こちら、ニューヨーク州ブルックリンのプロスペクト・ハイツに建つスモールアパートメントなんですが、作りがちょっといい感じだなと思ったのでご紹介させていただきたいと思います。
先ほど「スモールアパートメント」と書きましたが、具体的にどの程度のサイズなのかといいますと、「広さ625スクエアフィート」とのことですから、メートル換算で約58平方m程度、35畳ちょいという計算。3LDKにはちょっと足りなくて、2LDKなら普通かな、というくらいのサイズ感だと思いますから、日本の感覚では「スモール」とまではいえないかもしれませんかね。
※ちなみにですが、つい先日たまたま目にした「スマートアセットの調査結果を元にMy Big Apple NYがまとめたデータ」によりますと、2016年現在のニューヨーク州における2LDKアパートメントの平均家賃は3,692ドル。≒1ドル110円換算で406,000円程度。適正な家賃を所得の28%までと想定した場合、ニューヨーク州の2LDKに住むためには、最低でも15万8千ドル(同110円換算で1,738万円)以上の年収が必要になる計算なんだそうで…。「ニューヨークに住む」ということはそういうことなのかな、とも思いますが、2LDKといえども、実際にはかなりの高級な住まいというイメージでしょうかね。
そんな話はさておいて、広さ自体はそんな微妙なサイズのこちらのアパートメント、では一体なにがいい感じなのかといいますと、ズバリこちら、
高めの天井を活かして、リビング・ダイニングの上にロフトが作ってあるんです。
ただのロフトじゃありませんよ。当然のことながら、「いい感じ」のロフトです。
梯子を使って上へ上がりますと、そこにはベッドが。
枕元には、壁面一杯の大きな造作本棚も作り込まれちゃってたりします。
まあ、ロフトの上という場所柄、日常使いの収納スペースとしてはあまり使い勝手が良いとはいえないかもしれませんけれど、寝る前に読みたいものを置いておくにはベストですし、いつまででもとっておきたいような愛蔵書とか、かさばりがちなのに捨てられないお気に入りのムック本、各種の書類、写真や手紙の類などを収めておく場所としては結構重宝するのではないかと。
このくらいのサイズがあればかなりの収納力を発揮してくれそうですから、子どもの絵や工作なんかを保管しておくスペースとしても使えそうですしね。
そして、キッチンの上にも、このロフトとは別にもう1つロフトスペースが設けられてまして、
そちらはこんな感じの、ワークスペースとしても使えそうな、スモールリビング的な空間になってるんです。
この作りだったら、天井高も1.4mはなさそうですから、日本の建築基準法でいうところの「小屋裏収納」扱いになるような形でも作れそうですかね。
下のフロアに加えて、この2つのロフトがそれぞれ4〜5畳の部屋くらいの役割を果たしてくれますから、実質的には35畳+2ルームのイメージという感じでしょうか。ロフトのお陰で、トータルのスペース的にはかなり余裕を持って使えるようになってくれるのではないかと。
これからお家を建てたりリフォームしたりするご予定のある方で、ロフトを作れそうなスペースの候補がいくつかあるよ、という恵まれた方がいらっしゃいましたら、こんな感じのロフトスペース、思い切ってたくさん作ってみてはいかがでしょうか?
※日本の建築基準法では、小屋裏収納を居室として使用することは認められておりません。また、本ポストは、法令・条例等に違反することを助長する意図はございません。本ポストを何らかの参考とされる場合には、ご自身の責任・判断でご利用いただけますようお願いいたします。
( via A CUP OF JO )
「収納」タグアーカイブ
【最短の動線を平行移動】横長のシンクの上に作り込まれたゆったりとした作業スペース
こちらのキッチン、シンクとその脇の食器用収納がいい感じだなと思ったのでご紹介させていただきます。
横長でかなりゆったりとした作りのシンクと、その上に渡された木製のカバー。
このアイディア、ちょっとおもしろくないですか?
似たようなもので、金属製の巻き簾のような形状のもをシンクの上に渡して、そこを食器の水切りスペースとして使うことができる製品というのはありますけれど、ある程度の耐荷重を確保した、こういうしっかりとしたものというのはあまり見たことがないかなと。この作りだったら、洗い物の水切りスペースとして使えるのはもちろんのこととして、各種の作業スペースとしても使えますし、ひのきやヒバあたりの耐水性や乾湿の変化への耐久性に優れた木材で作っておけば、上から水を流しながらの作業などもできますから、かなり幅広い用途に使えそうですよね。
横幅がありますから、例えば1/3だけ開けておいて、「食材を洗って切って盛りつけて」とか、「食器を洗って水切りしてそのまま左の棚へ」みたいな流れで、平行移動しながら最短距離の動線で作業ができそうです。シンクの左下に食器洗浄機でも入れておいて、文明の利器との組み合わせ、みたいなのもいいかも。
どことなく和風なテイストも混ざったようなこの感じも、個人的には結構ツボですね。
こちら、 京都大学工学部建築学科や、丹下健三事務所での活動経験もある、オーストラリアの建築家、リチャード・レプラストリエ氏の設計したものなんだそうですが、この雰囲気はそのせいもあるんでしょうかね。
うちの自宅のキッチンも、次にリフォームを入れるときには、こんな感じの作業エリア、導入を検討してみたいかも。
( via flickr )