こちら、ロンドン中心部、インナー・ロンドンの1区画、イズリントン自治区に建つメゾネットのお宅なんですけれど、つくりがちょっとおもしろいなと思ったのでご紹介させていただきたいと思います。
エントランスから室内に入ると、まずはいきなり広々としたリビング。
そして、このリビングの奥がダイニング・キッチン。
階段と一体になったつくりのキッチンカウンター。
シンプルな白い木肌に浮かび上がる、味のある板目の木目のこの感じ、結構素敵じゃないですか?
このキッチンカウンター、逆サイドの階段に面した部分は棚になってるんです。
こういうの、このサイトでもいままでにも何度かご紹介したことがありますけれど、いいですよね。階段エリアって、居室として使えるわけでもなく、「必要だから当然」というだけで確保されている、ある意味デッドスペース的な部分なわけですけれど、そこにこうやってちょっとしたアイディアを盛り込むことで、かなりの容量のある収納スペースが1つ確保できてしまうわけで。
しかもこちらの階段エリア、素敵なのはこの棚だけじゃないんです。
階段を上った先の踊り場に、こんな感じのワークスペースが作り込んであったりして。
これ、ありだと思うんですよね。
作業場所って、「クローズドで静かで作業に没頭できて」みたいなのも、当然ありだと思うんですけれど、場合によってはそうじゃないほうが、全然頑張れちゃうこともあるのかなと。
細かい作業、ものすごい集中力を必要とする作業とかの場合には、たしかにそういう静かな環境というのも大事だとは思うんですけれど、例えば、出先の喫茶店とかファミレスとかで、結構騒々しい環境なのに妙に集中して作業できちゃうことってありません? ああいうのって、適度な雑音とか、周囲の人、他人から感じ取る、緩やかな「何か」が、集中力をアップさせてくれるんだと思うんですよね。普通のオフィスだって、特別に静かな環境なのかといわれたら、大抵の場合はそうじゃないですもんね。
自分のケースでちょっと考えてみても、似たような感じで思い当たることがあります。うちの自宅、狭いながらも、個室の書斎的な(物置的な?)作業スペースがあるんですけれど、休日にちょっと作業をしたいときなんかにそこにこもると、それなりに作業がはかどる場合もあれば、いろいろな誘惑に思いっきり負けてしまうこともあるんです(ちょっと気になってるアレをネットで探してみたり、今日やってるあの試合のライブをネット配信でみたくなっちゃったり……なんてことしてると、1時間なんてあっという間です……)。というか、3回に1回、いや、もしかするとそれ以上の確率で誘惑に負けちゃってるような…。その点、家族のいるダイニングの片すみで、「悪いけど、1時間だけ仕事するわ」と潔く宣言して作業を始めると、家族の手前、怠けたり遊んだりするわけにもいかず、1時間くらいかかると思ってた作業が、ほんの20〜30分で終わっちゃったりすることもあったりして。
ちょっとだらだらと書いてしまいましたが、何が言いたかったのかといいますと、こういう、「いつなんどき誰が通りかかるかわからない場所」って、イメージよりもずっと作業に適している面も持ち合わせてたりするかな、という話でして。なによりもスペースの有効活用という面でも、かなり大きなメリットにもなりますしね。
話をこちらのお宅の紹介に戻したいと思います。
先ほどのワークスペース通り抜けた上のフロアには、ベッドルームが2つ。
1つは6畳程度のコンパクトなお部屋。
子ども部屋とか、そんな感じですかね。
もう一つが、10畳くらい。
こちらはメインのベッドルームという感じでしょう
2つのベッドルームの間にはバスルーム。
こうやってみてみると、この2フロアにまたがる2LDKのこのお宅、各区画ごとにそれぞれのスペースが分割されて、コンパクトながらも必要にして十分という感じで、なかなか上手に仕上がっているのではないかと。
一軒家にも応用できそうなアイディア盛りだくさんのこんな感じのメゾネット、ご自宅の新築やリフォームのプランを考えるの際の参考にしつつ、いろいろとイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか?
( via LARISSA JOHNSTON ARCHITECTS )
「遊び心」タグアーカイブ
【青空の下でリラックス】全開口のスライドドアで屋内とシームレスにつながるテラスの屋外リビング・ダイニング
こちらのお宅のこのワークスペース、ちょっといい感じじゃないですか?
デスクの正面、壁のほぼ丸々一面に大きな窓。シンプルでコンパクトな作りですけれど、明るく開放的な雰囲気で、このくらいのスペースがあれば必要十分といった感じかなと。
屋外の駐車スペースや、その奥の道路が屋内から直接見渡せるこういう作りって、ありそうで意外と珍しかったりしますよね。作業の合間にちょっと一休みするときとかに、ぼーっと外を眺めてるだけでも軽い気分転換になったりして、なにげに貴重なレイアウトだと思います。
こちらのお宅、素敵なのはワークスペースだけじゃないんです。
先ほどのワークスペースの逆サイドが、こちらのダイニング・キッチン。
そして、このダイニング・キッチンの向こう側には、全開口のガラスのスライドドアで屋内とシームレスにつながる、ウッドデッキのテラスの屋外ダイニング的なスペースが。
そのさらに向こうには、掘りごたつ的に一段低いつくりになった、屋外リビング的なスペースまで作り込んであったりして。
ウッドデッキのテラスでダイニング・キッチンとつながる隣のお部屋はベッドルーム。
こういうレイアウト、良くないですか? 春や秋などの気候のいい時期には、朝起きて、そのままテラスに出て歯磨き→ウッドデッキの上に直に座って、新聞でも読みながら、ちょっとコーヒーでも一杯、みたいな感じもありですよね。
夕暮れどき、ビールかワインでも片手に、食前/食後のひとときを家族で屋外スペースで、みたいなのも素敵だと思います。
実際の日本の住宅事情を考えると、都市部なんかでは、ここまでのスペースを全部自宅に、というのはちょっと現実的じゃない気もしますけど、こんな感じのスペースがその一部でも自宅にあったらいいですよね。
僕の自宅には残念ながら庭はないんですが(小さい小さいウッドデッキのテラスはありますが、数年前から、たくさんの鉢植えに占拠されてます……)、いつか郊外の海沿いにでも引っ越すことができる日が来たら、こんな感じの各種屋外スペースとワークスペース、ぜひとも作り込んでみたいものです。
( via contemporist )