狭小住宅」タグアーカイブ

【奥行きと広がり】両端の屋外スペースと2つの階段



コチラのお宅、テラスとリビングの位置関係というか距離感がなかなか良い感じだなと。

テラスはこんな感じのウッドデッキ張り。
テラスに堂々と置かれたダイニングセットがサイコーに良い感じです。
で、家の中に入って、リビング側からテラスを見てみるとこんな感じ。
リビングとテラスの間の観音開きの扉を開け放っておくと、リビングとテラスはもうほぼ一体の空間になっちゃいます。
テラスとリビングの距離感の近さ、良いですね〜。
こんな感じだと、特別「外に出る」意識も無くテラスに出られてしまうと思います。
屋外空間であるテラスを、リビングやダイニングなどの屋内空間と同じく日常的に使える空間にするためには、屋内との距離感をこのくらい近くするコトが大事なのでは無いかなと。
ちなみにこのお宅、オーストラリア シドニーのボンダイジャンクションに建つお宅なんですが、家のレイアウトもなかなか面白いです。
結構な豪邸なのかと思いきや、それほどでもありません。
ウナギの寝床状の東西に細長い土地です。
1階がリビング・ダイニング・キッチンで、2階にベッドルームが3つ。
土地は幅6m×奥行き20m≒120平方m≒36坪といったトコロでしょうか。
日本でもどちらかと言えば小さい部類に入るくらいの広さですが、オーストラリアという土地柄を考えたら、土地の広さだけ考えたら相当な狭小住宅扱いになる物件なのでは無いかと。
でも、何でだかあまり狭さは感じ無いですね。
先ほどのリビング&テラスが西側で、1階の中心部分はダイニング・キッチンなんですが、逆の東側にもリビングと庭があったりして…。
1階のフロア全体を区切りの無い1つの空間として使って、更に東西双方に屋外スペースを作ってあるあたりが、このゆったりとした開放感のある雰囲気につながってますよね。
しかも、先ほどの西側のリビングにも階段があったんですが、コチラにも階段があって、東西どちら側のエリアからでも2階に上がれるようになってるんです。
土地の両端に作られた屋外スペースに加えて、2つの階段によって1階と2階を立体的に循環できるような動線を確保することによって、ウナギの寝床状の土地の両端から「端」の感覚が無くなってフロア全体に奥行きと広がりをもたせられているのかなと。
このやり方、日本の狭小住宅にも応用出来そうな気がします。
日本でやるんだったら、階段の下もしっかり有効活用する方法とか考えたら更に良い感じに持っていけそうな気が…。

【分割という選択肢】必要充分な1.5フロアの狭小空間



狭小住宅ネタ続きで恐縮ですが、コチラもちょっと面白いかなということで。

スペインの都市部に建つこのお宅、元々は2家族で住むための家として設計された建物だったんですが、現在では内部で8戸に分けられてるんだそうで…。
コレからご紹介するこの中の1区画、広さ僅か40平方mなんだそうです。
40平方mって、ちょっと広めの2Kくらいのマンションでもそのくらいの専有面積ありますけど…。
坪数にして12坪…?
内部はかなりこぢんまりとした狭い空間なんだろうな…と、思ったんですが、意外とそうでも無い。
間取り的にはこんな感じです。
1フロア+天井が高くなっている部分に0.5フロアのメゾネット形式で、合計1.5フロアという感じでしょうか。
確かにキッチンはこんな感じにかなりコンパクトですし、
隣接するリビング・ダイニングも、お世辞にも広々とは言えません。
でも、大きな天窓が中央にドーンと配置されているおかげか、明るく開放感のある空間に仕上ってますよね。
ダイニング側の上部には、小さめですが作り付けの本棚が。
このくらいコンパクトな空間だと本棚を置く場所1つとっても悩ましくなっちゃいますが、ココだったら大丈夫。ちょっと使い勝手は悪いかも知れませんけれど…。
2階に上がると、ちょっとしたワークスペースが。
このカウンターテーブルの向こう側は、リビング・ダイニングの上部とつながってます。
ベッドルームは比較的ゆったり。
ココにも天窓が。
家族4人暮らしとかだと流石にちょっと厳しそうな気はしますけど、単身者や子供のいない若い夫婦、それに小さなお子さんを加えた3人家族くらいまでが暮らすような物件としては、必要にして充分くらいのちょうど良いサイズかなと。
1つの建物を内部で分けるこういうやり方、年老いた両親と暮らすための2世帯住宅とか、子供が独立した後に家の一部を切り出して賃貸物件にしたりとか、そういうパターンの応用編として引出しのどこかに入れておくと、普通の一戸建て住宅に時間とともに変化するライフスタイルへの対応力が持たせられて面白いかも知れませんね。
( via Home DSGN )