丸い背もたれの一人掛けソファも、座り心地が良くて好きですけれど、こういう3〜4人で座れるサイズのソファで、背もたれが丸くなっているソファも良いですよね〜。
90度で座るでも無く、横に並ぶでも無く。お互いの顔は視界の端に入ってきていながら、その表情までは捉えられず、でも、お互いの表情を感じて取ることができる。ごくごく親しい間柄の同士の、適度な距離感でのリラックスしたコミュニケーションのイメージが頭に浮かんでくるような気がします。
角ばった空間の中に丸いものを入れるのって、一見すると、スペースの使用効率がちょっと良くないような気もしますけれど、実際には、角にぶつかったりする恐怖感のようなものが無いので、周囲のスペースまで含めた利用効率は意外と良いのかなと。
こちらのお宅、書斎もこんな感じの円形ドーム状になってたりして。
この書斎、適度な包まれ感があって、作業や読書に没頭出来そうな気がしますよね。
大きな窓が複数作られているお陰で開放感も結構確保されていますけれど、もしかして、窓の数を少なくしたりサイズと多少小さくしたりすると、もっと内部に入り込んでいける雰囲気になるかもしれません。
ちなみに、こういった円形ドーム状のスペースのあるお宅、実は今までに何軒か実際に見たことがあるんですけれど、作り方については結構難しい部分があるように思います。
包まれ感があって落ち着くというのも確かなんですけれど、なんというか、穴蔵の中にいるみたいで、人によっては閉塞感や息苦しさのようなものを感じることがあるのでは無いかと。
なので、書斎のような基本独りで過ごすスペースとして作る場合にも、窓や開口部などを使ってその辺りをコントロールする必要があると思いますし、リビングや客間のような複数の人間で使うスペースとして作る場合には、さらに注意が必要です。
例えば(仲の良い)夫婦同士、特別なパートナー、長い付き合いの親しい友人とか、そういった特定の間柄の方とじっくりと腰を据えて過ごすためのスペースとして使う想定なのか、それとも、ちょっとした知り合いまで含めて招き入れて使えるスペースにしたいのか、など、用途に応じた作りを検討する必要があるのかなと。
ま、単なる知り合いレベルの方と、そんなところに篭って語り合いたいようなシチュエーションというのも、そうそう無いとは思いますけど。
逆に、そもそものベースを極限まで開放的な方に振っておくという作り方もありですよね。
こちら、同じ建築家さんがデザインした別の住宅なんですが、そもそものリビングを、これ以上開放的に出来ないというくらいに開放的な空間にしておいて、その中に円形の空間を組み入れてあります。
こういう作りにしてしまえば、リビングの一画に作り込んでも全然大丈夫。先週初めて知り合った知人を招いても、お互いにリラックスして気持ちの良い時間を過ごせそうですよね。
( via FOLEY FIORE ARCHITECTURE )
【家族の共有空間】長く大きなテーブルのあるダイニング
こういう大きなダイニングテーブルのあるダイニングというのも素敵ですよね。
10人か、もしかするとそれ以上の人数でも座れそうなくらいの長く大きなテーブル。まるで、学校か何かの合宿所のような、多くの人が集って一緒に何かをするための施設にありそうなテーブルです。
これだけのサイズのものを入れてしまうと、さすがに他の家具を入れるスペースを圧迫してしまいそうな気がしますけれど、それでも、これはこれで素晴らしいのではないかと。
ダイニングにこのテーブルが1つあれば、家族全員が、時には皆で同じことをし、また時にはそれぞれ思い思いの別のことをしながら、常に時間と空間を共有しつつ一緒に過ごすことが出来ます。
なんだったら、一辺の片隅にソファでも合わせておけば、寛いで過ごすこともできる、リビングを兼ねたようなスペースを作ることもできると思うんですよね。
でも、もしも本当にこんな大きなダイニングテーブルのあるスペースを作りたいんだったら、間違いなく、他の何よりも先にこのテーブルを入れることを決定して、配置まできっちり決めておかなきゃダメですよね。
「一番大切なものを最初に壺に入れなさい。さもないとそれは壺に入らなくなり、君たちはそれを永遠に失うことになる」
どこかで聞いたこの話、以前にも一度ネタにさせていただいたことがあるんですけれど、人生の色々な面の本質に触れるかのような話だと思うんです。
本来は、優先順位を明確にすることの大切さを説いた話なわけですけれど、物理的なスペースの広さや、そこに入れるものの大きさというのも、当然この中の一項目として含まれるわけで。
後から欲しいと思っても、こんなテーブル、絶対どこにも収まりませんから。
( via dezeen )