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軽量鉄骨と合板の吹き抜けハウス



こちらのオタク、妄想の題材としてなかなか面白そうだな、と思いまして…。

妄想と申しましても、家自体は実際に横浜に建っている実在の家でして、オーナーは日本在住のイギリス人の方です。
妄想は僕の頭の中だけのお話でございますので、そこら辺は適当にあしらっておいて頂けますと幸いです。
何が面白いって、このお宅、一軒家なのに、何だかプレハブ小屋みたいなんです。
躯体は軽量鉄骨で、屋内はだだっ広い一つの空間になってるんですが、そこに、必要に応じて合板で「構造=お部屋」を作ってあります。
この空間の使い方や区切り方、以前にご紹介した「オートバイ修理工場のリノベーション」に共通する面白さを感じます。
一階は1フロア全部がリビング・ダイニング・キッチンです。
縦横のスペックが不明なのではっきりとは判らないんですが、4m×10mで40平方m、25畳位、といったところでしょうか。
で、上を見ると、梁が通ってまして、その上には合板で囲われた「箱」の様なものが。
階段で2階に上がると、先程の箱が。
中身はベッドルームとお風呂、トイレです。
2階の床はグレーチングになってまして、2階といえども、何だか1階と同じ空間に近い雰囲気ですね。
2階に「お部屋」が無い部分は、吹き抜け(というか、何もなく、そのまんま天井)になってまして、天井が高い分、開放感もありそうです。
天窓なんかもあります。
見れば見るほど不思議といいますか、なんと言いますか…。
確かに、10数坪程度のそれほど大きいとは思えない土地に、軽量鉄骨造りで結構大きな空間を作れている、というところは魅力的だと思います。
吹き抜けと天窓とグレーチングのお陰で、2階建てなのに、1階でこの自然光の採光が実現できています。
これも結構魅力的ですね。

工法的にも、特別に坪単価が安い、という工法では無いですが、この位シンプルにしてあれば、かなり安価に建てることができそうな気がもします。
でも、それ以外はどうなんですかね?
まず、真っ先に考えつくのが「冷暖房効率」の問題あたりでしょうか。
大空間且つ吹き抜け+グレーチングで、家全体が一つの空間みたいになってますし、屋根裏エリアも無く、という感じですからね…。
幸いなことに、寝室エリアは合板で区切られた別の部屋になってますので、ココだけは個別に空調でコントロールできそうですが、それ以外の大部分は、夏はチンチンに熱された天井や壁の熱が室内に伝わってきそうですし、冬は温めても温めても熱が逃げていきそうな気がします。
この造りだと、防音的な問題も有りそうですしね。
各部屋間の防音問題も有りそうですし、外部との間の防音も気になります。
そこら辺を意識して、断熱とか防音とかを色々やると、木造軸組工法とか2×4工法とかと比べても、結構高くついてしまうかも知れません…。
逆に言えば、断熱、防音を、きちんと、且つ、なるべく安価に実現する方法を検討して、通風、採光あたりもしっかりと考慮して建てれば、「面白くて」且つ「合理的な」家に仕上げることも可能なのかもな、という、「妄想≒可能性」面での魅力はある気がします。
じゃ、実際に「どんな人がこのおウチに住むのよ?」という話になってしまうと、なかなか難しい話になりますね…。
この広さ、このレイアウトだと、単身者、もしくは子供のいない若夫婦、というところでしょうか?
コストについて、ざっくり妄想してみたいと思います。
仮に土地が15坪位の大きさで建てられたとして、建物の躯体が坪単価70万円、2階部分の作り込みや防音、断熱までやったとすると…。
土地代が坪単価100万円として1,500万円、躯体が1,050万円、内装各種で1,000万円として約3,500万円位というところですかね?
一風変わった狭小住宅としてはそれなりの価格かな、という気もしますが、いつまでも住めるわけでもないと思いますし、お遊びとしてはあまりに高価な気がします…。
自分で5年住んだとして、賃貸に住む場合に払う家賃っを毎月12万円と考えると、12万円×12ヶ月×5年=720万円は回収できます。
で、そのあと上手いこと借り手がつくならば、固定資産税も設備更新も考慮しないとして、更に20年間貸し続けられれば、トントンまで回収できるわけですが、ま、そんなに上手くは行かないと思いますし、だとすると、1千万円や2千万円は無駄遣いするリスクを背負う、ということになるんですかね…。
ココらへんのお話は、ちょっと前にご紹介した、「物件の相場と住む人の要望の乖離」にも共通するんと思うんですが、こういった「面白い」住宅を、コストとかライフスタイルの面で、若い人のニーズと上手くマッチさせることができると、日本の住宅事情も、もっと色々面白くなりそうかな?、とか思うんですけどね。
(Photo ©ilovetypography.com )

