直角じゃ無いというのもアリでしょうか。
コチラのお宅、躯体の両端が120度の角度で開いた形をしてるんです(言葉で説明するのはちょっと難しいんですが、「正六角形を半分に割ったような形」をしています。以前にご紹介した「30度開かれた”羽根の家”」にちょっと似た感じです)。
当然、正方形や長方形の形の建物を建てるよりも土地の利用効率としては落ちますが、中央/右翼/左翼、どのエリアでも、「壁を背にして立った(座った)ときに、真正面に壁がない」「壁に遮られない視界」を手に入れることができています。
I字型の躯体でも、同じように「壁に遮られない視界」を手に入れることはできますが、I字型の躯体だと、「外に向かいっぱなし」になってしまうのかなと。
この家の持つ雰囲気や、躯体形状の持つメリットを上手に説明することが出来ないんですが、何といいましょうか、中庭のような「内側に向かう落ち着き」と「開放感」の双方を同時に得られる、非常にバランスの良い形状な気がします。
角が直角でない空間には、屋内の雰囲気にも面白さが生まれてきます。
上記のリビングのソファの後ろ側はこんな感じの空間になってるんですが、空間が台形になっていると、通常の「壁に囲われている雰囲気」が弱まって、普通の四角い空間には無い「拡がり」が感じられます。
コレは普通の建物には中々無い、独特で面白い雰囲気なのでは無いかと。
先ほど「土地としての利用効率は落ちる」と書きましたが、それも使い方次第なのかなと。
上の写真のリビングも、「利用効率が悪い空間」というのとはちょっと違う気がしますし、場合によっては、こんな風に、壁の向きにとらわれ無い自由な家具のレイアウトをしても構わないわけですし。
垂直/直角の組み合わせでないのでわかりづらいんですが、写真中央のアイランドは、躯体の中央部に大して直角に配置されています。
その結果、躯体左翼側の壁とは60度くらいの角度を成すことになってるわけですが、別にコレでも何が問題ということも無いですよね。
結局のところは使い方次第ということなのかなと。
こういった「直角でない躯体」は、多少なりとも空間の利用効率が落ちることは事実だとは思いますが、それを補って余りある「面白さ」を期待できる気がします。
一生に何度かしか無い「家を建てる」という一大イベントに際して、こういった「面白さを求る」ことができる物理的/精神的/その他の余裕を持てたら、それは随分と幸せなことなのでは無いかなと。
( via warmington&north )