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スウェーデンの構造断熱パネルの家



こちら、スウェーデンのZIP HOUSEという建物なんですが、平屋で作られたスクエアなデザインの躯体が良いな、と思いまして。

木造ながらも大きな開口部を沢山持った、RC造の様な雰囲気の住宅です。
キャンチレバー状に庇が張り出したベランダが良い感じです。
リビングもダイニングも、大きな開口部を造って壁全面がガラスになっています。室内に大量の光が差し込んできます。
玄関側も、駐車場周辺に非常に大きな開口部が取られています。
原文の説明を読んでみたんですが、何せスウェーデン語なもので、あまり判りませんでした・・・。すいません・・・。
一応Google翻訳と我が灰色の脳細胞を総動員して翻訳みたところ・・・
“この家は、SIP – Structural Insulated Panels(構造断熱パネル)と呼ばれる、芯材に熱伝導率が極めて低いポリスチレンフォーム (EPS)を用いた建材で建てる工法を用いていて、更にそれを独自のやり方でユニット化した「ZIP Frame」というソリューションで云々・・・
ということらしいです。英語ならある程度人力補正がかけられるんですが、スウェーデン語はよくわからないもんで・・・。
で、このZIP Frameを用いたZIP HOUSEは、光熱費等のランニングコストを最小限に抑えることを実現する、というコンセプトの様です。
北欧の寒いエリアでも十分耐えられる様な断熱性能を日本に持ち込めば、夏は涼しく冬は暖かい快適なお家が建てられそうです(日本の場合には、気候特性上かなりの湿気がありますので、湿気、カビ対策などは十分な検討が必要です。SIPを扱っている工務店さんなどであればそこら編のノウハウはあると思いますので、そういったところに相談するのが良いと思います)。
Photo ©Peter Guthrie

柱の有無 – キャンチレバー構造の開放感




柱の無いベランダ

とても素晴らしいベランダの写真を発見したので、ちょっと紹介しておきたいと思います。
ベランダの奥行きは2.5m程度でしょうか。それほど広い訳ではありませんが、椅子を出してちょっとお茶を飲んだり、深夜に静かにお酒を飲んだりするのには十分な広さです。
高台から遠くの街並や山々を眺められるそのロケーションも素晴らしいと思いますが、このベランダに開放感を与えている一つの重要な要素は、「柱の有無」なのでは無いかと思います。
もしもこのベランダの角に柱があったとしたら、この開放感は半分以上失われてしまうのではないでしょうか?
この開放感は、柱の無い、「オーバーハング構造=キャンチレバー構造(片持ち梁、等ともいいます)」によるところが大きいのではないかと思い、一例として紹介してみたいと思ってこの記事を書いてみました。
どうでしょう。仮にこの両脇に柱があったとしたら、視界から受ける印象は随分かわるのでは無いでしょうか。
これは外観図ですが、キャンチレバーにすることによって、1階から外を見たときの風景、1階から庭に出たときの印象は大きく変わっていることだろうと思います。
余談ですが、僕の自宅も、2階のベランダをキャンチレバーにしています。ベランダの下がちょうど駐車場なのですが、キャンチレバーにすることによって柱が無くなり、お陰で車の出し入れはかなり楽です。(こういった目的で、駐車場の上をキャンチレバー構造にすることも多い様です。)
こういった部分の柱は、木造等の場合、建物の構造上どうしても必要となるケースも多いですが、周辺部分に鋼材を入れる事で実現可能なことも多いです(特にベランダ、バルコニ等の、加重があまりかからないところであれば十分に実現可能だと思います)。
ベランダに開放感が欲しいな、と思ったら、建築家や工務店の担当者に相談をしてみるのも一つの手だと思います。