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こちらのマンションの一室、手前のダイニングスペースと奥のリビングスペースの空間の仕切り方が中々良いなと思ったので、ちょっとご紹介させて頂きます。



リビングスペースとダイニングスペースがスキップフロアでつながっていて、しかもその間には、間仕切り的な、一風変わった棚が作り付けられてます。


この棚、ちょっと珍しい作りですね。

写真だとちょっとわかりづらいかもしれませんけれど、壁から1.5m位の場所(天井の梁に鉄の板が打ち付けられているあたりです)に、梁から床まで柱が一本通ってまして、壁とその柱を使って、その間の部分に棚を作り付けてあります。

棚の両側のエリアから使うことが出来て、本棚としてもディスプレイ棚としても、なかなか使い勝手が良さそうです。


スキップフロアと棚を使った空間の区切り方も面白いですよね。


このマンション、間取りなどの細かい情報が無いのではっきりとはいえないんですが、専有面積全体が930スクエアftということなので、単位を直すと、83平方m≒50畳、といったところでしょう。

このリビング・ダイニングに加えて、キッチン、ベッドルーム、お風呂位を作ったら、スペース的にはパツンパツンな感じかな、と。

そうすると、このマンションで暮らす人は、寝ている時とお風呂のとき以外は、ほぼ100%、このリビングダイニングで過ごすことになるわけです。


その「唯一の大空間」に対して、このスキップフロアと棚が「一体の空間ながらも色分けをする」ことに成功しているわけです。


(ちなみに、上記の写真の反対側、リビング側から見たダイニングエリアはこんな感じになってます)



このエリアが、スキップフロアも棚が無い、単なる一つの空間になっていたら、全く雰囲気が違ったと思うんですよね。

リビングに居てもダイニングに居ても、何だかいつも同じ場所にいるような気がしてしまうんでは無いかと。

メリハリが無いと言いますか何といいますか...。


コレが仮に、もっと広くて、いくつも部屋がある様なマンションだったら、ちょっと話は違うと思うんです。

別にこの部屋が1つの空間になっていても、別のエリアで別の空間を作っていけば良いわけですから。

でも、このマンションにはそこまでのスペースは無いです。


そういった物件に対して、この空間の仕切り方を持ってきて、ちょっと面白い雰囲気に作り上げている、というあたり、学ぶべきところがあるのでは無いかと思います。


ちなみにこのマンション、デザインやインテリアとは直接関係無いんですが、「不動産」という大きな買い物をするにあたって、何かの参考になりそうなエピソードがあるので、そちらも併せてご紹介しておきたいと思います。


オーナーのジェームズさんがこのマンションを買ったのは2005年、つまり、住宅バブルでアメリカの不動産が高騰まっただ中だった時期です。

でも、そんな状況下でも、この物件自体は、不動産屋をして『暗くてジメジメして、狭くて、どうしようも無い(ので、買わないほうが良いよ)』と言わしめる様な物件でした。

現在は1フロアのマンションとして住んでいるんですが、購入当初は上下2フロアが繋がったメゾネット形式のマンションだったそうです。


で、このマンションを安く手に入れたジェームズさんは、2つのフロアの中でも、比較的まともだった上のフロアを良い感じにリノベーションして、まずそのフロアを売ってしまったんだそうで。

そして、「全くダメダメ」状態だった下のフロアをリノベーションして、こんな素敵な1フロアのマンションに作り変えたんだそうです。


つまり、ジェームズさんは、この物件を見た時に、「下のフロア、リノベーションすればイケる」ということに気がついてたわけです(予想を上回ってダメダメだった箇所もあったらしいですが...)。

まずは、そこの「気づき」が重要だったとは思うんですが、このエピソード、それだけでは無くて、人生にとってもっと重要な行動原則の様なものが含まれているような気がするんですよね。


「良い方を売る」って、ちょっと突飛な行動の様にも思えますけど、逆のパターンをやろうとしていたら、つまり、悪い方を売ろうとしていたら、こんな良い結果にはならなかったのでは無いかと思うんです。

そもそも上のフロアはそこそこ良い感じだったわけで、そこに住もうと考えていたら、上のフロアのリノベーションは「ほどほど」で済んでしまっていたのかな、と。

で、下のフロアは売れなかったりして。

つまり、どっちも困っていたことになっていたのでは無いかと思うんですよね。


そういう様なことを考えてみると、単なる結果論なのかもしれないですけれど、ジェームズさんの取った行動というのは、「2つのフロアを最大限に有効活用するための最良の手」だった様な気がするわけです。


真似してできることでは無い気もしますけど、十の価値のものを二十や三十にしたければ、どこかで誰かが付加価値を生み出さなければいけないわけで、その「誰か」というのは、結局は自分自身なんだろうな、という様なことを考えさせられましたね。





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何だか妙なタイトルをつけてしまったんですが、記事を書きながら、「そんなイソップ童話があったような...」と思ったもので。


こちらの写真、テキサス州サンアントニオの建築事務所"Lake | Flato Architects"が手がけるプロジェクト、"PORCH HOUSE"のベランダなんですが、素材感剥き出しのベランダと、バックに広がる広大な雰囲気の景色のマッチ度合いが素晴らしいと思いまして。


