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【明るく開放的で柔らかさのある空間】神々しいほど透明な寛ぎのリビング



コチラのリビング、明るく開放的で、透明感があってものすごく良い雰囲気だなと思ったので、ちょっとご紹介させて頂きます。

ソファ、オットマン、カーペット、壁を覆うカーテンから天窓のシェードに至るまで、共通したトーンのオフホワイトで統一されていて、それらが神聖さを感じさせられる程の独特の雰囲気を醸しています。
ここまでやってしまうと却って落ち着かない雰囲気になってしまいそうな気もしますが、壁面の大きな窓と全体が天窓になった天井がもたらす「明るさ」「開放感」と、ファブリック類の色と素材感の「柔らかさ」が、この部屋全体をものすごく暖かみのある空間にしてくれていると思います。
この部屋、実はCherというアメリカのシンガーの、数ある自宅のうちの一つのリビングなんです。
最初にその話を聞いたとき、偏狭で偏見にまみれた僕の想像力では、「ミュージシャン」という存在とこの部屋の神々しいまでの雰囲気が、どうしても一本の線で繋がらないような気がしていました。
何というか、部屋自体は本当に素晴らしい雰囲気に仕上がってると思うんですけれど、こんな部屋が自宅にあったらもうそれだけで満足してしまって、それ以上先の「進む方向」が見えなくなっちゃいそうというか…。
確かにイメージとしてこんな感じの雰囲気がマッチするミュージシャンというのもいるとは思うんですが、例えそういったイメージのミュージシャンであっても、何かを創造し続ける人というのは、実際にはこんな感じの部屋に暮らしていては創造的な活動をし続けることが徐々に難しくなってきてしまうのでは無いかと。
でも、このお部屋に関する説明を聞いて、そこら辺のことが、何となくですが理解が出来た気がします。
この部屋を作った当時、Cherは、エスカレートし続けるパパラッチたちの凄まじく酷い行いに深く悩まされていたんだそうです。
そこで、この家をデザインしたRon Wilsonというデザイナーは、外に出ることも嫌になるような状態に身を置いている彼女を「包み守ってくれる特別な場所」「聖域」として、この部屋を作ったんだそうで。
そういわれて改めてこの部屋をみてみると、この部屋は彼女にとっての「お気に入りの街並み」「聞き慣れた雑踏」「眺めの良いカフェ」「よく晴れた静かな公園」であって、尚且つ「隠れ家」であり「癒しの空間」であったのかなと。
人によっては心を病むほどの熾烈な戦いを日々繰り広げる現代人には、こんな感じのリビングが必要なのかもし知れません。

【レイアウトマジック】包まれ感と開放感のあるリビング



このリビング、ちょっと良くないですか?

相当コンパクトですよね。
見た感じ、6畳ちょいというくらいでしょうか。
8畳は絶対無さそうです。
で、このシンプルな雰囲気もなかなか良いなと思うんですが、何よりも良いなと思ったのが、ソファの配置ですね。
このソファ、外を向いてますけれど、この向きにソファを向けたことでこのリビングは相当良い感じになっているのでは無いかと。
仮にこのソファを、この写真を撮影しているカメラの方向に向けて配置したら、何だかよく分からない「中途半端な窪みエリア」みたいになっちゃいますよね。
で、じゃ逆に、ソファをこのエリアの手前側に向こう向きで設置したらどうなるかと言いますと、「妙に圧迫感のある小部屋」みたいになっちゃうわけじゃ無いですか。
この写真と同じ向きでも、手前側にある暖炉の炎が見えるように少し手前にずらしちゃったりしたら、ソファに座ったときの視界や雰囲気も全然変わっちゃうと思いますし。
絶妙な包まれ感があって、だけど視界が抜けて圧迫感が全く無く、居心地の良さそうなこのコンパクトなリビングは、この配置にソファを置いたからこそ出来たのかなと。
そうやって考えると、この配置がものすごく自然な配置のように思えますけれど、でも、何もない状態で、いきなりココにこの向きでソファを置いて、ココをリビングにしちゃうという発想はなかなか出てこないと思うんですよね。
だって、このソファ、座ったら外しか見えないですから。
普通は室内の何処かに向けて置いちゃうと思うんですよ。
または、そもそもこのスペースにソファを置くのは諦めて、別のスペースにしちゃうとかね。
そういう意味で、このソファの配置は素晴らしいと思いますし、このリビングはなかなか面白いなと。