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【趣味と実益】フロアレベルの3つのテラス



コチラのお宅、テラスの作り方が中々良い感じだなと思ったのでちょっとご紹介させて頂きます。

テラスがダイニングと接続されてまして、全開口のスライドドアを開けるとそのままダイニングとつながった一体の空間になってくれます。
これだけでも十分良い感じなんですが、こういう作りをしているテラス自体は比較的良く見かけるパターンかなと。
コチラのお宅のテラス、他にも良いなと思ったポイントが幾つかあるんです。
上のテラス、実は道路側からも見える場所にありまして、道路側から見るとこんな感じになってるんです。
ちょっと奥まった感じになっているとはいえ、普通に考えると、テラスのみならずダイニングすらも外部からの視線に晒されて落ち着かない感じになってしまうのでは無いかと思いきや…。
実はこんな感じに手前側の家の躯体がせり出していて、半分ブロックしたような作りになってるんです。
レイアウト中央近辺の上側にあるのが上の写真のテラスになります。
普通に考えていくと四角形やL字型に近い形の躯体に収まってしまっていくトコロを、右上のリビング部をポコっと張り出した形にすることで、空間的な面白さと外部からの目隠し双方のメリットを生み出しているわけです。
コレは中々良いやり方なのでは無いかなと。
テラスの高さがフロアレベルと同じ高さにしてあるトコロも良いですね。
全部で3箇所ある全てのテラスが、地面の高さでは無く屋内のフロアの高さと合わせてあります。
テラスの床の高さを家屋内のフロアレベルと同じ高さにすると、屋内側との一体感がより強い、屋外にあるリビング/ダイニングのような雰囲気の空間にすることができます。
屋内の居住空間と近い雰囲気で利用できる屋外の空間って、良いですよね。
しかもテラスの床の高さを上げておくことには、雰囲気面以外にも大きなメリットがありますしね。
地面と同じ高さでは無く地面から60cmくらい上げてあるおかげで、このテラスは相当砂埃などの汚れを低減できていると思います。
このことはテラス自体の使い勝手や運用性を全般的に格段に向上させてくれると思いますし、それと同時に、テラスとつながっている屋内部への砂埃の侵入を低減させてくれるというメリットにもつながります。
建物の躯体形状とレイアウト、床の高さと雰囲気と運用性。
テラスの作り方一つとって考えてみるだけでも、検討して作りこんでおくべきポイントってホントに色々とあるもんなんですね。

【開放感抜群】森に囲まれた多開口の家



ちょっとコチラのオタクを見てみて頂きたいんですけどね…。

3階建てで、双子の躯体を並べて結合させたような左右対称の形をしてます。
早速中を見ていきます。
先ず3階。上の写真の、手前に大きくせり出して見えている切妻の庇の下に、こんな素晴らしいジャクジーが。
天井にも大きな天窓が埋め込まれていて開放感抜群。バックに見えているのはワシントン湖。
上記の写真の右手に写り込んでいるのが、コチラの寝室です。
浴室の隣のベッドルームって、生活動線的に理に適っていてホントに便利で良いんですよね。
ジャクジーがある向かって右側の躯体(本当は同一の躯体なので、この表現は正しくないんですが…)は、窓も埋め込まれておらず「半屋外」的な作りになってまして、一方で、寝室があるコチラ側の向かって左側の躯体はキチンと屋内的な作りになってます。
双子の躯体を結合させたような、この上なく贅沢な作りをしているからこそ、同一フロアの中でこういった2種類の味付けを同居させて楽しむことができるのかなと。
2階にはキッチン・リビング・ダイニングがあります。
リビングは向かって左側。
広いウッドデッキのテラスが良いですね。
このテラスに出たら相当アウトドアな感じが味わえそうですが、そもそもリビングの2面の壁が全部窓になってますので、リビングの中でも、家の中に居ながらにして森の中に要るような気持ちになれそうです。
よく見ると、右の壁にさり気なく暖炉が埋め込まれてますね。
夜、この暖炉に火を入れたら、森の中で焚き火をしているような気持ちが味わえそうです。
2階は右側も同じような作りになってるんですが、こちらはダイニング・キッチンです。
ともかく、家の中のありとあらゆるトコロに開口部が作られてまして、窓が埋め込まれてます。
この開放感は相当なものだと思いますね。
ココまで見てきてふと思ったんですが、こういう家が建てられるかどうかって、結局のところは全て「立地」にかかっているんですよね。
周囲が森に囲まれたこの素晴らしい立地がなければ、こんな思い切った作りには出来ないと思いますし、暑からず寒からずの素晴らしい気候だからこそ、こんな風に窓を沢山作ることができるのかなと。
参考までに、ワシントン湖周辺ということで、シアトルの気候を調べてみました。
「穏やかな海洋性気候で地中海性気候の性質も併せ持つ」「四季あり」「カラリとした過ごしやすい夏」「夏の昼間の気温は22度から27度くらい」「冬も氷点下になることはほとんど無い」「最も寒い1月で、平均最高気温が7度、平均最低気温が2度」。
一言で言えば、「穏やかで過ごしやすい夏」と「そこまで寒くならない冬」。
夏も光を十分に差し込ませても暑くなり過ぎないし、冬もそこまで寒くならないからこそ、開口部を最大限に多く作って、ありとあらゆるトコロをガラス窓にすることができるわけです。
日本でこの作りをそっくり真似た家を建てたら大変なことになると思いますけれど、立地を考えながら、部分的に応用してみるという手はアリかもしれません。
例えば南関東の海沿いあたりで考えてみるなら、夏は確かに暑いですが、冬はそこまで寒くならないので、開口部を少し控え目にしつつ、夏場の光の差し込みをより積極的にコントロールできるように大きめの庇を活用した家にするとか。
二つの躯体を連結したような作りを踏襲して、それぞれの躯体/エリアに対して、季節と方角にあわせて暑さ寒さに上手に対応できるような味付けをしたら、結構良い感じに持っていけそうな気がします。
最終的には日本の伝統的な家に近づいて行きそうな気もしますが、そこら辺との折衷案的なモノを考えることが出来たら、面白い家を作ることができるかも知れないですね。
( via DesignRulz )