湖の畔のマイクロハウス



コチラ、スウェーデンの某湖の畔に建つ小さな小さなおウチなんですが、造りもロケーションも、色々と妄想するための題材が溢れている感じがしまして、ちょっとネタにさせていただこうかな、と。

細かい事情はよくわからないんですが、フィンランドの建築基準法的なものでは、小さな建物(地域によって若干異なる様ですが、面積96平方ft.から128平方ft.以下)は、”be built without the need of a permit”、つまり、許可無しで建てることが可能なんだそうです。
で、このお方、「こんな家があったら良いな」という妄想をし始めて、それからわずか1年くらいで実際にこの家を建ててしまったんだそうで。
建物について大まかに説明しておきますと、
1)躯体概容はこんな感じで、全面にガラスを使って自然の光が取り込めるようになっています。
2)1階はダイニング・ラウンジ。
床面積96平方ft.ということですので、平方m換算で約8.6平方m。約2.6坪/約5.2畳といった広さです。外観からみるに、2.5m×3.5m程度、という感じでしょうか。
3)上にロフトがありまして、コチラが50平方ft.。平方m換算で約4.5平方m。約1.36坪/約2.7畳。
寝室とクローゼットエリアになっているそうです。
冒頭にも書きましたが、建物自体は湖の畔に建ってまして、1階からも上のロフトからも湖が望める様になっているんだそうで。
で、最初の写真の再掲になりますが、建物の横には広めのウッドデッキスペース付きです。
こちらはゆったりとした感じですね。
縦3.5m×横5m、10畳位のスペースはありそうです。
建材の多くはリサイクル品を活用していて、建物自体は10,500ドル、1ドル80円換算で84万円+人件費程度で作れてしまったんだそうな…。
建物やロケーションも魅力的ではありますが、費用の方も中々魅力的です。
でも、よくよく考えてみると、この感じだと土地自体は結構贅沢な広さの土地を確保していそうですし、湖の畔というロケーション的にも、土地代としてはそれなりにかかっていそうな気もします。
同じようなものを日本で建てるとしたら、どんな感じが良いですかね?
ちょっと条件的なものを考えて妄想に走ってみたいと思います。
別荘として活用することを考えると、出来れば自宅からドアツードアで1時間位を目指したいところですが、そうすると、どうしても高速道路のインターのすぐ近く、という事になってしまうので、この閑静な雰囲気はちょっと厳しいかも。
そうすると、自宅からドアツードアで2時間位の場所ということになりますかね。
僕の場合で言うと、東京の世田谷から2時間、都内で30分、高速で1時間前後かかると想定すると、関東近県で高速のインターから30分位の場所ということになります。
この位の距離であれば、金曜の夜21時位に自宅を出発しても、23時くらいには到着できますので、週末に家族で向かって、金夜から日曜の昼くらいまでをのんびりと過ごして、日曜の夜に帰ってくる、という感じで頻繁に行けそうです。
海の近くというのも魅力的ではありますが、この静かな雰囲気を求めるならば、やはり山の方が良いですかね。
同じように湖が近くにあったりするといいですが、ま、山、丘、川、なんでもそれなりに良い感じな気がします。
周囲の雰囲気まで考えると、200坪位の土地は欲しいです。
建物は軽量鉄骨とかのシンプルなものに断熱材を上手く組み合わせて、夏は涼しく、冬は暖かい、耐久性があって、省エネな感じの家にしてみるのが良さそうです。
春と秋はエアコンいらずで、窓を全開に開け放って自然を心ゆくまで楽しめるような家が良いですね。
というあたりの条件で考えていくと、栃木あたりがいいんですかね。
北関東ですので、夏は暑すぎず、冬も東京よりは寒いと思いますが、そこまで寒さが厳しくなく、山や川などの自然がまだまだ沢山残っているイメージがあります。
東北道で1時間弱、都内と高速を降りてからで各30分で、合計2時間位で十分到着できそうです。
栃木の土地の相場というがイマイチわからないんで、200坪の土地がどのくらいの価格なのかははっきりとわからないんですが、ネットで軽く調べてみたところ、坪単価10万円は切る位で買えそうな感じです。
(恐らくですが)この価格は、それなりに交通の便が良くて、それなりに周囲が発展しているような場所での相場だと思いますが、今回そういったものは求めていないので、もっと安くいけそうな気もします。
色々とみていくと、100坪で500万円から600万円程度の土地も結構ありますし、中には600坪で300万円という様な土地もありましたので(これは色々事情がありそうな気もしますが)、恐らく1,000万円を切る位で200坪程度の土地が探せそうです。
ということは、時間をかけてじっくりと検討して、自分でDIYすることまで考えれば、コミコミ1,000万円位で、こういった家(別荘)を建てることも夢ではなさそうな気が。
でも、1,000万円って結構大金ですよね…。
宝くじでもあたったら、本当にやってみたいものです。
( Photo via Tiny House listings )