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【小さくても良い感じ】コンパクトなオールインワン・リビング



こちら、ニューヨークのとある広めのワンルームマンションなんですが、ちょっと(かなり?)強引な作りをしてるんですが、なかなか面白いのでちょっとご紹介させて頂きます。

広さはわずか500スクエアフィート、メートル換算で45平方mしか無いんですが、この狭さをどうやって使うかというあたり、普通の日本の住宅にも応用できそうな部分が結構あります。
まず、お部屋全体の作りはこんな感じになってます。
幅4m×長さ10m強というくらいでしょうか。
かなり細長い部屋です。
写真の左手の扉が入り口で、左側のスペース全体には大きな構造体が作られていて、ロフトというか、中二階的なスペースが作られているわけです。
玄関を入ってすぐの左手の扉を開けたところがバスルーム、廊下を通過して真っ直ぐ来たところがキッチンスペースで、一番奥(上記画像右手)がリビングで、リビングから階段を上がるとそこがベッドルームというレイアウト。
この作りだけでも相当面白いんですが、何よりも良いなと思ったのが、このリビングスペース。
10畳無いくらいのスペースなんですが、ゆったりと座れそうなソファがでーんと置いてあって、良い感じのワークスペースもしっかりと作ってあって、必要にして十分な感じの「調度良い」リビングに仕上がっているかな、と。
このお宅の場合は、そもそも全体で27畳くらいしかスペースが無いわけで(ロフト構造を作っているせいで、実際の床面積は40畳くらいはあると思いますが)、必要に迫られてこのリビングを作ってあるわけですけれど、夫婦2人と小さなお子さんくらいの家族構成だったら、このくらいのリビングでも十分なのかな、と。
例えば僕の家のパターンで言いますと、駐車場部分もコミコミで120平方mくらいのスペースがあるんですけれど、無駄に車を2台停められるようにしてみたり、リビングダイニングを30畳くらいの広々としたスペースにしてしまったりしたせいで、一軒家のくせに2LDKという、わけのわからない作りになってます。
そもそもそんなに広々とした土地でも無いのに、無駄に空間を使ってしまったな、と。
お陰様で、10年以内に、駐車場を潰してクローゼット(or書斎)的な空間に充てるとか、書斎を潰して寝室にするとか、リビングダイニングを改装して子供部屋をつくるとか、何らかの結構大掛かりな改装をしなければならない予定になってます。
それはそれで「アリ」なプランなんだとは思ってるんですが、今になってみれば、リビングダイニングを最初からこの程度のコンパクトな空間にすることを考えても良かったかなと。
正直言って、「大きくできるから大きくしておこう」的な、安易な考えでリビング・ダイニングを作ってしまったことは否定できません。
「小さくても良い感じ」なリビングのイメージが持ててなかったんですよね…。
別に今のリビング・ダイニングに不満は無いですけれど、家の設計をしている段階で、こういったリビングスペースのイメージを持てていたら、家の間取りも今の現状とは随分変わっていて、それはそれで色々と面白かったかもしれないなと思います。
このマンションのリビングの写真を紹介することが、これから建坪30坪くらいの「小さめ」なお宅を建てる方などのお役に立つことが何かあったら良いかな、と思って、ちょっと書いてみました。
( via TOXEL.COM )

【落ち着きそうで良い感じ】狭い書斎の「作り方」



狭い書斎の「使い方」では無くて、「作り方」です。

書斎というのは生活上必要な「ツール」なわけですから、「そのエリアをどうやって使うか」が「そのエリアをどう作るか」に直結するわけです。
つまり「作り方」≒「使い方」であるべきなわけですが、このオタクの場合は、極めて能動的に、狙ってこの「狭さ」を実現しているので、敢えて「作り方」とさせていただきました。
だってこの家、外観はこんな感じの大豪邸で
中にはこんな長ーい廊下がありまして、
おうちの中はどこも広々、
お風呂に至ってはこんな広大なスペースになってるんですが、
書斎はいきなりこんななんです。
横幅はせいぜい1.5mくらいと極限まで狭く、そして長さはそれと対照的に7〜8mはあろうかという…。
この幅の狭さは相当な包まれ感と落ち着きを産んでくれそうですし、それに対して、これだけ長さがあると、視界が抜けていてデスクに腰掛けたときの気分は相当良いのでは無いかと。
こういうレイアウトにすると、全てのモノが手に届くエリアに収まって、使い勝手も良さそうです。
いくらでも広い書斎を作ることができるのに、敢えて狭い細長な書斎を作っているわけで、こういうのを「作る」というのかなと。
「限られたリソースをどう活かすか」という視点からレイアウトを考えたりするのも当然大事なことだと思いますが、そういった物理的、機能的な要求や制約事項に対応する目的だけでなく、「必要なもの」「欲しいもの」を色々な視点から考えるというのも大事ですよね。
( via design milk )