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暖炉と巨大本棚のあるリビング



このリビング、良いですね。

もしも「リビングに二つだけ特別な設備を入れて良いよ」と言われたら、僕だったら間違いなく暖炉と巨大本棚を選ぶと思います(当然、ソファとかそういった基本的なものは欲しいですけれど)。
この写真を見ていて思ったんですけれど、暖炉と本棚の組み合わせって何だか良いですね。
ものすごく地味で落ち着いたイメージのある二つの設備ですけれど、懐が深そうというか、柔軟さがありそうな組み合わせという感じがします。
例えば「一人でのんびりと過ごす時間」というパターンだったら、本棚から読みたい本を3,4冊選んで、暖炉に火を入れて、コーヒーでも飲みながら…という感じが良いですかね。
でも、奥さんと二人で、という様なパターンであっても同じようにこの組み合わせでいけそうな感じがしますし、子供たちも含めて家族みんなで、というのでもいけてしまいそうな気がするわけです。
「暖炉」というのが懐が深いのかもしれません。
炎の周りに家族みんなで集まって、家族みんなで話をしたり一緒のことをしても良いし、それぞれが思い思いのことをしていても良いしという、「ゆるく集まる」ことを許容してくれそうなイメージといいますか、「どうやってもOKそうな雰囲気」がある気がします。
実際には、小さなお子さんが居たりしたらやけどとかそういったことにはちょっと気を使うわけで、「なんでもOK 」という訳ではないとは思いますけれど、あくまで空間のイメージとしては、というお話です。
で、本棚の方もこの位の巨大な作り付けの本棚だと、家族全員のありとあらゆる本や書類などを収納して置けるわけで、お子さんの絵本からお父さんの司馬遼太郎全集まで、全てが収まっている不思議な本棚にすることができます。
ビジネス書を読むつもりだったけれど、気分を乗らせるために先ず池井戸潤を読む、みたいな、そんな思いつきの行動にも対応してくれそうな「幅」が、物理的な大きさによってもたらされると言いましょうか。
もしももう一度家を建てることが有ったら、別の場所を少し削ってでも、こんな実用的でありながら独特な空気が流れている雰囲気抜群のリビングを目指してみたいものです。
Photo ©Rickydavid

グリーンな雰囲気のバスルーム



このバスルームを最初に見た時、「森の中でタープを張って、その下でキャンプしてるみたい」とか思ってしまったんですが、ボクは疲れているんでしょうか…。
でも、相当良い雰囲気なのは間違いないと思うんですけど。
このバスルーム、相当凝ってますよ。
間違いなくやりすぎなくらいです。
シャワーエリアはエメラルドグリーン系のガラスモザイクタイル張りです。
で、壁もシャワーエリアのタイルと同系色の、エメラルドグリーンと金を混ぜたマーブル調の独特の雰囲気の壁になってまして、バスルーム全体が鮮やかでゴージャスな感じのグリーン調でまとめられてます。
壁の仕上げについてちょっと説明を読んでみたんですが、”crafted with lots of tins of paint”、つまり「たくさんの缶入りの塗料で」的な意味だと思うんですが、この壁、ペンキで塗ってあるんですかね。
“glazed”という単語も出てきて、この言葉には「釉薬」的な意味もあるのでちょっと悩んだんですが、どうもこの壁が焼き物系のものを貼ったりはめたりした様には見えないので、何らかの「コーティングを施した」「つやつけの」という様な意味で理解しておけばいいのかなと。
ちなみに、2枚目の写真で見る限り、浴室以外の部分の壁も同じようにペイントされている様です。
浴室とそれ以外の場所が全く同じ作りなのか、それとも浴室部分のみ下地にはそれなりの防水加工をしているのか、とか、素材や技術的な面含めて、どういったものをどう施工したのかという点の詳細が不明なもので、コレ以上コメントできないんですが…。
ちなみに、シャワールームの向こう側はトイレになってます。
照明へのこだわりも面白いです。
洗面台の下にライトを埋め込みんだり、鏡に光が反射して天井や壁にうっすらとした明かりが映り込む様にしてみたり、シャワーエリアの向こうのトイレ側から、間接照明の様に光が漏れてくるようにしたり。
斜め天井にぽつんと一つダウンライトが埋め込まれていたり、沢山のキャンドルを置いてみたりして、照明関係もかなり凝ってますね。
で、床はフローリングですから。
浴室なのに、フローリングですよ?
総じていうと、このバスルームの内装、バスルームじゃなくて普通の居室エリアの内装みたいになっているわけです(ま、こんな内装のリビングというのもあまり無いかなとは思いますけれど)。
浴室らしからぬ棚付きの両開きの窓があったりして、ここがベッドルームだと言われても「そうかな」と思ってしまいそうな感じです。
どうやったらここまでこの雰囲気を作り込めたのか考えてみたんですが、基本はやはり「防水」なのかな、と。
まず、お風呂場だからといって単純に床や壁をタイルにしてしまってはこの雰囲気は作り出せないわけで、ここの部分には相当なひねりが盛り込まれています。
1つ目はシャワールームですね。
シャワールームを独立したエリアにすることで、バスルームの床が濡れるのを最小限にしています。
こうすることで、あとは浴槽から出たときに体から滴り落ちる水滴さえ考慮すれば、床をフローリングにすることができるわけです。
で、2つ目が壁です。
壁も単純にタイルにするのではなく、塗料でコーティングすることで、「浴室らしからぬ」雰囲気を作り出すことに成功しています。
キモとなる重要なポイントはこの2点なのかな、と。
その上で照明であるとか窓であるとか、そういった部分を色々と作りこんでいって、全体としてこの雰囲気を作り出しているわけです。
これは相当おもしろいと思いますね。
もしももう一度家を建てることがあったら、何から何まで真似してみたいくらいです。
ところで、僕には変な癖がありまして、こういうちょっと変わった内装を見かけると、いちいち広さを検証してみたくなってしまうんです。
今回もざっくり考えてみたいと思います。
バスタブのサイズからざっくり計算するに、幅2.5m×奥行き5m、12.5平方m≒8畳弱といったところでしょうか。
思ったよりも広くないですね。
普通のユニットバスだって、一軒家であれば浴室と脱衣所あわせて少なくとも4畳位のスペースは使っていると思いますし、このバスルームはトイレもセットになっているわけですから、普通のお風呂で使うエリアにもう少しプラスアルファのスペースを割く腹積もりがあれば、こんな感じのお風呂にすることも可能なのかな、と。
ただ、広さの問題とは別に、コストについては相当なものを覚悟しなければならない気はしますけど…。
Phoro ©rogue-designs