周囲に全然人がいないような広大な空間に、1つポツンと建つ家、良いですね。

東京生まれ東京育ちで一度も東京から出たことがない僕は、こんな家に憧れてしまう部分があるわけです。


別荘的なものでも良いかもしれませんけれど、やはり「ここで暮らす」方が断然魅力的ですね。

毎日、ここで目を覚まして朝ごはんを食べて、昼間は何故か何時間も掛けて都会へ仕事に行って、で、夜になるとまた帰って来て夕ごはんを食べて、ここで寝て。



仮に通勤に2時間、3時間かかるとすると、そういった面は相当大変そうではあります。

でも、こんなお家に住んで、ここから都会まで働きに出る、という生活をおくったら、金曜、土曜の夜に自宅の外の山々の風景を眺めながら、今の僕には想像もつかない「何か」感じることができるのではないか、という気もします。



家族がいると、家族の生活、子供の教育などの問題もありますので、ここまで思い切るのは難しいかもしれませんね。

でも、例えば子供がいない若いご夫婦などであれば、いつか子供ができて、その子が幼稚園に上がる3歳になる年くらいまでの機会にチャレンジしてみる手もありかもしれません(その位若い方だと、尚の事、職住接近の方が魅力的に感じるのかもしれませんけれど)。


これをあとからチャレンジするのは、結構大変だと思います。

子供がいれば、子供が大学生になるくらいまでは色々と制約があるでしょうし、そう考えると、50代、60代という引退が近づいてきたような年から、というあたりの年齢になってしまうのかな、と。

それはそれで悪くないとは思うんですが、「ものすごい田舎に暮らしていながら都心で働く」、という強烈なギャップを楽しむのとはまたちょっと違うと思いますし。

そういった生活を存分に楽しむためには、それなりのパワーも必要でしょうしね。


そもそもは、別にこの"PORCH HOUSE"というプロジェクト自体に興味があったわけでは無かったんですが、こんなことを妄想したり、原文記事を読んだりしていたら、"PORCH HOUSE"プロジェクト自体にも興味が湧いて来ました。


"PORCH HOUSE"プロジェクトというのは、「気候、立地や周囲の風景までを含めた周辺環境にマッチした住宅を、デザイン性に優れた形で、且つ、低コストでつくる」ことに取り組んでいるプロジェクトなんだそうです。

コンセプトは"sustainability(持続可能性)"であり、言い換えるならば、「環境と一体化した住生活の提供」という感じでしょうか。


その特徴を理解するためには、設計/施工方法について説明させて頂くのが良いのではないかと思いますので、ちょっとそこら辺のご説明を。


設計/施工の概略はこんな感じです。

"PORCH HOUSE"プロジェクトでは、リビングやベッドルームなどの居室の躯体はモジュール化されたものを用います。そして、通常の建築施工で行う大部分の工程を工場で実施して、組み上げたものを現地に搬送して設置施工します。

そこに、"porch"と呼ぶ「屋根のある屋外箇所」を、現地でアレンジしていきます。"porch"には、躯体から張り出した大きな「庇」の様なものや、離れて設置された躯体間をつなぐ「渡り廊下」の様なものなど、様々な種類があり、これを現地の「環境」にあわせて組み合わせることで、気候や立地、風景などの「環境」にマッチした家を構築するわけです。

建材には、木材やガルバリウムなど、「耐久性やメンテナンスの面でのメリットがあり、環境に与える影響が少ないもの」を用います。


この手法には幾つものメリットがあるそうです。

・躯体をジュール化して工場で組立を実施することで、部材の無駄の削減、現地への搬送コストや施工コストの削減が実現できます。これは、費用削減の効果と、環境へ与える影響を削減するという2つの効果を産みます。

・"porch"を組み合わせることで、居室内に入り込む太陽光をコントロールしたり、居室と外部環境のつながり度合いをコントロールし、結果として、「夏涼しく、冬暖かい」省エネルギー効果を産みます。

・"porch"は省エネルギーにつながるだけではなく、周辺環境により近い場所で生活をおくることができる、「居室内と屋外の中間エリア」としての魅力も持っています。


...なんだか、"PORCH HOUSE"プロジェクトの宣伝の様になってしまいましたが、僕は別に"PORCH HOUSE"プロジェクトの回し者ではありません。


でも、こういった取り組みってなかなか面白い取り組みだと思うんですよね。

家がエコであるかべきかどうかはともかくとして(その方が良いとは思いますが)、住んでいる人にとっては、「夏涼しく、冬暖かい」、「省エネで」、「周辺の(良い)環境と、より近く暮らせる」家の方が魅力的なのは当然だと思いますし。


伝統的な日本家屋の「庇や開口部、縁側、渡り廊下などを使って日光と通気をコントロールする」という考え方とも、非常に共通点が多いと思います。

この"PORCH HOUSE"プロジェクトをそのまま日本に持ち込んでも、結構使える部分が沢山あるのでは無いかと考えると、そういった点も興味深いです。


興味がある方は元ネタサイトも覗いてみてください。





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