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【面白さと利便性】勾配天井下にコンパクトな寛ぎスペースが作り込まれたロフトのリビング・ダイニング・キッチン



こちら、ニューヨーク マンハッタン島の南西地区に位置するかつての精肉工場街 ミートパッキング地区に建つロフトハウスなんですが、作りがちょっといい感じだなと思ったのでご紹介させていただきます。

こちらがリビング・ダイニング・キッチン。

ロフトの勾配天井の下のダイニング・キッチン

 

勾配天井を削り取るように作られた、大きな天窓の下のスペース。開放感と包まれ感の共存する独特の雰囲気が素敵です。

勾配天井の下のロフトのリビング・ダイニング

 

そして、ダイニング・キッチンのすぐ脇にはバスルーム&トイレ。

ダイニング・キッチン脇のバスルーム

ダイニング・キッチン脇のバスルームの頭上に作りこまれた収納スペース

キッチンのとなりがバスルームってめずらしいようにも思えますけれど、これ、生活動線的には意外とありなレイアウトだと思います。

もう結構前の話になりますけれど、僕ら夫婦にまだ子どももできていない、結婚してすぐくらいのころに、ある友人宅にお呼ばれしたんですよ。

その友人夫妻には当時2歳と3歳くらいのとしごのお子さんがいました。料理するときも洗濯するときも掃除するときも、いついかなるときも目を離せない乳幼児が2人もいるもんで、奥さんがともかく大変なわけですが、そんななかでも特に困るといっていたのが「洗濯」。

そちらのお宅、リビング・ダイニング・キッチンは1階にあって、キッチンの対面カウンターからリビング・ダイニングが見渡せるようなひと続きの作りになっていたので、お料理をするときには子どもたちはリビングでゴロゴロさせて様子を見ながら、みたいな感じで大丈夫だったんです。

で、お掃除のときも基本そんな感じでOKだったんですけれど、洗濯だけはそうはいかなかったみたいで。

なんでかといいますと、洗濯機は浴室の脱衣所においてあったんですけれど、それが、リビング・ダイニング・キッチンからは遠く離れた2階でして、子どもを2人もゴロゴロさせておくようなスペースがない…。とはいえ、子どもたちを1階に置き去りにして2階に行くのは不安…。結局、浴室と同じフロアにあるベッドルームまで子どもたちを連れて行って、洗濯しながらちょくちょくベッドルームの様子を見て、みたいな感じで毎日洗濯してたらしいんですけれど、ちょっと想像しただけでもかなり面倒くさそうですよね。

しかも、このやり方だと、「料理しながら」「テレビ見ながら」その合間に、みたいな感じの「ながら作業」もできなくて「洗濯専用の時間」を作らなきゃならないもんで、それがまたこの上なく不便だったそうで。

子どもたちがもう少し大きくなってからは、さすがに子どもを連れて洗濯しにいく必要はなくなったわけですけれど、それでも、いちいち2階に上がって洗濯機を回して終わったら取り込みに行って、みたいなのが不便なのは変わらなかったみたいです。

この話を聞いていたので、自分たちの自宅を建てたときには、キッチンの脇に洗濯機置場を作って、「ながら洗濯」ができるようにしたんですけれど、これはやはり結構便利らしいです(「らしい」というのは、正直言いますと、僕はあまり洗濯とかをしないもので…)。テレビとか見てるときに洗濯機回されると、音がうるさいなと思ったりすることもありますが、その程度のことと引き換えに日々の便利さが手に入るなら御の字なのではないかなと。

いきなり話がそれかかりましたが、生活動線、特に、家事と育児関係が絡むあたりのものは、毎日毎日のことで重いボディーブローのようにずっしりと効いてきますので、しっかりと考えて検討した方が宜しいですよ、というお話でした。

 

こちらのお宅、良いなと思ったのはそれだけじゃないんです。

キッチンエリアの逆サイド、勾配天井下のリビングの端の奥まったスペースには、こんな感じの不思議な寛ぎスペースが作ってあったりして。

ロフトのダイニングの脇の勾配天井の下の、ソファの置かれたコンパクトな寛ぎスペースのリビング

この雰囲気、いいですね〜。冬場はホットカーペットとオイルヒーターとか入れて、「周りはともかく、ここだけはメチャぬくぬくの、こじんまりとした寛ぎスペース」みたいにしたら、サイコーじゃないでしょうか。あ、ここに、ソファじゃなくてこたつを置いちゃうとかいうのも素敵かも♡そうなったらもうここからは動けなくなりそうな予感。

北/西方面で作っておけば、夏場は逆に比較的涼しく過ごせるスペースになってくれそうな気もしますしね(とは言えロフトですから、上からも下からも熱が来るでしょうし、そこらへんに対応できる換気/空調系の方の検討は必須だとは思いますけれど)。

 

決して広々という感じではないですけれど、勾配天井下の面白い雰囲気を最大限に活かしつつ、生活動線的な面でも便利そうなレイアウトのこのお宅、ちょっと素敵なのではないかなと。

これから家を建てたりリフォームしたりするご予定のある方がいらっしゃいましたら、こういうお宅を参考にしつつ、いろいろとイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。

( via apartment therapy )

【将来的にも柔軟に】ライフステージに合わせて多用途に使える快適なロフト



こちらのロフトの雰囲気、素敵じゃないですか?

