こちらのワンルーム、作りがちょっと面白いなと思ったのでご紹介させていただきたいと思います。
ぱっと見は、ちょっとゆったり目の作りのワンルームといった感じ。
右手がダイニング・キッチン。
キッチンの作りは結構コンパクト。
逆側サイドがリビングエリア。
広さ32平方mとのことですので、日本の感覚で言えば、「単身者向けの多少広さのある1DK」程度といったところでしょうか。その割には意外と余裕のある作りですよね。
それもそのはず、普通、32平方m/1DKのお部屋だったら、このスペースの中のどこかにベッドルームが作られてなきゃいけないわけですが、それがどこにも見当たらないわけで…。
ではそのベッドルームはどこにあるのかと言いますと…。
リビングエリアの収納の間から、ズイっとこんな感じにいきなり階段が出てきちゃったりして…。
その階段を上ってルーバー状の扉を開けますと、そこがロフトのベッドルームになってるんです。
これはなかなか良いアイディアかなと(まあ、普通に梯子でも1つ取り付けておけばそれでOKという気もしないでもないですが、毎日毎日ベッドルームに梯子で上がるというのもちょっとアレな気がしますし、こういうきちんとした階段が壁に収納できるようになっているというのはちょっと面白いですよね)。
リビング/ダイニング/キッチン/ベッドルーム以外のスペースはどうなっているのかと言いますと、
入り口の右脇、先ほどのベッドルームの下が、こんな感じのコンパクトなワークスペース。
その向かいがバスルーム。
玄関脇のクローゼットには、自転車まで収納できるようになってたりして。
こうやってみてみると、決して広々という感じではないですけれど、わずか30平米ちょいとは思えないくらいにそれぞれのスペースが余裕がある作りにできてますよね。やはりこれは、ベッドルームという、必ず一定の床面積を専有せざるを得ないスペースをロフトに持っていってあるお陰かなと。
家を建てたり間取りを決めたりする際に、限りあるスペースのどこをどう使っていくかというのはかなり大きなポイントの1つになるわけですけれど、この「ロフトベッドルーム+収納式階段」、結構使えるアイディアなのではないかと。
僕の自宅でも、子どもたちが大きくなった際のリフォームプランをたまに考えてまして、その中に「ロフトでベッドルームを1つ追加」という案もあるんですが、「ベッドルームに梯子で上がるのはちょっと(日々のことだと思うとやはり何かと不便だろうし、子どもたちがふざけたり、酔っ払って帰ってきたお父さんが落ちたりしたら…)」という懸念があったりして、どうかなと思ってたんです。でも、このプランなら、結構ホントにアリかも知れないなと。時間を見つけて、もう少し具体的に考えてみたいと思います。
ちなみにこちらのお宅、実は普通の住宅ではありませんで、オランダ アムステルダムでこの(2015年の)秋からサービス提供を開始する、”ZOKU”という、新しいタイプの宿泊施設の中のひと部屋の写真なんです。
「新しいタイプ」といいましたが、”ZOKU”のサイトの細かい説明を読んでいくと、「住んで、働いて、地域の人々と交流するための」「宿泊施設とホームオフィスを融合した」「ベッドがメインでない」「旅行者向けの宿泊施設」というような記述がありまして、簡単に言うと(間違っているかもしれませんけれど)、「住んでいるように滞在できる」というあたりがコンセプトなのかなと。
ちなみにこの”ZOKU”とは、日本語の「族」から取ったもので、「家族」「部族」など、「同じ文化、同じライフスタイルを持つ人々がともに過ごす場所」というような意味が込められたネーミングなんだそうで。
今後、ロンドン、パリ、ベルリン、バルセロナ、ウィーン、コペンハーゲンなど、少なくとも5箇所で”ZOKU”のサービスを展開する予定とのこと。家の参考にするのも当然良いですが(そのためにご紹介したわけですが)、今秋以降にヨーロッパに旅行をする機会のある方は、宿泊先候補の1つとして検討してみるというのはいかがでしょうか。
( via ZOKU )