日向と日陰と採光




庇の下の縁側


日当りが良くて明るいリビング、ダイニング、というのはとても良いものですが、個人的には、それと同じ位、日陰も好きです。
言葉で説明するのがかなり難しいのですが、太陽の光でしっかりと照らされた、明るいエリアと、その日差しをしっかりと遮った、暗さの残るエリア、家の中で、この2つのエリアのコントラストをはっきりと持たせるようにする事で、明るいエリアは、より活動的な「動」のエリアとして、また、暗いエリアは、より落ち着いた「静」のエリアとしての位置づけがはっきりと際立つのではないかと考えています。
例えば、強い日差しに照らされたこのテラス。
この日差しの中で、冷たいビールでも飲みたいところです。

テラス

格子状の日よけによって、テラスへの直射日光は適度にコントロールされています。が、それよりも何よりも素晴らしいのは、この日よけを設置したベランダに続く室内側の「明るさ」です。
この柔らかい明るさ、例えて言うならば、大きく張り出した庇の下の縁側の様だと思うのですが、いかがでしょうか。
この落ち着いた適度な明るさが、のんびりとダイニングで寛ぐ時間を、より豊かにしてくれるのではないかと思います。
隣接する、すぐ隣の空間は激しく明るく、そして、この空間はうって代わって薄暗く落ち着いたイメージ。
このコントラストを住宅の中に実現できると、自宅の中で、静と動のギャップを楽しむ事ができるのではないでしょうか。
同じ様な「住宅内の光のコントロール」をいくつか紹介してみたいと思います。
このケースは、庭に面する敷地の塀を格子状にすることで、光をコントロールしています。
この格子状の塀(壁)はレールによってスライド可動が可能になっており、季節や状況に応じて開閉もできる様になっています。
この庭に続くダイニングです。
格子によって適度に採光をコントロールすることで、明るいながらも、落ち着いた雰囲気のダイニングが実現できているのだと思います。

屋上テラス – 視点を変えたらイメージが広がるかも?



家を建てるときに、大抵の人は、土地の広さ、建物の間取り、屋内の家具の配置などを色々と想像して検討すると思います。それはそれでとても大切なことだと思いますが、実際に「住む」ということを考えたときに、こちらの写真のような立体的なイメージを具体的に持つ、ということも、とても重要だと思います。
この写真は、Jeremy Levineというデザイナーのサイトで公開されているものの一つです。
この写真を見たとき、まず最初に、階段を上って屋上のテラスに出てくる自分の姿をイメージしました。屋上に置かれたベンチで休日の朝食を食べてみたり、週末の夕方に屋上でバーベキューをしてみたり、屋上に置いたソファの上で寝転がって読書をしたり、という、「実際の生活」が、すぐにイメージできる、というのは素晴らしい事だと思います。
同時に、少なくとも自分は、自分の家を建てるときに、自分の家を上空から俯瞰したイメージ、というものを考えてみなかった事にも気がつきました。
せっかく家を建てるのであれば、「そこでどんな楽しい事ができるか」ということをできるだけ盛り込んでみたいものです。
もしも僕が家を建てる前にこのイメージに出会っていたならば、自宅にはなんとかして屋上を作って、そこに屋外用のベンチやソファを置いて楽しめる様にしただろうな、と思うと、少し残念です。
因みにですが、うちでもベランダにベンチを置いています。雨の多い夏場は上にタープを張って、ある程度の雨よけ&日よけをしていますし、定期的にキシラデコールを塗って劣化を抑えようとしてはいますが、基本野ざらし雨ざらしです。だんだんと傷んで来てしまうのは避けられません。
屋外にくつろぐ場所を作るとき、どうしても、ちょっと良い屋外家具を置きたい気持ちになってしまうのですが、IKEAやコストコ、NOCEあたりの「高コストパフォーマンス」な屋外家具を使う、というのもお薦めです。(ウチの屋外家具は基本全てIKEAものです。コストコも、かなり屋外家具が充実しています。NOCEはあまり屋外家具イメージはありませんが、クッションが取り外せるソファなどであれば、使わないときはクッションを屋内にしまう様にして、木製部分に自分でキシラデコールやニスを重ね塗りしておけば、屋外で使用できるものは色々あると思います。)
コレから家を建てる方、是非是非お宅に「楽しみ」を盛り込んでみてください。