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見えない本棚の作り方



こちらの本棚が「見えない本棚」に見えるかどうかはあなたの気持ち次第、という気もしますが。

ちょっと面白いな、と思ったのでご紹介させて頂きました。
僕の様な性格がよじくれた人間だと、写真を見た瞬間に、「一番下の辞書が本棚になってるんでしょ」とかつまらないことを思ってしまって、全然面白くもなんともありません。
そうです、僕はつまらない人間なんです…。
で、実際にも、一番下の辞書が本棚になってまして、それはその通りではあるんですが…。
でも、辞書の下に「見えない本棚がある」と思ってから見ると、確かにそこに見えない本棚が見えてくる(なんのこっちゃ)気がします。
この本棚、実は相当簡単な造りをしてます。
作り方はこんな感じです(本の背表紙が手前に来ます。本の表裏の向きはどちらでもOKですが、作り方説明の便宜上、本の表表紙を下にする想定で説明します)。
1)要らないハードカバーの本を一冊用意する。
この本は、棚板になるので、大きめで、できるだけしっかりとしたものを選んだ方が良いです。
2)L字ブラケットを用意する。
ブラケットの「棚板側」の長さが、棚板になる本の奥行きよりも少しだけ短いものを用意します(この部分に本が乗っている形になるので)。数量は1つにした方が、作るのも簡単ですし、出来上がりも良いです。ちなみに、ブラケットの「壁に固定する側」は、棚板の下側に出るのでは無く、棚板の上側に出る形になります(つまり、実はこの本棚の上に載っている本をどけると、そこにブラケットが観えてしまうわけですが…)。
3)本の表紙(ハードカバー部)を開く。
本の表表側が上、本の背表紙が奥になる様に本を横向きに置いて、紙のページ部分の一番前のページを開きます。
4)紙のページ部分にブラケットが収まるように、紙のページを切り取る。
ブラケットの「棚板を支える部分」を一番最初のページにあてがって、ブラケットが丁度埋まるように、ブラケットの形に合わせて紙のページを何枚か切り取ります(例えば、ブラケットの厚みが5mmなら、5mm分のページを切り取って、紙のページにブラケットが収まるスペースを作ります)。
5)ハードカバーの一部を切り取る。
4)でブラケットの「棚板側」部分が本に収まるように紙のページを切り取りましたが、今度はブラケットの「壁側」部分と、ハードカバーのヘリ(背表紙と逆側)がぶつかる部分を切り取ります(こうすることで、本が壁にぴったりと密着できるようになります)。
6)紙のページをネジ止めする。
1ページ目から最終ページ近くまでをネジで留めてしまいます。本自体はブラケットの上に乗っている形になりますので、基本的にはページが開いてしまうことは無いのですが、しっかりと留めておいたほうが、棚としてのシッカリ感がでます。
7)表表紙と1ページ目をボンドで接着する。
ブラケットを挟み込んだページにボンドを塗りたくって、この部分が開かない様にします。
8)ブラケットを壁に固定する。
9)棚の上に本を載せる(本を載せないと、壁に取り付けたブラケットが見えてしまいますので…)。
以上です。
作り方を文で書くと一瞬面倒くさそうですが、実際にやってみたら30分位でできると思いますよ。
Photo ©P5ychoP3nguin

家具の耐震固定と家のレイアウト変更問題(中)



