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南アフリカ共和国の欧風ダイニング



「南アフリカ風ダイニング」かな、とも思ったんですけれど…。

南アフリカのダイニング
 

こちら、南アフリカの東部 ムプマランガ州のクルーガーパーク クルーガー私営保護区にあるSabi Sabi Private Game Reserveというリゾートのダイニングなんですが、素晴らしい雰囲気ですね…。
ダイニングのあるエリアのすぐ外は大自然そのまんまの草原が広がってます。
こんな風に草原を眺めながら寛げるラウンジがあったりもします。

南アフリカのアウトドアラウンジ
 


南アフリカのラウンジ プール付き

プール付きですよ…。
このサイズは泳ぐためのプールじゃないですね。
お酒を飲みながらのんびり読書をしたりして、体が火照ってきたら、おもむろにちゃぷんと浸かって気分を変えるためのプールですね。
コレは暑い夏を抱える日本のお宅にも一家に一個欲しいかもしれません(ただし使えるのは夏だけですけど…)。
で、冒頭の「◯◯風」の話に戻るんですが、こういった様式というのは南アフリカにもともと存在していたものではないので、「南アフリカ風」では無いと思うんですが、とはいえ純然たる「欧風」とも違うと思いますし、「ヨーロッパの文化が南アフリカに流れこんで、南アフリカの風土気候にあわせてこういった形になった」ということが言いたかったんですけれど…。
ぱっと見は西洋建築の様でありながら、じゃ、欧州諸国に行ったらこういった建物が建っているかと言われると多分そんなことは無くて、これはやはりヨーロッパからの文化的侵略を受けた南アフリカ共和国風、ということなのかなと。
近代以降の南アフリカという国がどんな歴史を経てきたのか、という話を基にしてちょっとイメージをふくらませてみたいと思います。
まず西洋文明との出会いですが、1,488年にポルトガルのバルトロメウ・ディアスが喜望峰へ到着します。
そしてその約160年後の1,652年にオランダの東インド会社が入植を開始し、1,800年代以降から1,900年代後半まではイギリスが植民地として支配し、と、長らく欧州諸国からの植民地支配を受けたわけですが、その歴史の中で、南アフリカという国は様々な資源の採取地であると同時に、ヨーロッパの人々がクリスマスなどの休暇を過ごすバカンスの地でもあったわけです。
南アフリカというと何だか暑そうなイメージがありますが(僕だけでしょうか)、実際には海沿いの一部地域を除いては標高1,000mを超える高原地帯ですので、一年を通じて程よく温暖で、夏服+朝晩が冷え込む時期にはセーターが一枚あれば大丈夫、という位の気候の様です。
良いですね…。
そういう暑からず寒からずな気候、好きです。
このリゾート、お風呂もいろんなパターンがあります。
スイートのバスルーム。
プレジデンシャル スイートはこんなです。
個人的にはこのスパが一番羨ましいですけど。
周囲に一人掛けのソファが2つ置いてあって、いつまででもこの空間で過ごし続けられそうな感じです。
スパって本来はこういった独立した寛ぎの場として成立しているべきものなんでしょうね。
なんだか「リゾートご紹介」みたいになってきてしまったんですが、「お風呂をゴージャスな感じにしたいな」とお考えの方にはもしかするとちょっとは参考になるかな、と思いまして。
こういったバスルームやスパも「気候が良いからこそできる」というのはあるかもしれませんけれど、日本にだって素晴らしい四季があるわけで、それを楽しめる様な「何か」を自宅に上手く作り込もうと考えるのは大切なことだと思います。
海や山に近いエリアだったら、こんな感じの屋外シャワーを作ってみるというのも良いかもれません。
外で遊んで帰って来たらこのシャワーでさっと体を流して、という感じで使ったら良さそうですね。
眺めの良い広いデッキを作って、こんな感じの屋外ダイニングを作りこんでみるというのも面白そうです。
先ほどのバスルーム/スパの話しの続きになりますが、いずれも気候の温暖さがあるからこその「この造り」な気はしますが、日本でも(地域にもよりますけれど)初夏から初秋くらいまでだったら結構実用的に使える部分がありそうな気がします。
今風の気密性の高い家も良いかもしれませんけれど、そもそもが高温多湿な夏を持つ日本ですので、「開放的で通気の良い家」を如何に上手く(冬を含む)四季にマッチさせるか、という方が自然な気がするんですよね。
そういった意味では、どうやったらこの南アフリカのリゾートの「開放的な良さ」を日本の家に取り込めるかを真剣に考えてみるのも面白そうです。
Photo ©Sabi Sabi Private Game Reserve

物件の相場と住む人の要望の乖離



これが「住宅のデザインに関すること」なのかどうかちょっと疑問ではあるんですが、オーストラリアの某物件を見ていて色々と思ったことがあったので、ちょっと書いてみたいと思います。

