家の構造やレイアウト、内装など」カテゴリーアーカイブ

壁への絵の取り付け(鬼目ナット使用テスト)



絵と言いますか、コレなんて言うんだろう…。

先日書き始めた「家具の耐震固定シリーズ(未完)」の際にご紹介した鬼目ナットを使って、ちょっとテスト的に壁に何か取り付けてみようと思いまして。
で、ある先輩から下の子の出産祝いに頂戴した、上記の写真の「身長計測ができる絵(絵画用のキャンパスに、子供の身長を図れる様な絵が書いてあるんですが、名称がよくわからなくて…。キッズメジャーとか言うんですかね)」を壁に取り付けてみようと思って試してみました。
で、大失敗に気が付きました!
そもそも、鬼目ナット(今回使おうと考えていたのはDタイプM4長さ20mm)とは、
・木材に埋め込むと、M4のネジ穴が作れる。直径は8mm位(他にも各種タイプあり)。
・使い方としては、埋め込みたい場所に5.7mmから6mm程度の穴を開けて、六角レンチでねじ込むだけ。
というものです。
で、こちらを使うことで、
・何かを壁に取り付けたい時に、壁にぽっかり穴があかなくて済む(替りにネジ穴ができてしまいますが)。
・単なる穴では無く、ネジ穴なので、作った穴は何度でも再利用が可能。
というメリットがある、という目論見でした。
コレを利用して壁への家具類の耐震固定を行えば、模様替えなどで家具を動かした場合にも壁の穴があまり気にならなくて良いのでは、ということだったんですが…。
今回の取り付け結果としてはこんな感じです。
結構適当にやったんですが、そんなに悪くなかったです。確かに目論見通り、何度でもネジを抜いてつけはずしもできるし、万が一、壁のこの場所に絵などの類を何も掛けることがなくなったとしても、残った穴はそんなに気にならなさそうです。
そこは良かったんですが…。
石膏ボードの厚みを計算するのを忘れてました…。
ウチの壁の石膏ボード、厚みが15mmあるんです…。
なので、20mmの鬼目ナットを埋め込んでも、石膏ボードの奥の木の柱には5mmしか入り込んでない事になりまして…。
素人仕事はダメですな。
今回の様に、絵などの軽いものを引っ掛けるためのネジ穴であれば、5mmの深さでも問題なさそうですが、本来の計画の「耐震固定」ではNGだと思います。
だって、目標とする耐荷重は「50kg/鬼目ナット」ですから。
埋め込み深さ5mmでは全然ダメです(真壁など、木が壁の表面に出てきている場所であれば大丈夫ですが)。
事前検証しておいてよかったです。
とりあえず、外径8mm(内径M4)程度で35mm位の長さのある鬼目ナットを探しなおしたいと思います。
そうすれば、15mmの石膏ボードの奥にある柱に対して、20mmの深さで鬼目ナットを埋め込める計算になりますので。
そんなもの無い気がするんですけどね…。
※追記
やはり、そんな長い鬼目ナットは無い様です…。
鬼目ナットの商標を持っているムラコシ精工さんのページで確認したので、多分間違いは無いのでは無いかと…(特許という訳では無い様なので、「鬼目ナット」という名称でなければ、他にもあるのかもしれませんけど)。
で、仕方ないので、耐震固定については、つばの無いタイプの10mmのやつを2つ重ねてねじ込むことでやってみたいと思います。
(別々にねじ込んでしまうとネジ穴が合わなくなるので、M4のネジに予め2つの鬼目を通した上で、それを壁に埋め込んではどうかと。これだったら、つばが無いので、表面の石膏ボード15mmを通り越して、その奥の柱に埋め込めるはずです。)
鬼目ナット自体は石膏ボードの奥まで埋め込んでしまうので、「壁の穴の見た目」は単なる穴になってしまいそうです(35mmとまで言わずとも、せめて25mm長のM4鬼目ナットDタイイプがあれば、この問題も解消できたんですけど…。残念)。
こちらについても、少し対応策を考えてみたいと思います。

家具の耐震固定と家のレイアウト変更問題(中)