勾配天井の下の包まれ感があって居心地の良さそうなフローリングのロフトベッドルーム

勾配天井の下の包まれ感のあるロフトのベッドルーム。天井は低いですが、かわいらしい窓にフローリングの床、天井も壁も含めてしっかりとした内装に仕上げられていて、とっても居心地の良さそうなスペースですよね。

 

ロフトの下は、こんな感じのワークスペースと、

ロフトベッドルームから階下のワークスペースを見下ろす

 

その奥はキッチン。

ロフトの下のワークスペースとキッチン1

 

ロフトに上がるための階段は収納も兼ねて。

ロフトの下のワークスペースとキッチンとロフトに上がるための階段兼収納

マットレスやワークデスクのサイズからして、ロフトのサイズは2.5m×2.5m程度といったところでしょうかね。使い勝手の良し悪しは使い方によってもかなり変わってくるとは思いますけれど、このくらい居住性や快適性を重視した作りにしておけると、家族の成長やライフスタイルの変化など、ライフステージに応じていろいろな使い方ができて便利そうかなと。

 

実際に、日本のお宅でこんな感じのロフトを作るとどうなるのか、ちょっと考えてみました。

小屋裏収納の取り扱いについての条件は建築基準法で定められているわけですが、実際のところでは、それに対して各自治体ごとに、地域性を鑑みて条件を付加したり緩和したりすることが認められています。例えば東京都世田谷区の条件だと大まかには以下の通り(H24年7月施行の内容ベース)。

  1. 天井高は1.4m以下。
  2. 広さは、ロフトのある階の床面積の1/2以下であること(いずれも水平投影で計算)。
  3. ロフト直下の天井高は2.1m以上を確保すること。
  4. 外壁の開口部は原則として禁止。ただし、換気目的として、ロフト床面積の1/20以下、且つ0.45平方m以下のものであればOK。
  5. その他禁止事項:「収納の造作」「電話/テレビやインターネット等のジャックの設置」「畳/絨毯タイルカーペット等の床」「エアコン等の空調設備の設置」。
  6. 上記以外にも居室等に使用される可能性がある仕様にはしないこと。
  7. 「物置であり居室には使用しない」と記載すること。
大枠は問題なくクリアできそうですけれど、やはり第4項が厳しいですね。例えば広さ2.5m×2.5m=6.25平方mのロフトの場合、1/20は0.31平方m。サイズにして6cm×5cm程度ということですから、こぶし大の小さな穴が空いている程度で、とても「窓」という感じにはならないわけで…。仮にこれが最大の0.45平方mとしても6cm×8cm弱ですから、まあ大差ありませんな。頑張っても、本当に単なる換気用の小窓くらいでしょうかね。

窓なしはなんとか我慢できたとしても、それに加えてエアコンもNGですから、やはり日本で、法令をしっかり守りつつ「快適に過ごせるロフト」を実現するのはちょっと難しそうです(夏場がそこまで暑くならない地域だったら、サーキュレーターとかを上手く使えば、ある程度はなんとかなるかもしれませんが…。そういう意味では、暖かいのがウェルカムな冬場は比較的なんとかなるのかも)。

まあ、第6項、第7項あたりの項目からして、ベッドが置いてあるというこちらのお宅のロフトのような状況とは、そもそも全く相容れないわけですが…。

 

でも、こういうロフトを見てしまうと、もしも容積率などの条件が許すのであれば、敢えて「小屋裏収納扱いにならないロフト」として作って、より幅広い用途に応用して使えるようにしておくという手も、選択肢としてはありかもとも思っちゃいますよね。

「居室としても使う」前提で設計しておけば、将来的に転用するパターンもいくつか想定して設備関係もあらかじめいろいろと作り込んでおくことも可能ですし、将来のリフォーム/リノベーションの際にも柔軟に対応できますから。

これから家を建てたりリフォームしたりするご予定のある方で、自宅にロフトが欲しいなとお考えの方がいらっしゃいましたら、こういう感じの「屋裏収納扱いでないロフト」、検討候補の1つに加えてみてはいかがでしょうか。

※本ポストには、法令違反等を助長する意図・目的は全くございません。こちらのポストをご参考にされる場合にも、ご本人及び関係者各位において、届け出や申請などを適切に行うことをおすすめいたします。

( via DIY HOUSE BUILDING )