「狭さを活かした細長い狭小住宅」みたいなのをたまに見かけますけど、正直言ってあんまり住みたいと思うことないですよね。せっかくだったら、こういうの建てればいいのに。
こちらポルトガル第二の都市ポルトの中心部に建つ、3階建ての超狭小住宅のリビング・ダイニング・キッチンの風景なんですが、こういう家だったらちょっと住んでみたかったかもと思いまして。
間口わずか4m、土地の広さは57平米17坪。
土地の形は細長い三角形でして、一番奥の部分の幅は、わずか75cmしかありません。
先ほどのリビング・ダイニング・キッチンが最上階。
その中でも、スキップフロア状に一段高くなった最上部がキッチン。
キッチンの一番奥が一番細い”75cm”部。
こんな狭い中でも遊び心を忘れることなく、壁にニッチなんか掘っちゃったりして。
ちなみに、このキッチンから梯子を使って屋根の上に出ることができるようになってます。
キッチンから半フロア下がった下がリビング・ダイニング。
コンパクトながらもいい感じのダイニングスペース。
大人2人+αくらいまでだったら、こんなダイニングでも十分ですもんね。
キッチンとリビング・ダイニングをつなぐ階段は、更に下のフロアへもつながってます。
降りる途中にバスルーム。
キッチンの真下の細くなってる部分です。
その下がベッドルーム。
こちらは間口側の太い方。ということは、幅4m程度は確保できてるということになりますかね。
さらにそこから降りた先がトイレ。
こちらも細い方。
ここの壁にも物置スペースとして使えるニッチ。
こうやって見てみると、ニッチって棚のように出っ張ってこないので、こういう狭小住宅に向いてますよね。
さすがにこの家に大きな子どもを含む家族4人で住むというのはちょっと難しいかなと思いますけれど、若い夫婦2人とか、そこに+乳幼児1人2人くらいまでだったらいけそうかなと。たとえば、結婚当初〜上の子供が小学校に入学するまでの10年程度とかだったら十分住めそうですよね。
この前提でちょっと具体的に考えてみますと、例えば都心部の下町のほうの交通の便の良いあたりで、土地が坪150万×17坪で2,600万円+建築費用が1,000万円で合計3,600万円。頭金は600万円、残り3,000万円を20年ローンで組むとして、金利3%だとボーナス無しの月返済額が16〜17万。まあ、それなりに厳しい額ではありますが、狭いとはいえ、都心に建つ一軒家に住むわけですから…。
で、適切に設備更新を入れれば30年40年経っても普通に住めるようなしっかりとした作りで建てておいて、最初の10年は自分たちで住んで、11年目以降は自分たちは別の場所に引っ越しつつ、この家は共働きの若夫婦に家賃16万円で貸してローンの返済に充てるというのはどうでしょう?
ローンを組むにしても不動産投資にしても、10年先20年先の状況がはっきりとは読めないことが1つのリスクなわけですけれど、「最初の10年は自分たちで住んで、残りは人に貸す」という想定で計画を立てることで、金額や環境変化に関わるリスクを多少軽減することができたりしないかなと。
「築10年経った後、11年目から最低10年以上、若い共働き夫婦に必ず16万円以上で貸せそうなものをつくる」という前提をしっかりと守れるように考えて建てれば、意外と行けそうな気がするんですけど(税金とか手数料とか借り手がつかないとか、そういう諸々を考慮に入れて、ローン自体は25年くらいで組んでおきつつ、20年の計画で返していくくらいが良いのかもしれませんが)。
ま、素人がパッと思いつくようなこんなプランが上手くいくなら、すでにもう不動産屋がやってるでしょうけどね…。
( via archilovers )
【読書好きのための家】大きな本棚のあるリビング・ダイニングとベッドルーム
こちらのお宅のダイニング、ちょっと素敵なんですけど。
頭上には、格子の入った大きな天窓が2つ。
そしてその脇には大きな造作の本棚。
これだけのサイズがあれば、お気に入りの作家の作品集や文庫、ムック、各種の書類なんかも含めて、家族皆の分のいろいろなものをまとめて収めておけますので、かなり便利に使えそうです。
とはいえ、本はダイニングやリビングだけで読むものじゃありませんから、他のスペースにも当然本棚は必要なわけですけれど、そこら辺もぬかりはありません。
ベッドルームの枕元の壁面にも、程よいサイズの本棚が作り付けてあります。
当然子供部屋にも。
向こうのベッドエリアの枕元にもあります。
本棚から話がそれますけれど、この子供部屋の作り、ちょっと良くないですか?
2つのベッドを単純に配置するのではなく、1mくらいのシンプルな袖壁を作って、それを使ってスペースを分けてあるんですけれど、このアイディア、面白ですよね。完全に分けてしまうと、双方のスペースとも結構圧迫感がある感じになってしまいそうですけれど、この分け方だったら圧迫感もほぼないでしょうし、その一方で、ベッドに横になったときにはお互いの顔が見えないようになるので、多少のプライベートも確保できます。壁があるお陰で、夜にライトを付けて本を読んでいたりしても相手に迷惑を掛けないでいられそうですし、中高生くらいになって、いよいよ本当に部屋を区切る必要が出てきたときにも、この壁を使えばリフォームも簡単にできそうですしね。
本の話に戻ります。
せっかくここまで本のことを意識していろいろ作り込むんだったら、読む場所も欲しいですよね。
ということで、大きな天窓の入った勾配天井の下に一人掛けのソファを置いて、リーディングヌックに。
天窓の下の明るく開放的な雰囲気と、斜めの天井の下の包まれ感が組み合わさったこの雰囲気、落ち着いて気持ち良く読書ができそうです。
パソコンとスマホが普及し、電子書籍も台頭してきているこのご時世、思わず「もうそんな大きな本棚は自宅に必要ないかな」と考えてしまいそうになりますけれど、実はそうでもないと思うんです。
「本当にお気に入りの本は紙の書籍で読みたい」という方も多いのではないかと思いますし、雑誌の類でもそういったものは多々あるでしょう。子どもの描いた絵や手紙、長期に渡って紙で保管をしておく必要のある書類なんかもまだまだあります。
これから家を建てたりリフォームするご予定のある方がいらっしゃいましたら、こちらのお宅を参考にしつつ、自宅にどの程度の容量の本棚があって欲しいのかをしっかりと検討してみることをオススメしておきたいと思います。
例え全ての本が電子書籍に取って代わられる時代がやってきたとしても、リーディングヌックで寛ぎながら本を読む時間が素晴らしいことには、何の代わりもないだろうと思いますしね。
( via Home Adore )