もしも土地にちょっと余裕があったら、庭の中にこんな離れを作ってみたいですね。
平屋ワンフロアの内建物部には、壁面いっぱいの作り付けの巨大本棚と、本棚に埋め込まれた暖炉が。
排煙のことを考えると、煙突は曲げないほうが良かったかもしれませんね…。デザイン以外に何か特別な理由があったんでしょうか。
シンプルなワークデスクと椅子の置かれたコーナーエリアの上には、結構大振りな天窓。
この真下でだったら、まるで屋外に居るかのような開放感が味わえそうです。
こちらの離れ(英語で”shed”とありましたので、直訳すると「小屋」という感じでしょうか)、何が素敵って、他に何も無いトコロが素敵かなと。
室内にあるのは、本棚と暖炉、小さなデスクと椅子、あとは一人掛けのソファが1つ。コレだけです。暖炉に火を入れて、本を読むこと。基本的にはそれだけをするための空間という感じ。
このこぢんまりとした雰囲気、先日ご紹介したプラハの茶室にも通ずる雰囲気があるような…。親しい友人を招いて、ここでのんびりとお酒を飲んだりするのも良さそうですね。
トイレは一応ありますので、かなり痛飲しても大丈夫。
そういえば、本棚の中に、そっとシンクが埋め込んで作ってあったりして。
筆や道具類を洗ったり、という用途で作ってあるっぽいですけれど、ちょっとした洗い物とかだったらココでできちゃいそうです。
本棚といえば、よく見ると、左上の方には窓が埋め込まれちゃったりもしてます。
こういうのも、なんか遊び心があって良いですね。
建っているのはロンドン郊外の、あるお宅のお庭。
「一年の大半がどんよりとしているイギリスの気候。その最悪の日であっても、気持よく過ごせる空間」を意識してデザインされたとのことで、確かに、この小さなスペースに、一面ガラス張りのファサード+大きな天窓から得られる開放感と、暖炉という組み合わせは、よく晴れた春の日はもちろんのこととして、どんよりと曇った、最低気温が零下に近い冬の日であっても、この中だけは、独特の気持ち良さ、居心地の良さのある特別な空間になってくれていそうな気がします。
離れを作るとなると、それなりのスペース的な余裕が必要だと思いますので、都市部なんかだと現実的にはちょっと難しいケースの方が多いかとは思いますけれど、どこかにスペースを探して・捻出してでも、自宅の中にこういう「多目的スペース兼客間」的な空間を作ることができたら、ちょっと面白そうですよね。
( via thispaper )
「作り付けの巨大本棚」タグアーカイブ
【空間をイメージで区切る】箱に入ったダイニング
こちらのダイニングの作り、ちょっと面白いかなと思いまして。
広々としたオープンスペースのリビング・ダイニング・キッチンなんですが、ダイニングエリアだけは、壁、床、天井に至るまでが板で覆われてまして、まるで箱の中のような雰囲気のスペースになってるんです。
「板で覆われている」といっても、実際のところはキッチン・リビングエリアとの間に壁があるわけでも無く、コーナー部に柱が1本あって、フロアが10cmほど高いスキップフロア状になっているだけなんですが、ダイニングエリアとその他のエリアが、異なる空間としてしっかりと色分けされてますよね。
壁を作って区切れば、ダイニングを独立した1つの空間として作ることは可能なわけですが、当然のことながら、広いひと繋がりの空間としてのメリットはその分損なわれますし、リビング側の採光や開放感にも大きく影響してきます。
それに対して、空間を物理的には区切らずに、こうやって内装や雰囲気などを利用してイメージとして区切ることで、全体の空間としての良さを残したまま、1つの空間を複数のエリアに分けることができているというのは、なかなか面白いかなと。
ちなみに、ダイニングスペースの右側に写り込んでいる大きな作り付けの本棚の裏側は、こんな感じのコンパクトなワークスペースになってます。
こちらが図面。
ダイニングスペースのコーナーにある柱は、付柱のような見せかけの柱ではなく、構造用の本物の柱。そして、クローズドなスペースとして作られている本棚・ワークスペースエリアには、実は柱や耐力壁は一切無いんです。
何も考えずにいたら、「ダイニングスペースを(半)クローズに、本棚・ワークスペースをオープンに」というプランに流れていってしまうかもしれないところを、「この広々とした大きなスペースに柱が1本出て来てしまうとしたら、この空間をどうやって使うのが一番良いのか」という点から離れずにしっかりと考えた結果が、この面白さなのかなと。
( via int2architecture )