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【開放感抜群】森に囲まれた多開口の家



ちょっとコチラのオタクを見てみて頂きたいんですけどね…。

3階建てで、双子の躯体を並べて結合させたような左右対称の形をしてます。
早速中を見ていきます。
先ず3階。上の写真の、手前に大きくせり出して見えている切妻の庇の下に、こんな素晴らしいジャクジーが。
天井にも大きな天窓が埋め込まれていて開放感抜群。バックに見えているのはワシントン湖。
上記の写真の右手に写り込んでいるのが、コチラの寝室です。
浴室の隣のベッドルームって、生活動線的に理に適っていてホントに便利で良いんですよね。
ジャクジーがある向かって右側の躯体(本当は同一の躯体なので、この表現は正しくないんですが…)は、窓も埋め込まれておらず「半屋外」的な作りになってまして、一方で、寝室があるコチラ側の向かって左側の躯体はキチンと屋内的な作りになってます。
双子の躯体を結合させたような、この上なく贅沢な作りをしているからこそ、同一フロアの中でこういった2種類の味付けを同居させて楽しむことができるのかなと。
2階にはキッチン・リビング・ダイニングがあります。
リビングは向かって左側。
広いウッドデッキのテラスが良いですね。
このテラスに出たら相当アウトドアな感じが味わえそうですが、そもそもリビングの2面の壁が全部窓になってますので、リビングの中でも、家の中に居ながらにして森の中に要るような気持ちになれそうです。
よく見ると、右の壁にさり気なく暖炉が埋め込まれてますね。
夜、この暖炉に火を入れたら、森の中で焚き火をしているような気持ちが味わえそうです。
2階は右側も同じような作りになってるんですが、こちらはダイニング・キッチンです。
ともかく、家の中のありとあらゆるトコロに開口部が作られてまして、窓が埋め込まれてます。
この開放感は相当なものだと思いますね。
ココまで見てきてふと思ったんですが、こういう家が建てられるかどうかって、結局のところは全て「立地」にかかっているんですよね。
周囲が森に囲まれたこの素晴らしい立地がなければ、こんな思い切った作りには出来ないと思いますし、暑からず寒からずの素晴らしい気候だからこそ、こんな風に窓を沢山作ることができるのかなと。
参考までに、ワシントン湖周辺ということで、シアトルの気候を調べてみました。
「穏やかな海洋性気候で地中海性気候の性質も併せ持つ」「四季あり」「カラリとした過ごしやすい夏」「夏の昼間の気温は22度から27度くらい」「冬も氷点下になることはほとんど無い」「最も寒い1月で、平均最高気温が7度、平均最低気温が2度」。
一言で言えば、「穏やかで過ごしやすい夏」と「そこまで寒くならない冬」。
夏も光を十分に差し込ませても暑くなり過ぎないし、冬もそこまで寒くならないからこそ、開口部を最大限に多く作って、ありとあらゆるトコロをガラス窓にすることができるわけです。
日本でこの作りをそっくり真似た家を建てたら大変なことになると思いますけれど、立地を考えながら、部分的に応用してみるという手はアリかもしれません。
例えば南関東の海沿いあたりで考えてみるなら、夏は確かに暑いですが、冬はそこまで寒くならないので、開口部を少し控え目にしつつ、夏場の光の差し込みをより積極的にコントロールできるように大きめの庇を活用した家にするとか。
二つの躯体を連結したような作りを踏襲して、それぞれの躯体/エリアに対して、季節と方角にあわせて暑さ寒さに上手に対応できるような味付けをしたら、結構良い感じに持っていけそうな気がします。
最終的には日本の伝統的な家に近づいて行きそうな気もしますが、そこら辺との折衷案的なモノを考えることが出来たら、面白い家を作ることができるかも知れないですね。
( via DesignRulz )

【解放感と落ち着きのバランス】躯体の両翼を広げた家



直角じゃ無いというのもアリでしょうか。


120度開いた建物の外観.jpg

コチラのお宅、躯体の両端が120度の角度で開いた形をしてるんです(言葉で説明するのはちょっと難しいんですが、「正六角形を半分に割ったような形」をしています。以前にご紹介した「30度開かれた”羽根の家”」にちょっと似た感じです)。
当然、正方形や長方形の形の建物を建てるよりも土地の利用効率としては落ちますが、中央/右翼/左翼、どのエリアでも、「壁を背にして立った(座った)ときに、真正面に壁がない」「壁に遮られない視界」を手に入れることができています。
I字型の躯体でも、同じように「壁に遮られない視界」を手に入れることはできますが、I字型の躯体だと、「外に向かいっぱなし」になってしまうのかなと。
この家の持つ雰囲気や、躯体形状の持つメリットを上手に説明することが出来ないんですが、何といいましょうか、中庭のような「内側に向かう落ち着き」と「開放感」の双方を同時に得られる、非常にバランスの良い形状な気がします。
角が直角でない空間には、屋内の雰囲気にも面白さが生まれてきます。
上記のリビングのソファの後ろ側はこんな感じの空間になってるんですが、空間が台形になっていると、通常の「壁に囲われている雰囲気」が弱まって、普通の四角い空間には無い「拡がり」が感じられます。
コレは普通の建物には中々無い、独特で面白い雰囲気なのでは無いかと。
先ほど「土地としての利用効率は落ちる」と書きましたが、それも使い方次第なのかなと。
上の写真のリビングも、「利用効率が悪い空間」というのとはちょっと違う気がしますし、場合によっては、こんな風に、壁の向きにとらわれ無い自由な家具のレイアウトをしても構わないわけですし。
垂直/直角の組み合わせでないのでわかりづらいんですが、写真中央のアイランドは、躯体の中央部に大して直角に配置されています。
その結果、躯体左翼側の壁とは60度くらいの角度を成すことになってるわけですが、別にコレでも何が問題ということも無いですよね。
結局のところは使い方次第ということなのかなと。
こういった「直角でない躯体」は、多少なりとも空間の利用効率が落ちることは事実だとは思いますが、それを補って余りある「面白さ」を期待できる気がします。
一生に何度かしか無い「家を建てる」という一大イベントに際して、こういった「面白さを求る」ことができる物理的/精神的/その他の余裕を持てたら、それは随分と幸せなことなのでは無いかなと。