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【環境を活かす検討】森の中に建つ家の開放的なキッチン



こちらのキッチン、明るくて開放的で、雰囲気最高だと思いません?

こちら、アメリカ北西部、ワシントン州のファンデフカ海峡に浮かぶロペス島の、森の中に建つお宅のキッチンでして、設計したのはDAVID VANDARVORTさんという建築家です。
このお宅を設計するにあたっては、傾斜などを含めた森の中の地形、木々の配置、風景などの全てを計算に入れて、どこに何を作ったら採光はどうなるか、そこからどんな景色が楽しめるか、などを綿密に計算したんだそうで。
建築さんのお仕事というのは本来そういうものなんでしょうが、自然相手に色々考えた上で、しかもその自然に極力手を入れない様にした上で、これだけの雰囲気を作り出すというのは本当に素晴らしいお仕事なのでは無いかと。
このキッチンを見ていて、ちょっと意外な場所に建つお宅のダイニング・キッチンを思い出しました。
そのお宅は世田谷の住宅地の、片側1.5車線くらいの道が交差する角地に面して建っているんですが、そこのダイニング・キッチンからの景色が良いんですよね。
キッチンの正面と右側面がガラス張りになってまして、そこから家の前の通りとそれと交差する通りの双方が見えて、視界が抜けていてとても開放的なんです(写真が無くて申し訳ないですが)。
そのお宅も、やはり設計を担当した建築家の方が立地や地形を何度も現地で確認して、一日の中で家族が最も長く時間を過ごすダイニングと、家族のために毎日料理を作る奥様の仕事場を如何に快適な場所にするか、という点を強く意識してキッチンのレイアウトや内装を考えたんだそうです。
こういう写真を見てしまうと、その素晴らしさの大部分が、「大自然(環境)の素晴らしさ」みたいなものの力のみで成り立っているような気がしてしまい勝ちなんですが、実際はそれだけでは無くて、「土地や環境の持つ魅力」に加えて、「それをどう活かすか」という部分にどれだけしっかりとした検討を重ねられるか、そこにどうセンスを発揮できるか、という部分が大切なのかな、と、そんなことを改めて感じさせられました。

【選択と集中】一塊の空間の使い方、広めのワンルームとビルトインベッド



こちらのブラジル・サンパウロのワンルームの部屋、作りが中々面白いなと思ったのでちょっとご紹介をさせて頂きます。

まず玄関はこんな感じでごくごく普通です。
とはいえかなり余裕のある作りをしていますので、正直言って日本の狭いワンルームマンションとは玄関からして作りが違いますが…。
で、玄関からワンルームエリアに入っていくところには、こんな感じのクローゼットがありまして、
ワンルームに入って行くと、結構広々としたリビングエリアが広がっています。
図面が無いので正確なところはわからないんですが、リビングエリアの窓側壁面の幅は3.5mくらいといったとことでしょうか。
右手に見えるカウンターがダイニングエリア、その更に右側にはキッチンがあります。
キッチンはこんな感じで、極端に狭いわけでは無いですが、必要最小限サイズという感じです。
キッチンの窓側壁面の幅は2.5mくらいですかね。
この左側のカウンターがダイニングなわけですが、そういう意味ではダイニングも相当削りに削った感じがサイズになってます。
キッチン側からリビングエリアを振り返ると、
コンパクト目なキッチンとダイニングとは対照的に、リビングエリアはかなり贅沢な感じです。
壁紙が面白いですね…。
で、ここから左手の玄関側に視線を移すと…
なんとベッドが壁に埋め込まれています…。
ビルトインベッドなわけです…。
ちなみにこのリビング側の壁面の幅は、ベッドのサイズとカーペットのサイズから想定するにせいぜい6mくらいという感じだと思います。
お風呂はこの左手、キッチンエリアの隣にこんな感じのシンプルなシャワーブース+トイレが作りこまれています。
レイアウトと広さ的なものをおさらいしてみると、まず、リビングエリア(含むベッド)が3.5m×6m=21平方m≒13畳くらい。
で、ダイニング・キッチンエリアが2.5m×3.5m=9平方m弱≒5畳くらい。
お風呂が2.5m×2.5m=6.25平方m≒4畳くらい。
玄関エリアが1m×3m=3平方m≒2畳くらい。
合計で40平方m、24畳くらいという感じでして、まあ日本のワンルームにしても「ひとり暮らしをするにはちょっと贅沢目」「2人で暮らすのにはちょっと手狭」という位のサイズでしょうか。
にもかかわらず、リビングだけは広々としてまして、その「一点豪華集中」的なところが中々面白いかなと。
まず、部屋自体がかなり正方形に近いというところが、一塊の空間としての使い勝手が良いんでしょうね。
で、ダイニングを思い切ってコンパクトにして、風呂もシャワーのみと、使わないところ(ホントにそうなのかどうかは知りませんが)を大胆に削りつつ、ベッドに至っては、本来収納スペース的な場所になるべきところの上部空間におさめてしまっています。
で、そうやって確保したスペースを全てリビングエリアに集中させているわけです。
かなり極端な作りですけれど、このくらい思い切ってやってしまうと清々しいくらいの面白さが出てくるのでは無いかと思います。
このやり方、ワンルームのお部屋だけでなく、結構色々な場所に応用してみたら面白い気がします。