前回、地震対策としての家具の耐震固定の話について書いた続きです。

今回を(中)として、全3回位でまとめてみたいと思っていますので宜しくお願いします。
前回、まず課題として
1)家具固定用の穴問題。
L字金具で家具を固定する際に、壁に穴を開けるのがイヤ。
2)家具固定用の柱が家具の近所に無い問題。
L字金具で家具を固定するにせよ、石膏ボードへの取り付けでは不安が残る。震度7クラスの地震では、重力加速度3,000ガル=3G相当を超えることも在り得る。100kgの家具ならば300kgの力に耐える固定が必要。つまり、柱への固定が必須。では、家具の裏に柱がなかったらどうしたらよいの?
という位の話がありました。
まず1)に対して、「柱に鬼目ナットを埋め込んで、それを用いて家具を固定してはどうか」というあたりまでを考えてみました(鬼目ナットを使えば、壁に穴は開くけれど単なる穴ではなくネジ穴なのでまだ我慢できそう。家具のレイアウト変更などをしても再利用も可能)。
コレが鬼目ナットです。木材にねじ込んで、ネジ穴を作ることができます。
1本以上の通常の柱(10.5cm×10.5cm)と複数本の間柱(3cm×10.5cm)に対して、柱あたり2個以上の鬼目ナットを埋め込む想定にすれば、最低でも柱は3本、鬼目ナットは6個以上という計算になりますので、地震発生時に家具が300kgの力で引っ張られたとしても、柱一本あたりの荷重は100kg,鬼目ナット1個あたりの荷重は50kgという計算になります。
で、今回は課題の2)、「家具の裏に柱がなかったらどうしたら良い?」について、です。
まずは、家の柱というのがどのくらいの間隔で入っているのか、という話です。
通常、家の柱は、大体45.5cm程度または50cm程度の間隔で入っている様です。
家の設計の規格には「尺モジュール」と「メーターモジュール」というのがあります。
「尺モジュール」であれば、半間90cmごとに通常の柱を入れ、その間に45.5cmの間隔で間柱という石膏ボードなどを固定する柱を入れます。
「メーターモジュール」であれば、1mごとに通常の柱を入れ、その間に50cmの間隔で間柱を入れます。
ツーバイフォーであろうと木造軸組工法であろうと、石膏ボードなどの規格化された内装部材などを使用するために、このいずれかの規格に合わせて設計されているのが通常の様です。
柱や間柱は基本的に上記の様な形で入っていますが、実際の柱の入り方は、家や内装のレイアウトによって異なってきます。
例えば、窓などは幅45.5cm以上あるものが多いですが、窓がある場所には当然柱は入れられませんので、窓の周りに柱を入れ、窓の上下に間柱を入れる形になっていたりします。
壁なども、必ずしも45.4cmや50cmの倍数の長さでは無いですから、壁の両端や途中、いずれかの場所で、一部短い間隔で間柱を入れるなどして長さを調節していたりすることが多いです。
僕の家の建築当時の写真があったので、いくつか例を挙げておきます。
窓の周辺はこんな感じになっていたりします。
左右に普通の太い柱が入っていて、その間に間柱が3本入っています。
奥に見える上げ下げ窓は、均等に柱が入っていないパターンです。
上げ下げ窓の左右に、芯-芯105.25cmの間隔で幅10.5cmの柱が入っています(柱と柱の間の長さは94.75cmということになります)。窓の上下には間柱が入っているわけですが、45cmで割り切れないので、等間隔に2本+4.75cm間を開けてもう1本、という感じで間柱が入っています。
室内の壁はこんな感じになっています。
右手に見えているのは幅約2.9m位の壁なんですが、こちらも45.5cmでは割りきれませんので、手前から、10.5cmの柱-3cmの間柱-柱-間柱-柱-間柱と来て、その隣は狭い間隔で10.5cmの柱が入っています。
ちなみに、柱と柱のそれぞれの中心(芯)の間の長さが45.5cmを基本としている、ということで、45.5cm+柱の太さ10.5cm、ということではありません。
こうやって見ていくと、多くの壁の場合には、少なくとも45cm程度の間隔では何らかの柱が入っているわけで、家具の固定に3本以上の柱を使用したいのであれば、壁側の取り付けエリアとしては90cm程度の幅を見れば大丈夫そう、ということになりそうです(メーターモジュールの場合には1m程度の幅)。
実際は、レイアウトや施工等によって色々と変わってくるのですが、基本で言えばこんな感じでしょう。
拙い絵ですいません。壁と、その中の柱のイメージを2段並べたつもりです。
ここで今度は、家具のサイズを簡単に測ってみます。
37型液晶テレビ-約93cm
タンス-約80cm
戸棚-約80cm
という感じでした。
テレビも戸棚も、柱の位置を意識して設置しているわけではありませんので、80cm、90cmの幅の丁度両脇に柱が来ている、ということは恐らく少ないでしょう。
つまり、柱の間隔が45.5cmだとすると、最大で家具の両脇は柱から22.75cm程度離れていることになります。
そして、家具自体の幅は90cm程度しかありませんので、多くの場合には90cm程度の家具の後ろには、柱は2本しか存在していないことになってしまいます…。
この問題を解消する方法を考えてみたんですが、壁(に埋め込んだ鬼目ナット)と家具の間に、板を入れれば良いような気がします。
幅10cm、長さは90cmよりもちょっと長め位で。厚さは2cm位で大丈夫かな、と考えています。
つまり、こんな感じです。
壁にそって板を横に渡して、その板を、柱3本、6箇所の鬼目ナットに固定します。
で、その板に対して家具を固定するわけです。
コレだったら、板自体を交換すればレイアウト変更にも柔軟に対応できますし、板は交換ができるので、必要ならば気兼ねなく穴あけ等もできます。
無垢素材のいい感じの板を使えば、インテリア的にもそんなに悪く無いのでは無いかと。
これで、2)の「家具固定用の柱が家具の近所に無い問題」も解消できそうです。
上記の前提で、次は実際に、
・柱への鬼目ナットの埋め込み。
・家具固定用の板の手配、穴あけ、壁への取り付け。
・家具固定用の板への家具の耐震固定。
あたりを実施した結果をご報告してみたいと思います。
部材の手配の関係がありますので、次回は一週間後位でしょうか。
家具の耐震固定シリーズ」、何だかだらだらと来ている気がしますが、次回で最終回にできるといいんですが…。