前回、地震対策としての家具の耐震固定の話について書いた続きです。

今回を(中)として、全3回位でまとめてみたいと思っていますので宜しくお願いします。
前回、まず課題として
1)家具固定用の穴問題。
L字金具で家具を固定する際に、壁に穴を開けるのがイヤ。
2)家具固定用の柱が家具の近所に無い問題。
L字金具で家具を固定するにせよ、石膏ボードへの取り付けでは不安が残る。震度7クラスの地震では、重力加速度3,000ガル=3G相当を超えることも在り得る。100kgの家具ならば300kgの力に耐える固定が必要。つまり、柱への固定が必須。では、家具の裏に柱がなかったらどうしたらよいの?
という位の話がありました。
まず1)に対して、「柱に鬼目ナットを埋め込んで、それを用いて家具を固定してはどうか」というあたりまでを考えてみました(鬼目ナットを使えば、壁に穴は開くけれど単なる穴ではなくネジ穴なのでまだ我慢できそう。家具のレイアウト変更などをしても再利用も可能)。
コレが鬼目ナットです。木材にねじ込んで、ネジ穴を作ることができます。
1本以上の通常の柱(10.5cm×10.5cm)と複数本の間柱(3cm×10.5cm)に対して、柱あたり2個以上の鬼目ナットを埋め込む想定にすれば、最低でも柱は3本、鬼目ナットは6個以上という計算になりますので、地震発生時に家具が300kgの力で引っ張られたとしても、柱一本あたりの荷重は100kg,鬼目ナット1個あたりの荷重は50kgという計算になります。
で、今回は課題の2)、「家具の裏に柱がなかったらどうしたら良い?」について、です。
まずは、家の柱というのがどのくらいの間隔で入っているのか、という話です。
通常、家の柱は、大体45.5cm程度または50cm程度の間隔で入っている様です。
家の設計の規格には「尺モジュール」と「メーターモジュール」というのがあります。
「尺モジュール」であれば、半間90cmごとに通常の柱を入れ、その間に45.5cmの間隔で間柱という石膏ボードなどを固定する柱を入れます。
「メーターモジュール」であれば、1mごとに通常の柱を入れ、その間に50cmの間隔で間柱を入れます。
ツーバイフォーであろうと木造軸組工法であろうと、石膏ボードなどの規格化された内装部材などを使用するために、このいずれかの規格に合わせて設計されているのが通常の様です。
柱や間柱は基本的に上記の様な形で入っていますが、実際の柱の入り方は、家や内装のレイアウトによって異なってきます。
例えば、窓などは幅45.5cm以上あるものが多いですが、窓がある場所には当然柱は入れられませんので、窓の周りに柱を入れ、窓の上下に間柱を入れる形になっていたりします。
壁なども、必ずしも45.4cmや50cmの倍数の長さでは無いですから、壁の両端や途中、いずれかの場所で、一部短い間隔で間柱を入れるなどして長さを調節していたりすることが多いです。
僕の家の建築当時の写真があったので、いくつか例を挙げておきます。
窓の周辺はこんな感じになっていたりします。
左右に普通の太い柱が入っていて、その間に間柱が3本入っています。
奥に見える上げ下げ窓は、均等に柱が入っていないパターンです。
上げ下げ窓の左右に、芯-芯105.25cmの間隔で幅10.5cmの柱が入っています(柱と柱の間の長さは94.75cmということになります)。窓の上下には間柱が入っているわけですが、45cmで割り切れないので、等間隔に2本+4.75cm間を開けてもう1本、という感じで間柱が入っています。
室内の壁はこんな感じになっています。
右手に見えているのは幅約2.9m位の壁なんですが、こちらも45.5cmでは割りきれませんので、手前から、10.5cmの柱-3cmの間柱-柱-間柱-柱-間柱と来て、その隣は狭い間隔で10.5cmの柱が入っています。
ちなみに、柱と柱のそれぞれの中心(芯)の間の長さが45.5cmを基本としている、ということで、45.5cm+柱の太さ10.5cm、ということではありません。
こうやって見ていくと、多くの壁の場合には、少なくとも45cm程度の間隔では何らかの柱が入っているわけで、家具の固定に3本以上の柱を使用したいのであれば、壁側の取り付けエリアとしては90cm程度の幅を見れば大丈夫そう、ということになりそうです(メーターモジュールの場合には1m程度の幅)。
実際は、レイアウトや施工等によって色々と変わってくるのですが、基本で言えばこんな感じでしょう。
拙い絵ですいません。壁と、その中の柱のイメージを2段並べたつもりです。
ここで今度は、家具のサイズを簡単に測ってみます。
37型液晶テレビ-約93cm
タンス-約80cm
戸棚-約80cm
という感じでした。
テレビも戸棚も、柱の位置を意識して設置しているわけではありませんので、80cm、90cmの幅の丁度両脇に柱が来ている、ということは恐らく少ないでしょう。
つまり、柱の間隔が45.5cmだとすると、最大で家具の両脇は柱から22.75cm程度離れていることになります。
そして、家具自体の幅は90cm程度しかありませんので、多くの場合には90cm程度の家具の後ろには、柱は2本しか存在していないことになってしまいます…。
この問題を解消する方法を考えてみたんですが、壁(に埋め込んだ鬼目ナット)と家具の間に、板を入れれば良いような気がします。
幅10cm、長さは90cmよりもちょっと長め位で。厚さは2cm位で大丈夫かな、と考えています。
つまり、こんな感じです。
壁にそって板を横に渡して、その板を、柱3本、6箇所の鬼目ナットに固定します。
で、その板に対して家具を固定するわけです。
コレだったら、板自体を交換すればレイアウト変更にも柔軟に対応できますし、板は交換ができるので、必要ならば気兼ねなく穴あけ等もできます。
無垢素材のいい感じの板を使えば、インテリア的にもそんなに悪く無いのでは無いかと。
これで、2)の「家具固定用の柱が家具の近所に無い問題」も解消できそうです。
上記の前提で、次は実際に、
・柱への鬼目ナットの埋め込み。
・家具固定用の板の手配、穴あけ、壁への取り付け。
・家具固定用の板への家具の耐震固定。
あたりを実施した結果をご報告してみたいと思います。
部材の手配の関係がありますので、次回は一週間後位でしょうか。
家具の耐震固定シリーズ」、何だかだらだらと来ている気がしますが、次回で最終回にできるといいんですが…。