斜め天井のロフトのベッドルーム



こちらのロフトのベッドルーム、すごく普通な感じですが、自宅スペースの有効活用としては中々参考になる良い作りなのでは無いかと思います。

天井の高さは1.4m以上ありますので、日本の建築基準法上でのロフトということではないんですが、イマドキの日本のお宅としては、家の中にこういった斜め天井のエリアがある(北側斜線や道路斜線の関係で)というのは珍しくないと思います。
そういった場合、この斜め天井のエリアをどのように活用するか、何のためのエリアにするか、というのが、やり様によってプラスになったりマイナスになったりしますので、家を建てる祭の結構重要なポイントになってきます。
このお宅の場合は寝室にしているわけですが、やはり天井は屋根の傾斜が出て斜めになっています。
一番角度がきつい部分の斜め天井の角度は25度くらいでしょうか。
奥側は、最も高い所で2m強、最も低い所では1mちょっとという位の高さですが、通路になってる側の天井はしっかりと2m以上の高さがありますので、実際の生活においては全く問題はなさそうです。
この寝室、中途半端に広くしなかったところが良かったのかな、と。
幅3.5m程度の寝室で、天井の低いエリアにはベッドを置いて、天井の高いエリアは移動用の通路に充て、それ以外の機能はこの部屋に盛り込まない、という潔さが、良い方向に働いていると思います。
天井が斜めですので、置ける家具とかにも制約が出てきますし、ややもすると使いづらくなってしまい勝ちなエリアを、必要最低限の占有スペースで、使用上何の問題も無い寝室に仕上げている、というミニマルさが素晴らしいです。
「寝るための部屋」に特化しているところが良いと思うわけです。
これをヘタに広いエリアにして、寝室にリビング的な要素を持ってきてしまうと、この「有効活用」っぷりが損なわれてしまう気がしますね。
「この部屋に入ってきたら、無条件に寝るよ」という習慣が、最終的には「この部屋に入ってくると眠くなる」というパブロフの犬的な、「良い条件反射」を身につけさせてくれそうです。
斜め天井は包まれ感もありますので、落ち着いた雰囲気でよく眠れそうです。
こんな感じの寝室に、お好みで天窓を作ったりしても雰囲気が変わって面白いかもしれません。
Photo ©GregTheBusker

石畳のパティオとアクセントの色



こちらのパティオの雰囲気、かなり良いですね。
パティオというのはスペイン語で、「中庭」、「テラス」、「住居に隣接する舗装された戸外の場所」という様な意味なんですが、こちらは3番目の意味になるんでしょうか。
基本的には通路の様な場所なんですが、なんとなく、通路だけではなく庭やテラスの様な雰囲気を持っているところが良いです。
家を建てる時に、こういった雰囲気を何とか取り入れたい、と思っていたんですが、まあ、僕のウチは狭いですし、庭が有るわけでも無いですし…。
写真に写っている範囲だけでざっと見ても、幅3m、奥行き10m位のスペースが必要ですので、家のどこかにこういった雰囲気のエリアを作りたいな、と思っても、実際には土地の広さの関係とかでかなり制約されてしまうのが現実という感じでしょうか。
この景色の中に入り込んでくる赤系の色がまた良いですよね。
この石畳の通路に植物の落ち着いた緑の感じの雰囲気と、花やオーニングの、くすんだ原色の感じ(くすんでいる段階で原色ではなく混色ではないか、という気もするんですが、なにせ知識が無いもので、うまいこと言えませんで…)の組み合わせ、かなり好きです。
古びた看板の醸す落ち着いた雰囲気も良いです。
全体としては、何となく西洋風でありながらアジアンチックな感じもするというか、何だか特定の国籍を感じさせない面白さがある気がします。
全然系統は違うんですが、こういった雰囲気のエントランス、というのも、どこかしら共通するような気がします。
こちら、ある親類の家のエントランスなんですが、ここの雰囲気も結構好きなんですよね。
レンガの歩道に濃い茶色の木のフェンス、躯体の白い壁。
全体的に、非常に落ち着いた雰囲気になっていて、そこに何故か陶器が無造作に置かれていいたりして。
ココに上の写真の看板やオーニングを持ってきちゃったら、やっぱりちょっと違うかな、ということで、コチラはこの組み合わせが良いんでしょうね(こんな適当なコメントを偉そうにしていることが、この家をデザインした親類本人に知れたら、怒られそうで怖いんですけど…)。
こういった感じ、土地に余裕が無いと、このまんまで作るのは難しそうですが、どこかに作り込めないもんですかね。
例えば家のリビングに、この要素を持ってくる、とか…。
壁も床もこの落ち着いた雰囲気をイメージできる様な素材や色を持って来て、基本的な内装自体はそんな感じにしておいて、そこに植物の緑、花の鮮やかさと、オーニングや看板の雰囲気を取り込んでみて、という感じで行ければ、この写真のパティオとは全然違うものではありますが、何かしら、こういった雰囲気に近いイメージに持っていけそうな気はします。
言うのは簡単ですけど、やるのは大変でしょうかね…。
Photo #1©Patrick Gage , #2©juutakudesign.com