こういうカラフルな本棚、以前にも何回かご紹介したことがあるんですが、決して機能的とは言えないかもしれないですけれど、やはりインテリア的な面白さはあるなと思いまして。
この本棚、実際にやってみたら色々と問題はあるとは思うんですよね。
例えば、すぐに思いつくだけでも
・「岩波文庫の赤」ばかり読んでいる人の本棚はピンクっぽくなったりするし、講談社文庫が好きな人の本棚は黄色っぽくなったりする。
・文庫とハードカバーを混ぜて収納しているので、その分収納効率が悪くなる。
・背表紙の色を覚えておかないと本が探せない(文庫系はまだしも、ハードカバーの本は背表紙の色もまちまちなので、相当探しづらそう)。
・そもそも一定数以上の本を持っている人でないと、こんな風にバランス良くまとめられない気がする。
という感じでしょうか。
効率的な収納が好きな僕としては、ちょっと我慢ならないレベルな気もします…。
しかし、オトナたるもの、ネガティブなことばかり言っていてはいけないかなということで、メリット的なものも考えてみました。
まず、この本棚には、何よりも美しさがあります。
このカラフルさ、この面白さ、インテリアとしては相当ポイントが高いのではないかと。
そして、色々考えていくうちに思いついたんですが、この本棚には「全然関係が無い本同士が隣り合っている」からこそ「突然思いも寄らない本が目に入ってくる」というメリットがありそうかなと。
つまり「予期せぬ出会い」です。
自宅の本棚ですので、当然過去に自分が買って読んだ本なわけで、そこまで「思いも寄らぬ」出会いでは無いわけですが、暇なときに「何か読もうかな」と思って本棚を探す分には、先入観無しに色々な本を候補として選択できるので結構良いかなと。
そういう意味では、コレを本屋さんの本棚に導入したら面白いかもしれませんね。
当然、置いてある本は「厳選した最高に面白い本」オンリーにして、ある程度ジャンルなりで絞った上で、こういった「ランダムな並び」の「カラフルな」棚を一つ二つ作ってみたら、本好きな人に受けたりするかもしれません。
そういえばキーボードのQWERTY配列も、あのバラバラでちょっと打ちづらい感じな配列にすることでタイプライターのタイプ速度を落として、内部で打鍵アーム同士が衝突するのを避けようとしたということらしいですね。
で、そのおかげで、10本の指使うをバラバラに使って単語を打つのにちょうどいい感じになったりしたという「予期せぬメリット」があったりするわけで、ときには思い切って効率を捨ててみるコトで、思わぬ別のメリットに気がついたりする、というのも人生の面白さなのかな、と。
( Photo ©Eccentric Scholar )