このお宅の、暖炉のあるこのリビング、良いですね〜。
暖炉の左右の壁面に彫り込まれたニッチ状の棚も、とても素敵です。
こういうコンパクトでクローズドなスペースに暖炉という組み合わせ、あんまり見かけ無い気がするんですけれど、包まれ感があって、ものすごく落ち着いて寛げそうですよね。
でも、もしかすると、ちょっと熱いかも?
その土地の気候や暖炉のタイプによっても変わってくるとは思うんですけれど、このお宅の暖炉くらいの、40cm程度のサイズの薪を使うようなごくごく標準的サイズの暖炉でも、4〜5,000kcal/h程度の出力はあるわけで、恐らく4〜50畳くらいのスペースを暖めることができる能力があるわけです。
それをこのコンパクトなスペースで使ったら、このソファの上はかなりのポカポカ状態になってしまうような…。
余程の寒冷地なのかなと思って調べてみたんですけれど、場所はモロッコのマラケシュだそうで…。
モロッコって、そんなに寒くないらしいですけどね…。
北アフリカ大陸の北西、大西洋と地中海に面するステップ気候で、真冬の時期でも最低気温が零下になることはほとんど無いみたいですが、カラリとした気候ですから、昼夜の寒暖の差が激しいんですかね?
でも、何にせよこの雰囲気は良いですね〜。
コレってやっぱりイスラム教のお国柄というのも関係してるんですかね?
イスラム圏の建物って、窓も扉も少なくて、建物の外と中とを完全に隔てるような作りをしてるんですよね。
庭なんかでも、しっかりと塀で囲われていて、外からは絶対に見えないようになってるんです。
これは、イスラム圏の人々にとっての家、庭や中庭を含めた自宅という空間が、リラックスして自らを癒すための非常にプライベートな空間だからなんだそうですけれど、こういう文化やものの考え方が、落ち着いてリラックスできそうな、こういった雰囲気の空間を自然と作り出しているのかなと。
人を呼んでワイワイと楽しめそうなオープンな空間というのも良いですけれど、全く逆の方向性で、家族だけで内に篭って、極限までリラックス出来るような空間というのも良いですよね。
( via house of angels )
【外と中の繋がる空間】多目的スペースの隣のベランダ
こちらのお宅のベランダ、すごい良い感じなんですけど。
最上階である3階の、多目的スペースの一端の壁面が、全面、ガラスのスライドドアになってまして、そこからベランダに出られるようになってます。
ココまでは、まあ、普通と言えば普通なんですが…。
このベランダ、何と、屋根と窓があるんです。
ベランダの半分は屋根が無いわけで、ココは一応屋外なわけですが、もう半分は屋根があるわけで、するとココは屋内なんだろうか…。
いや、そもそもベランダに屋根や窓があるのは別に普通のことなわけで、珍しいのは、「しっかりとした屋根が」「半分だけある」という、この作りなんでしょうけれどね。
でもコレ、良いと思うんですよね〜。
屋内側とはガラスのドアで仕切られてるわけで、やはりココは屋外なんでしょうけれど…。というような、「屋外のようで、屋内のようで、やっぱ屋外」という感じが、とても面白いと思うんです。
ベランダに出れば間違いなく開放感的なものは味わえると思いますし、屋根があるお陰で、雨の日や、夏の日差しの激しい日でも気にせずに出られたり、場合によっては大きな庇の下で過ごす包まれ感のようなものも味わえたりと、半分だけ屋根を作ってあるお陰で、ベランダが、ものすごく懐の深い、バリエーションに富んだ使い方の出来る空間になってくれているのでは無いかと。
窓があるのも何気に良いですよね。窓が1つあるだけで、随分と雰囲気が違ってくると思います。
周りを高い壁で囲んであるお陰で、周囲からの視線的なものはあまり気にせず過ごせるというメリットはあるんですけれど、ココまでガッチリ囲まれてると、ちょっと息苦しい感じがしちゃいそうな気もしますもんね。
立体図はこんな感じ。
ベランダというよりは、「3階の一部の屋根を取っ払った」という表現が正しそうですね…。
この作りだと、かなり慎重に漏水/防水関係の考慮をしないといけ無さそうですけれど、でも、その労力を費やしてみるだけの面白さは十分にありそうな気がします。
ちなみにこちらのお宅、実は日本のお宅なんだそうで。
神戸に事務所を構えるタトアーキテクツ/島田陽建築設計事務所が手がけた、伊丹市の物件なんです。
リンク先サイトに詳しい説明もありますので(英文ですが)、ご興味のある方は、是非覗いてみてください。
( via dezeen )