良いなと思った家や内装、家具など」カテゴリーアーカイブ

納屋のロフトをリノベーションしたサンルーム



こちら、イギリス南西部 コーンウェルにある、納屋のロフトをリノベーションしたお部屋なんですが、サンルームの様にガラス張りになった斜めの屋根の感じが中々良いなと思ったので、ご紹介させて頂きます。

「サンルーム」と書いてしまいましたが、こちらのリノベーション住宅の設計者であるGordon Collinsは、この家をパッシブソーラーハウスとして設計したということですので、実際にはサンルームと言うよりも、「パッシブソーラーハウスの一部」と表現するべきなのでしょう。
このパッシブソーラーハウスのことを具体的にイメージして考えるにあたっては、まずイギリス南西部の気候について簡単に知っておく必要がありそうです。
イギリスの気候というと、「一年中曇りの日が多くて寒そう。冬は特に寒い」という、非常にわかりやすいイメージなのですが、例えばコーンウェルに近い、南西部 エクセターあたりの気候は下記のような感じです。
・最も寒いのは1月、2月頃で、平均最高気温が8度、平均最低気温は2度(日本の東京と比較した場合、同時期で最高気温は10度前後、最低気温は2度前後という感じですので、東京よりももう少し寒い、というイメージでしょうか)。
・夏場も平均最高気温は20度前後、平均最低気温は10度前後と、「涼しい」か、もしかすると「少し寒い」程度の夏です。
・最も寒い真冬の季節が最も降雨量が多く、月間降水量は80mmから90mm程度。夏場の方が降水量は少なく、月間50mm程度(東京は、冬場の月間降雨量は50mm程度、夏場は150mm程度。台風シーズンの9月で200mm超)。
・月間降雨日数は、雨の少ない夏場でも10日程度、雨の多い冬場は16日から17日が雨。
なんだか、「いつも曇りか雨で、寒々しくて」、というイギリスのイメージそのまんまの気候ですね…。
パッシブソーラーハウス、というのは、「夏場は大きな屋根や庇で日光を遮り、天井や壁に設けた換気口、吹き抜けなどをうまく組み合わせて、自然換気によって涼しさを確保する」、「冬場は南側に設けた大きな窓、天窓などから太陽光を取り込み、断熱によって暖かさを確保する」という、自然の仕組みによる冷暖房を実現しよう、という仕組みです。
こちらの写真のロフト部は、その中でも「冬場の暖かさを実現すること」を目指したものにあたるわけですが、上記のような寒々しいイギリスの気候にあって、貴重な太陽の暖かさを享受する、という意味では、日本の気候において設ける南側の窓や天窓よりも、更に重要であり、また素晴らしい仕組みといえるような気がします。
日本でサンルームやガラス張りの屋根によって同様のことを実現する場合、冬場は同じように「太陽の恵みの素晴らしさ」を得られるという意味では、家の中の素晴らしい空間の一つを作り上げることができると思います。
ただし、日本の夏場はかなりの猛暑日がありますので、夏場の換気、暑さ対策については、プラスアルファの仕組みが必要だと思います(換気窓の増加、夏場用の庇の追加検討など。これは日本の中でも、家を建てる地域の気候によって、どういった取り組みが必要かという点が異なってくるとは思います)。
夏場の暑さ対策に限界があるようであれば、同じようなガラス天井のサンルームエリアを作っておいて、冬場はぽかぽかのリビング、夏場は窓を常時すべて開け放って、家庭菜園用のサンルームや子供たちの水遊び用エリアにしてしまうなど、「家の中でのエリアの使途」を季節によって変えてしまう、というのも良い手かもしれません。
Photo ©tonyhall

ブロックの壁に作り付けられた棚



こちらの棚、ちょっと面白いなと思ったのでご紹介させて頂きます。

こちらの棚、棚そのものとしてはそんなに珍しいタイプでは無いですが、コンクリートブロックの壁に作り付けられている棚、というのはあまり無いかな、と思いまして。
場所は、地下の物置のような、作業室のようなところらしいんですが、白いペンキで塗られたブロック塀と、同じ白いペンキで塗られた木の作り付け棚の組み合わせが独特の雰囲気を出していて良いです。
普通、作り付けの棚というと釘を打ち付けられる様な場所に作るものだと思いますが、左右に壁がある場所であれば、この写真の棚のように側板(左右の支柱となる木材)を使って、直接釘を打ち付けられない様なところでも棚を作りつけることができます。
作り方を簡単にご説明しますと、
1)床から天井までの長さと同じ長さの板を2枚用意する(コレが側板、左右の支柱になります。板の幅の長さが棚の奥行き、ということになります)。
2)側板を、左右の壁面にあてる(この状態で、すでにこの支柱の板は天井と床で固定されていますので、前後に倒れることはありません。倒れるとすれば、左右、つまり棚の中心側に向かってのみです)。
3)側板に、棚板を固定するための木材を打ち付ける。
4)側板に打ち付けた木材に棚板を載せる(コレで、側板は左右にも動けなくなるので、もう倒れません)。
5)必要に応じて(お好みで)、棚板などの接着をする。
このタイプの棚は、かなり簡単に作れてしまいます。
今思いついたんですけれど、コレを応用して、RC構造のコンクリート打ちっぱなしの内装に、ウォールナットかチークあたりの無垢素材を使った棚とかを作りつけてみたら、組み合わせ的にかなり面白い雰囲気になるかもしれません。
今度、ウチの家の入口脇のブロック塀にも棚を作りつけてみようかな…。
Photo ©nirbhao