建築家、設計士に監理を頼むことのメリット、デメリット



家を建てる際、やり方としては大きく分けて、工務店や
ハウスメーカに直接頼む、という方法と、建築家や独立した設計士に
デザイン、施工監理を頼み、施工自体を工務店に頼む、という
方法があります。

建築家に施工監理を頼むことにはメリットが多くあり、
・工務店の費用見積もりや施工が適正であるかどうかのチェック
・デザインや使い勝手等の向上(アイディア出しから設計まで)
・大抵は得意分野を持っており、その分野については
デザイン、機能についてかなり期待ができる。
(例えば、主婦視点での家作りが得意、等。)
・付き合いのある業者に対して、ある程度の無理が利く。
(価格面等)
というあたりが最大のメリットでしょう。

つまり、プロとしての経験、能力を、施主側の立場に立って
発揮してくれるという訳です。

その代わりに、工務店に支払う費用以外に、建築家に支払う
費用として設計・監理費用、というものが発生します。
住宅の建築費用の5%、10%という様な価格設定をしているのが
一般的の様です。

とはいえ、しっかりとした優秀な人と出会うことができれば、
使い勝手の良い、デザインも良い家を建てることができますし、
施工費用も低減できるところは抑えるように工務店に対して
チェックを入れてくれる訳ですから、設計・監理費用は単純な
プラスアルファの費用、という訳ではありません。

また、ハウスメーカーに頼む場合であっても、しっかりとした
営業担当者や設計士がついてくれれば、建築家に頼んだのと
変わらず、施主の思いを反映した良い家を建ててくれると
思いますので、こちらはこちらで良い面もあるでしょう。

余談ですが、工務店やハウスメーカーの重要な販売チャネルの
一つは「口コミ」なんだそうです。

普通の人は、家は一生に一度しか建てません。
結局のところ一回限りの付き合いなので、工務店に対しては
施工内容にしても、値段にしても、あまり無茶は言えないのが
実情です。

ですが、あなたは家を一回しか建てないとしても、あなたの
周りを見回してみると、そのうち家を建てそうな人が何人かは
いるのではないでしょうか?

身近な人というには、年齢が近く、家族構成や生活レベル、
年収等いくつかの点で共通点があるものです。

つまり、「そろそろ家を建てようかな」と考えるタイミングも
結構近くなってくるのが普通、ということです。

そして、家を建てた人が、その周りの人に対して
「あの工務店は良かった」、「あのハウスメーカーは・・・」
というのを伝え、紹介してくれることが、実は工務店にとっての
重要な販売チャネルになっていることがあるんだそうです。

工務店を選ぶ際に、このようなことを意識してみるのも
良いかもしれません。

作り付けの巨大本棚と生涯の書籍収納





arketioTargetという棚です。


arketipo.jpg



一見収納効率が悪いように見えますし、実際にも収納効率は

悪いと思いますが、この様な形をしていることによって、

美術系の書籍、写真集や図鑑など、普通の本よりもさらに大きい

高さのある書籍を収納することが可能になります。





家を建てる際、衣類の収納と同じくらい検討が必要なものが

本やCDなどを収納するための棚です。



ある説によれば、本というものは「所有する喜び」の現れだそうです。

読んでしまえばそれで終わり、というわけではなく、良い本であれば

あるほど、読んだあとにしっかりと保管できる場所が確保されていること

そしてその場所はいつでも読み返すことができる場所であること、が

重要になります。





私の知り合いで、リビングの一壁面を全面本棚にした人がいます。

幅5m、高さ2m強というところでしょうか。




MisuraEmme.jpg



これはMisuraEmmeというところの棚で、単なるイメージです。





知り合いの家の棚は、棚自体を奥に2重の構造にして、表の棚には

50cm程度の奥行きを持たせて可動式にし、その奥に、文庫類が

収納できるような奥行き30cm程度の棚をつくっています。

また、棚の下部は引き出しにして、本以外のものも収納できるように

してありました。



この知り合いはかなりの本持ちでしたが、奥さんの分も含めて、

家のすべての本、書類をそこに収納した上でまだ十分な余りがあり、

空いている棚は写真立てやオブジェのディスプレイスペースとして

使用しています。



費用もそれなりにかかったそうで、作り付けで80万円くらいは

したそうです。リビングの雰囲気に大きな影響を与える最重要

インテリアの一つと位置付けて最高級の木材をつかったそうですので、

当然といえば当然ですが。



しかし、リビングの幅を80cm狭め、80万円を支払った代わりに、

生涯にわたって不足することの無い超巨大な収納スペース兼

飾り棚という満足度の高いインテリアを手に入れました。

ちなみにこの様な棚は、Cassina ixcので良い目のものをそろえると

数十万円はします。


cassina ixc棚.jpg



ショールームにあったこの棚は100万位でした。







この話から学べること。



収納をインテリアの一つと捉えて、敢えて「見せる」つくりに

することによって、巨大な収納エリアを作ることができる。



収納スペースは、まとめて大きく作ってしまう方が効率的になり、
結果としてスペースの有効活用になる。

本が好きな人にとって、本は生涯増え続けていくものであり、

その収納スペースを、将来分まで含めて確保することはきわめて重要。

(本に限らず、その人に取って重要なものの収納スペースは

 十分すぎるくらいの余裕をもって確保すべき。)



棚を敢えて変則的な形にすることによって、収納力の柔軟性と

インテリアとしての面白さを得ることができる。



という位でしょうか。