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【内部に広がるレイアウト】中庭とロフトのある細長い狭小住宅



こちらのお宅、オーストラリア第2の都市メルボルンを拠点に活動するデザイン事務所 “Austin Maynard Architects”が手掛けた物件なんですが、作りがちょっといいなと思ったのでご紹介させていただきたいと思います。

入り口は、道路に面した無骨な鉄製の3枚引き戸。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家の外観2

 

接道幅5〜6mといったところでしょうか。この狭い道路付け、どことなく日本の狭小住宅を思わせる部分もあるような気がします。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家の外観

 

そして、引き戸の向こう側には、いきなり一段下がった作りのダイニングスペースが。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家の入り口から内部を

60〜70cm掘り下げてある感じでしょうか。

 

ちなみに、このダイニングの右側はバイク用の駐車場。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家のバイク用車庫1

こちらは下がってません。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家のバイク用車庫2

バイクに乗らずとも、自宅にこういうスペースがあったら、駐輪場兼スポーツ系各種用具のクローゼットとして重宝しそうです。日曜大工とか、サーフボードやスノーボードなんかのメンテナンスをするための多目的ワークスペース的な使い方もできそうで便利かも。

 

ダイニング側に入って内部に進みますと、

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家のダイニング

ダイニングエリアの向こうは、全開口のドアで中庭とつながる、開放感のあるキッチンエリアになってます。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家のダイニング・キッチン 向こうは中庭

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家の中庭

 

自宅のキッチンがこんな作りになってたら良くないですか?

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家の中庭脇のキッチン

道路から一段下がった場所に潜り込むように入ってきて、奥に行くほど逆に開けていく意外性のあるこの感じ、穴蔵的な作りの隠れ家とか秘密基地みたいでちょっとおもしろいですよね。

入ってすぐにリビング・ダイニング、その向こうに中庭のある60cmほど掘り下げた家の中庭からダイニング側を

 

そして、ダイニング・キッチンの頭上には、ロフト的なスペースまで作りこんでありまして、

ダイニング・キッチンの頭上のロフトのワークスペースに上がるための階段

 

こちらの梯子を上りますと、

ダイニング・キッチンの頭上のロフトのワークスペース

 

そこには、勾配天井の下にカウンターデスクを造作して作り込んだ、ロフトのワークスペースが。

ダイニング・キッチンの頭上のロフトのワークスペース2

 

頭上にたくさんの天窓の埋め込まれた、明るく開放的な作業スペース。ここでだったら、あまり気の乗らない自宅での休日持ち帰り作業なんかも、ちょっとくらいなら頑張れそうです。

ダイニング・キッチンの頭上のロフトのワークスペース1

階下のスペースと緩くつながるこの感じ、結構好きなんです。上下でそれぞれが別のスペースに居ながらにして、なんとなくお互いの状態が伝わってくる、その気になれば会話だってできる、こういうの、いいと思うんですよね〜。

 

それにしてもこちらのお宅、見れば見るほど、いつかどこかで見かけたことがあるような感じがしてきません?

短めの接道に、一段掘り下げた作りと細長く奥行きのあるレイアウト、ロフトにはワークスペース、勾配天井には天窓を埋め込んで。これって、どれもこれも、日本の住宅、それも狭小住宅系でよく見かける作りなのではないかと…。まあ、そうはいいましても、こちらの物件は設計もロケーションもオーストラリアですから、各種住宅事情や建築基準法などの諸法令に対応することで出来上がってきた日本の狭小住宅とは根っことなる部分が(恐らく)異なるわけで、それをそのまま真似したりするといろいろと困ったことも出てきそうな気はしますけどね…。でも、パーツパーツやアイディアレベルでは、参考にしたり応用したりできる部分は当然あると思いますし、いいなと思う部分を、日本の各種事情にあわせた形で上手に応用することができたら、そういうところから、またおもしろいものができたりすることもあるのかなと。

( via Austin Maynard Architects )

【タープの下でリラックス】全開口の折れ戸で室内とつながるウッドデッキの屋外リビング・ダイニング



自宅の庭が、こんな感じの屋外リビング的なスペースになってたら素敵ですよね。

庭の上部にワイヤーを張って頭上をタープで覆ったウッドデッキの屋外リビングスペース

全開口のガラスの折れ戸で屋内とシームレスにつながるスペース。

足元はウッドデッキ、頭上にはワイヤーを張って、そこにタープを取り付けて。開放感と包まれ感のあわさったようなこの独特の雰囲気、いいですね〜。屋外なのに、屋内以上に寛いで過ごせそうです。

頭上に張られたタープの下の包まれ感のあるウッドデッキの屋外リビングスペース 室内とは全開口の折れ戸で一体につながる

こちらのこの庭、頭上のタープの張り方がまたいいですよね。

タープって、骨組みのあるオーニングや固定式の屋根と違って、つけたり外したりが自由自在で、使い方のバリエーションがものすごく幅広いと思うんですよ。例えば、日差しが厳しくて比較的雨も多い夏場〜秋口にかけてはスペース全体を覆うように張っておいて、逆に、日差しが恋しくなる冬場は完全に取り外すというように、季節にあわせて張り方を変えたり、時間帯や下のスペースの使い方にあわせて一部分だけをカバーするようにしたりと、いろいろなアレンジが簡単にできますから。

そうやってタープの張り方を柔軟に変えられるようにするためには、庭に面した部分の躯体の壁や塀にあらかじめ複数のヒートンを埋め込んでおいて、使用するヒートンを必要に応じて組み合わせて使うというのが1つの手でして、実はうちの自宅のテラスでもそういうやり方をしてるんです。

テラスを囲う壁にヒートンを埋め込んで、そこにタープを取り付け1

 

これがあるおかげで、植木類には午前から昼くらいまでしっかりと光をあてつつ、午後から夕方にかけての西日が厳しい時間帯の光は完全に遮る、みたいな感じで、テラスへの採光をかなり細かいレベルでコントロールできてます。

テラスに面した躯体の壁にヒートンを埋め込んで、そこにタープを取り付け

これ、今の家を建てるときにふと思いついて、工務店さんにお願いしてやっておいてもらったんですけれど、本当に重宝していますね〜。

でも、このやり方って、うちみたいな狭小住宅の小さなテラスだからできることで、ある程度以上の広さのある庭になってくると、サイズや重量などの制約から、こういったタープの類を躯体に直接取り付けること自体が難しくなってきたりすると思うんですよね。その点、こちらのお宅の庭みたいに、頭上にワイヤーを張っておいて、そのワイヤーと躯体や壁に埋め込んだヒートンとを適宜組み合わせて使うというのはいいアイディアなのではないかと。

ワイヤー側に十分な強度が確保できていれば、複数のタープを重ねあわせて使ったり、蛇腹的に一部に寄せて開閉できるような仕組みを作り込んでみたりと、さらにいろいろな使い方ができそうですしね。

 

これからお家を建てるご予定のある方で、自宅に屋外リビング/ダイニング的なスペースが欲しいな、とお考えの方がいらっしゃいましたら、こんな感じのヒートン&ワイヤー、導入を検討することを強くオススメしておきたいと思います。

まあ、ワイヤーが必要になるというのは、それなり以上の広さのお庭がある、恵まれたお宅限定の話かもしれませんが…。

( Photo#1-#2 via AMANDINE & JULES interior photograohy , #3-#4©juutakudesign )