまして、その「一点豪華集中」的なところが中々面白いかなと。
まず、部屋自体がかなり正方形に近いというところが、一塊の空間としての使い勝手が良いんでしょうね。
で、ダイニングを思い切ってコンパクトにして、風呂もシャワーのみと、使わないところ(ホントにそうなのかどうかは知りませんが)を大胆に削りつつ、ベッドに至っては、本来収納スペース的な場所になるべきところの上部空間におさめてしまっています。
で、そうやって確保したスペースを全てリビングエリアに集中させているわけです。
かなり極端な作りですけれど、このくらい思い切ってやってしまうと清々しいくらいの面白さが出てくるのでは無いかと思います。
このやり方、ワンルームのお部屋だけでなく、結構色々な場所に応用してみたら面白い気がします。

【建て方次第】超開放的な巨大ルーフバルコニー



このルーフバルコニー、最高です。

コチラ、オーストラリアの北東部、ケアンズの南約140kmに位置するミッションビーチというリゾートに建つ高級賃貸マンションの一部屋なんですが、写真を目にして思わず「自宅にこんなフールバルコニーが有ったら良いな」という妄想に浸ってしまいました…。
マンションのお値段がおいくら万円くらいするのかはちょっと定かでは無いんですが、サイトの説明を読む限りでは、このルーフバルコニーは90平方mくらいあるみたいです。
置かれているソファとかのサイズからして、幅6m×奥行き15mという感じでしょうか。
マンション自体はこんな巨大な建物でして、しかも、最低ワンフロアで1物件、場所によっては2フロアで1物件になってるんだそうです。
つまり、3フロアのこのデカいマンションが、わずか3戸の物件になっているという…。
で、話を日本に戻しますと、まあ、どんなマンションを建てるかを考えるのはデベロッパさんのお仕事でして、ここで僕がいくら妄想したところで、売れない物件は誰も作ってくれないだろうと思うんですが(たとえ作ってくれても買えないことも重々承知しております)、自分で建てる一軒家の自宅にだったらこういうルーフバルコニーを作ることはできるかもな、と。
さすがにこんな広々としたルーフバルコニーを作るのは、それなりに(相当に?)お金が無いと駄目かなと思いますが、ここまで行かずとも、この半分、40平方mくらいのサイズのルーフバルコニーだったら、意外と普通のお宅でも可能な範囲な気がします。
そもそもルーフバルコニーというのは屋外なわけで、面積は容積率の中には入りません。
つまり、極端な話、建物の建坪が40平方m≒12坪の建物の屋根をまるまるバルコニーにしてしまえば、そこは40平方mのルーフバルコニーなわけで、しかもこれは建ぺい率とか容積率とかの問題の外側の話になります。
単に屋根の上をルーフバルコニーにしただけでは、バルコニーに出るたびにはしごを掛けて屋根の上に登らなければいけないので現実的では無いですけれど(やり方によってはそういうのもアリかも知れませんが…)、下のフロアの屋根に上階から出ていくような普通のルーフバルコニーであっても、容積率の関係で建物を建て切れない部分をうまく使うように最初から狙っていけば、かなり広いルーフバルコニーを作ることは十分可能なのかなと。
例えば30坪の土地で、建ぺい率80%、容積率200%の土地があったとしましょう。
建ぺい率が80%なので、建坪は最大で24坪ということになります。
で、容積率200%ということは、床面積は最大で60坪、1階部分の面積24坪なので、2階以上にあと36坪分のフロアを作ることが可能なわけですが、ここのレイアウトをどうするかという話なわけです。
2階と3階に分散させるイメージでそれぞれ18坪のフロアを作った場合、1階のルーフバルコニーとして使える出っ張りエリアが6坪分ということになります(1階24坪、2階18坪、3階18坪の3階建てで、2階に6坪のルーフバルコニー)。
これを、2階を1階と同じく24坪のフロアにすると、3階は12坪分のフロアということになりますから、2階部分の屋根を使った3階のフールバルコニーは12坪≒40平方m弱というかなり大きなものになります(1階24坪、2階24坪、3階12坪の3階建てで、3階に12坪のルーフバルコニー)。
どちらのプランもそれぞれ利点があると思いますし、最終的にはどういった家に住みたいか、どういうレイアウトが便利か、という施主の考え方に関わってくる話なんですが、プラン次第で、少なくとも40平方m近い「広いルーフバルコニー」を作ることは十分に可能なのかなと。
あまり細かい検証をしながら考えたわけでは無いので、感覚的にしかわかっていないところもありますが、上記のようなプランにしたい場合、
(1)建ぺい率の高い土地の方が作りやすい(土台部分が大きく作れるから)。
(2)道路斜線や北側斜線などの影響を受けて、どうしても2階部分を削らなければならないケースもあるはずなので、土地に対して斜線制限がどうかかってくるかも一つのポイント。
というあたりを考慮すると、よりプランが立てやすいのでは無いかと思います。
また長々と妄想をしてしまいました…。