こちら、オーストラリア シドニーのキャンパーダウンという街にある1LDKのマンションです。
家族持ちの僕がこういったところに住むということはもう無いかもしれませんが(子供たちが独立してコンパクトなところに転居したり、あまり考えたくないですが何らかの事情により独りの身になったり…、ということはあるかもしれませんけれど)、独身だったり奥さんと二人の新婚生活とかだったりしたら、こんな感じのところに住んでみたい気がします。
柱や梁、内装などに木材を多用しているところが、暖かみのある独特の雰囲気につながっていて良い感じだと思います。
ベッドルームも、面積としてはそれほど広くは無いですけれど、隣接するLDKとの仕切りの背が低いので、結構開放感がある空間になっています。
間取り的に言うと、リビング・ダイニング・キッチンが幅3.6m×奥行き5.6mで20平方m12畳、ベッドルームが幅3.6m×奥行き3.2mで11.5平方m7畳程度。4、5畳くらいのサイズの結構ゆったりとしたバルコニーもついてます。
バス・トイレはトイレ付きバスルームと、それとは別にもう一つトイレがあります。

間取り的には1LDKになってますけれど、クローゼットや収納で空間を仕切ってこの間取りを作っているだけで、実際には大きな一つの空間のワンルームの様なお部屋です。
全体の広さとしては60平方m弱、16、7坪程度の専有面積という感じでしょうか。
この物件自体は賃貸物件では無く販売物件でして、価格は45万オーストラリアドル≒1豪ドル76円程度として3,500万円位。
で、ココらへんにちょっと興味が湧いてきたので、東京都心部で同じようなマンションがどの程度の相場で売られているのかを調べてみました。
エリアや駅からの距離、築年数なんかでも結構開きはあるんですが、東京都心部で働く若手が職住接近の生活を送ることを想定して、山手線沿線から私鉄や地下鉄に乗換えて3駅程度、という条件で調べてみたんですが、50平方mから60平方m位の広さの物件で、3千万円台後半、という位になるみたいで、このオーストラリアの物件と似たような感じなのか、もうちょっと高いのか、という位の様です。
この価格、高いのか安いのか相場的にはよくわからなかったんですけれど、個人的な感覚で言えば(東京の場合ですよ)、独り身かせいぜい二人でしか暮らせないこのサイズに対して3,500万円を出すか、というとちょっと疑問な感じが。
こういった物件に住もうと考える人というのは20代から30代前半くらいの若手の方だろうと思いますので、確かにこのサイズというのは調度良いのかもしれません。
でも、そういった世代の方というのは、程なく結婚したり子供ができたりというイベントを控えているわけで、10年後のライフスタイルにマッチしているかというと、ちょっと違うのかな、と。
そうすると、こういったマンションに暮らすことができるのは、子供たちが独立した後、リタイア後、ということになるんですかね…。
それはそれで、まだ40歳にもなっていない身としては、何だか寂しい気もします。
で、じゃあ賃貸だったらどうなんだ、ということで、こちらも同じく山手線から乗換えて3駅位のあたりで考えてみますと、こちらも多少の開きはあるものの、一坪1万円位、60平方m≒18坪程度と考えると、月18万円の家賃ということになるんでしょうか…。
一人暮らしで家賃18万円払う位なら、マンションか家を買ったほうが良い様な気がしますね…。
で、何だかだらだらと脱線気味にきてしまったんですが、そうするとこういった広めのマンションに都会の若者は住めないのか、というあたりが気になったわけです。
僕自身も、独身時代は港区の職場まで30分くらいで行ける都心部のマンションに住んでましたが、専有面積30平方m位の1LDKで家賃が月10万円ちょっと、それに加えて駐車場代も月に3万円位払ってました。
決して広いマンションではなかったですけれど、平日は深夜まで働いて家には寝に帰るだけの生活を送っていたのに、結構贅沢をしてたな、と思います。
でも、このマンションの半分くらいの広さしか無いという…。
親密に接近したい人がお家に来るのには都合が良いかもしれませんけれど、男の先輩が酔っ払って泊まりに来たりした日にはムサくてしょうがなかったですね。
それが現実なわけです…。
それが現実と言われてしまえばそれで話は終わりになってしまうんですが、ココらへんを解消できたら何だかみんな幸せなんではないかな、と思いまして。
と言っても、実際ココらへんは土地の持つ利用価値とかそれに関わる産業のコスト構造の話とかそういったものにも絡んでくる話ですので、それが解決できたら、恐らく僕は大金持ちになれてしまうんだろうという位の話なんですけれど…。
乾いた大都市で独りモクモクと働く若者たちは、出来る事ならばこの位のマンションに自分の給料で無理なく住めるくらいの生活を送りたいと思っていると思うんですよ。
そのためには、都心部の家賃を今の半分か、せめて3分の2くらいにしてもらわないとイケないわけです。
逆に言えば、そういった物件を作る方法を確立出来れば、多くの人がこんな感じのマンションに住むことができて、こういったマンションを真剣にデザインしたり、面白みのあるマンションを作ったり、というあたりが新しいジャンルとして確立されて、長く残せる面白い物件を作ってみたり、じゃ、建物は賃貸だからリフォームやリノベーションのサイクルとしてどう考えて、とか、そういったことが色々と始まったりすると面白いかな、と。
で、そういった状態になってくると、この物件みたいに「内装に凝った面白い物件を作る」ということがより活発になって、造る人も住む人も幸せになれるんでは無いだろうか、とか漠然と思ったりしたわけです。
そうできない現状の根本にあるのが、単純に不動産業界の産業構造や土地の価格の問題だとすれば、産業全体でのコスト削減や、技術革新と規制緩和によって土地に対して作り込める床面積を拡げたり、というあたりが一つの解になるはずなんですけれど、何時まで経ってもそういったことが起きないのは何でなんでしょうかね…。
長々と妄想にお付き合いいただきましてありがとうございました…。