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緑のあるリビングとキッチン



こちら、カリフォルニアの北部、サンタモニカのすぐ隣のベニスの街の海沿いに立つお宅なんですが、何と言うか、雰囲気が最高だなと思いまして…。

この雰囲気、何だかドキドキしちゃいます?
…40近いおっさんの心をもトキメかせてしまう程の素晴らしさ、ということで….。
まず、この内装全体の雰囲気がいいですよね。
明るい色の無垢の木の暖色系の柔らかい感じと緑のコントラストが、とても落ち着いた雰囲気で良いです。
少しくすんだ感じの、黄色とオレンジが混ざったような木の色合いが、レトロチックなようでもあり、でも、何だかとても新しい様な感じでもあり、という感じで、それだけでも結構不思議な雰囲気だと思うんですが、そこに結構しっかりとした緑が入ってくると、全体がものすごく落ち着いて、しかも力強い雰囲気になるのかなと。
光の入り方もいいですね。
落ち着いた雰囲気の中に、明るい光がそのまま差し込んでくるのではなく、天井のルーバーや明かり取りの窓など色々なところから少しずつ入ってくるぼんやりとした光の感じが、部屋の内装の雰囲気ととても良く有ってると思います。

家族で過ごしているときも、一人で過ごしているときも、どんな時でも同じトーンで生活を包み込んでくれそうな、そんな不思議な感じがします。
家の中に居るのに、何だか、どこか雰囲気の良い森の木陰に居る様な、そんな気持ちにさせられそうなダイニングです。
コチラは同じオタクのキッチンです。
キッチンの壁一面に作り付けられた棚が使いやすそうです。
実用的であり、且つ、お気に入りの食器類をディスプレイもして置けて、こういう作り付けの棚はいいですよね。
天井からぶら下がるペンダントランプに、緑の植物の覆いをかぶせてあるのも面白いです。
こちらも基本的な内装のトーンはダイニングと同じなんですが、やはりキッチンという「作業場所」だけあって、全体的な雰囲気は全然違う感じに仕上がっています。
内装にもしっかりとした白いカウンタートップを使ったりして、ダイニングよりももう少ししっかりとした雰囲気になっていますし、光の取り方も全然違います。
逆に言えば、そうったディテールを幾つかいじるだけでこれだけ変わってくるんだな、というところが、とても面白い気がします。
こういうのって、全体のイメージから始まって、そのイメージを木材など使う全ての素材の1つ1つにまでしっかりと落としこんで行かないと、中々出来ないんでしょうね。
( via NY TIMES )

日向と日陰と採光




庇の下の縁側


日当りが良くて明るいリビング、ダイニング、というのはとても良いものですが、個人的には、それと同じ位、日陰も好きです。
言葉で説明するのがかなり難しいのですが、太陽の光でしっかりと照らされた、明るいエリアと、その日差しをしっかりと遮った、暗さの残るエリア、家の中で、この2つのエリアのコントラストをはっきりと持たせるようにする事で、明るいエリアは、より活動的な「動」のエリアとして、また、暗いエリアは、より落ち着いた「静」のエリアとしての位置づけがはっきりと際立つのではないかと考えています。
例えば、強い日差しに照らされたこのテラス。
この日差しの中で、冷たいビールでも飲みたいところです。

テラス

格子状の日よけによって、テラスへの直射日光は適度にコントロールされています。が、それよりも何よりも素晴らしいのは、この日よけを設置したベランダに続く室内側の「明るさ」です。
この柔らかい明るさ、例えて言うならば、大きく張り出した庇の下の縁側の様だと思うのですが、いかがでしょうか。
この落ち着いた適度な明るさが、のんびりとダイニングで寛ぐ時間を、より豊かにしてくれるのではないかと思います。
隣接する、すぐ隣の空間は激しく明るく、そして、この空間はうって代わって薄暗く落ち着いたイメージ。
このコントラストを住宅の中に実現できると、自宅の中で、静と動のギャップを楽しむ事ができるのではないでしょうか。
同じ様な「住宅内の光のコントロール」をいくつか紹介してみたいと思います。
このケースは、庭に面する敷地の塀を格子状にすることで、光をコントロールしています。
この格子状の塀(壁)はレールによってスライド可動が可能になっており、季節や状況に応じて開閉もできる様になっています。
この庭に続くダイニングです。
格子によって適度に採光をコントロールすることで、明るいながらも、落ち着いた雰囲気のダイニングが実現できているのだと思います。