このテラスの雰囲気は良いですね〜。
中庭のように左右を囲まれたテラスの上にタープが張られちゃったりして。
こちらのお宅、どんな作りになっているのかと言いますと…。
メインの建物の南側に厚さ1m程度の独立した壁が建てられてまして、先ほどの写真は、この壁とメインの建物の間のペースだったというわけで。
この壁、その名も”Summer wall”と言いまして、テラス用の屋外キッチンや色々なものを収納しておくためのクローゼットスペースを内包しつつ、暑い夏場に南側からの日差しを遮って日陰を作るという役割も果たすように設計されてます。
必要に応じてメインの建物と壁の間の上部にタープを張って、更に積極的に日照をコントロールすることも出来るわけです。
キッチンの右側にはデイベッド的なスペースも作りこまれてたりして。
これ、かなり面白いアイディアですよね。
実はこちら、本当の住宅ではなく、「ソーラーデカスロン」というコンテストに参加するために、ハンガリーのブダペスト工科経済大学の学生のチームが2年の歳月を費やして作った作品なんです。
「ソーラーデカスロン」というのは、米国・エネルギー省(U.S.Department Of Energy / D.O.E)が主催となって2002年に始めた次世代のソーラー住宅設計コンテストでして、世界中から選抜された20の大学の各チームが、実際にソーラー住宅を設計/建設して総合的な優劣を競うというもの。
デザイン性、快適性、省エネ性、革新性、市場性など合計10項目で評価を競って総合順位を決めることから、陸上競技の10種競技(デカスロン)になぞらえてネーミングされました。
実際にはまだまだアイディアレベルのものの方が多いんでしょうけれど、こういうものが一般の住宅に実現可能なプランとして盛り込んでいけるようになってくれると、「エコで便利で面白くて」みたいな、本当の意味で夢のある家が建てられるようになってくれそうな気がします。
( arch daily )
「開放感」タグアーカイブ
家の中心のプライベートなオープンスペース
中庭ってちょっと良いですよね。
中庭に面する部分をこんな風に全部ガラス張りにしておけば採光も良くなりますし、室内に居ながらにして、ものすごく開放的な雰囲気を楽しむことができます。
中庭に面する部屋が実際の床面積よりもかなり広く感じられるというメリットもありますし、中庭から上に風が抜けてくれますので、家全体の風通しも良くなります。
天気の良い日に気持ち良く過ごせるのは当然のこととして、例えば、梅雨の長雨の様子をリビングからぼーっと眺めたりするのも、独特の落ち着いた雰囲気を楽しめて良さそうかなとか。
アウトドアな雰囲気や自然を楽しむという面でいうと、植える木の種類なんかでも色々と変わってきますよね。
こちらのお宅のようにもみじなどの紅葉を楽しめるような植物を植えるのも良いと思いますし、常緑樹や、花や実をつけるような木を、小さな苗木から育ててみたりするのも楽しそうです。
外部から遮断されていますので、BBQをしたり夏場にプールを出したりするときにも、普通の庭やバルコニー/ベランダと違って人目を全く気にすることなく過ごせるというメリットもありますしね。
こうやって考えるとメリットばかりのように思えてしまう中庭ですけれど、実際に作るとしたら、色々と考慮が必要な部分があるのも確かです。
全面がガラス張りで採光も風通しも良いということは、逆に言えば、断熱性能の確保について相当しっかりと考えておかないと、いくらエアコンを掛けても全く効かなくて、夏は暑いし冬は寒いし、電気代はメチャメチャ掛かるしということになる可能性も高いわけです。
初夏から秋くらいまでの季節については、タープやオーニングなどを使って採光を上手にコントロールできるような仕組みを予め作り込んでおくのも良いかもしれませんね。
建物の中央に庭があるわけですから、ヘタをすると動線がめちゃくちゃになって毎朝毎晩やたらと遠回りをさせられたりというようなことになる可能性もありますので、家族それぞれの日々の生活を踏まえてレイアウトをしっかりと検討しておく必要もありますよね。
他にも、水はけや排水についての考慮(特に、最近頻発するゲリラ豪雨のような大雨時にも確実に排水できるようにしておく)が必要だったり、作りによっては建物の強度や施工費などに影響してくることもあったりと、中庭1つ作るために結構な手間が掛かってくるのも事実です。
でも多少の手間隙が掛かるとしても、自分たちだけのこんな素晴らしいオープンなスペースが自宅の中に持てるのなら、しっかりと検討してみるだけの価値は十分にあると思うんですけどね。
( designboom )