このロフトのベッドルームに作られた階段、何だかちょっと面白くないですか?
階段で接続されたフロア同士というのも立体的に隣接した空間なわけで、「どこにどんな階段を作るか」というのは、各フロアのつながり方や動線を決定する重要な問題であり、また、スペースやコストといった面から考えても、階段というのは、通常はそれなりの必要性があって作られるものなわけです。
ところがこの階段、上ってもどこに行けるというわけでも無く、上にはただの物置的なスペースがあるだけという。
だったら何もわざわざ階段なんか作らずに、必要なときに梯子でも掛けて上ればそれで十分事足りてしまう気もしますが、そこに敢えてしっかりとした階段を作ることで、階段の上部は単なる物置でなく1つのフロアになり、ベッドの置かれたメインのフロアと階段上のフロアは、しっかりとつながった一続きの空間になってくれてますよね。
このカッチリとスカスカのギャップ感というか、真面目に一生懸命無駄遣いしているような感じが、ちょっと面白いかなと。
この写真を発見した同じページで、他にも色々と階段が紹介されていたんですけれど、階段って面白いですよね。
リビングのど真ん中に配置された、4段割の踊り場のない回り階段。まるで公園にある滑り台のようです…。
でも、これだけ急勾配できつく捻り上げてあるからこそ、下には予想以上にゆったりとしたワークスペースも作れますし、リビングのど真ん中に階段を配置しても、その存在をあまり感じさせられないでいられるのかなと(ちょっと危険な気はしますが……)。
逆に勾配を少し緩くすると、心地よい存在感を発揮してくれて、コレもまた、リビングのど真ん中にあっても違和感無く受け入れられる感じになってくれるかなと。
いっそのこともっと勾配を緩くして、ちょっと腰掛けて本でも読みたくなるようなスペースにしてしまうというのもありかも。
こうやって階段にクローズアップして、階段の果たす役割や周囲に与える様々な影響について色々と考えてみるのって、それだけで家のプランをいくつでも考えられちゃうくらいの、結構面白いテーマな気がするんですけれど。
( via PIKCELLS )
「内装や雰囲気」カテゴリーアーカイブ
ガラスとスキップフロアで空間をつなげたリビング
こちら、ニュージーランド南島の北端、ピクトン湾に面して建つあるお宅のリビング・ダイニング・キッチンなんですが、作りがちょっと面白いかなということで。
柱や梁などの構造躯体以外の部分には極限までガラスを多用。開放感溢れる明るい空間が作り上げられてます。
リビングの向こう側には、屋内と一体化した屋外ダイニング的なベランダスペース。
リビングには暖炉。
そして、暖炉の裏側には、スキップフロア状に半フロア程度高くなったエリアに、作り付けの巨大本棚付きの読書スペースが。
リビングと読書スペースの間は引き戸になってまして、この扉を開け放つことで、2つのエリアを一体のスペースとして使用することも可能です。
引き戸を開け放った状態での、読書スペース側からの眺め。
この作り、確かにスペースはスキップフロアで分けられてはいますけれど、リビングの向こうのベランダまで含めて、空間としては一続きの意識で使うことができそうです。
屋内と屋外、外部の自然環境まで含めて、空間をどう分けて、どうつなげるか、というところに、色々なアイディアと取り組みがあって面白いかなと。
ニュージランドの南島北端地域は、夏場の平均気温が25度前後、冬場の平均気温が10度前後と、夏は涼しく、冬はそこまで寒くないという穏やかな気候の地域。
その気候を踏まえてのこの作りということなわけですが、日本でも、極端に厳しい気候の地域でなければ、夏場と冬場の暑さ寒さ対策に2つ3つアイディアを重ねた上で、こんな作りのお宅を建ててみるというのも十分にアリな気がします。
( via arch daily )